#30◆投薬治療を始めて以来、最大の絶望感と希死念慮に見舞われた話
ある朝、目は開いてるのに体を起こすことができない。それだけじゃない。凄まじい絶望感に襲われ、心臓が飛び出さんばかりの動悸がする。こんな感覚は久しぶりだ。
原因は、採用面接に連続で落ちたからだ。アラフィフで短期離職歴ありとなると大半は書類選考落ちで、面接までたどり着けるのはほんの僅か。そんな貴重な機会をモノにできず、大きなストレスがかかったらしい。
ここまで凄まじい絶望感に襲われるのは久しぶりだ。投薬治療を始めてから最も強烈と言っていい。
頭の中では除夜の鐘のような音がグワングワンと鳴り響き、布団から出るのも、服を着替えるのも、トイレに行くのも億劫になる。スマホを持つ手にも力が入らない。
そして、何ヶ月ぶりかに希死念慮に苛まれた。
(こんなに辛い人生を何のために生きてるんだろうか…?)
という思考が頭を飛び回り、まるでビッグバンのように膨張していく。
メンタルの調子が悪いときには気持ちをノートに書き出すといいよというアドバイスを貰ったが、ここまで大きく落ちてしまうと文字を書けない。そんなエネルギーが残っていないのだ。
LINEで相談ができるサービスもあるらしいが、僕はきっと利用できないだろう。文字を打てるとは思えない。
だけど、口頭での会話はできる。支離滅裂で筋の通ってない話になるかもしれないが、今の気持ちを口にすることはできる。ただ、残念なことにメンタルが落ちているときにリアルで会話をできる相手はいない。一人で耐え凌ぐしかない。
足を骨折した人がリハビリをするとき、少し無理をすると折った箇所がズキズキ痛むと聞いたことがある。僕が今置かれている状況もきっと同じだ。心と体に異変が出たのは、少し無理をしたからだろう。
療養だけしていたら過大なストレスはかからない。だけど、社会復帰をしたくて就職活動に精を出している。これを続ける限り、今後も大きな絶望感に襲われたり動悸がしたりするだろう。
僕はそれを恐れない。なぜなら、以前は立ち直るのに数週間かかっていたのが、今回は2~3日で動けるまで回復したからだ。希死念慮も2日で消えた。
「極めて重度な抑うつ状態」と診断されたあの日を考えたら、なかなかいいペースで回復に向かってると自信を持って言える。
ひとつ気がかりなのは、上に書いた「メンタルが落ちているときにリアルで会話をできる人がいない」問題だ。たまたま友達と会う予定があればいいが、そんな好都合はなかなかない。
LINEで話ができる友達はいるが、なんせ1回目に送るテキストが書けない。何か妙案はないだろうか…と考える日々である。
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