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定行恭子 *朗読家
2020年6月4日 03:15
プラネタリウムを運んでいる今日も静かな祈りの狭間をいちばん星を輝かせるためいつからだったろう空を見上げるようになったのは悲しみで閉ざされた夜闇につながる途方もない道眠れずにただ 夜を聴いている朝焼けの眩しさに気だるさを抱えたまま寄りかかるいったいどこへ向かえばいいのだろう私のうえにも かつて星は降りそそいでいたやさしさを携えて導き出す答えのようなひかり
2020年5月17日 05:10
【前橋ポエトリー・フェスティバル2019参加作品】蒼い空の扉ここに来る前に少し泣いて来たんだ大切な人が みな私のそばから離れていってどうしようもない悲しみの渦のなか 曲がり角を曲がった道の先に見えた小さなひかりに駆け出す ここは小さな生命が溢れているたった一輪から始まった物語かもしれない 揺れるメロディーが耳の奥でしっかりと時を刻んで いま この場所にたどり
2020年6月4日 02:18
僕がはじめてもらった1ダースのクレヨンそのクレヨンは色をぬると言葉を話すんだみかんをオレンジ色にぬると笑い声がきこえる水色の空をぬると風がちいさくささやく草原のミドリからは羊の声が聞こえるなんだか面白くなってきて僕はお母さんの顔を描いた肌色をぬると僕を呼ぶ優しい声がひびく赤い口紅をぬるとガミガミ叱られた黒い森のよるは一羽の鳥のなき声が聞こえてなんだか とつぜん 一人になった
2020年4月26日 02:34
はじめまして。私は5歳の頃ピアノをはじめて、音と戯れて大きくなった。いつからか、心の中でもメロディは鳴り続け言葉にならないもどかしさや、どうしようもない苦しさを感じるようになった。その頃の私は、気持ちを言葉にする術を持たなかったため、貪るように読んだ本と音楽と映画で心の乾きを潤すようになった。しかし、それは結局、自分の感情に似た物への摺り替えに過ぎず満たされるというよりは、枯渇してさら