【小説】SNSの悪夢
最初は少し後を歩いて居た女性が、いつの間にか体を擦り付けるぐらいに男に近づいている。
男の方もそれを良しとしているのだろう、手を繋いで体を寄せ合っている、事情を知らなければ、熱々のカップルに見える。
なーにやってんだか、まだ会社からそう遠くはない場所だから、心の中で突っ込みを入れる。
何処に行くかは知らないが、兎に角写真を撮って置く、自分の事を非難して於いて何なんだよ。
やはり同族嫌悪か、自分がやっているのがいけないとは思っているんだ、だけど止められないから、他人に擦り付けてるんだ。
杉山某が嬉しそうな顔をしていたのが理解できた、これからお楽しみが始まるのか。
見失わない様に付いて行くと、2人が何か話しながら歩いていく、自分はいい探偵になれるんじゃ無いか、独り言ちた。
見ているとバーに入っていく、見失うといけないので、入っていったのを見て自分も入っていった。
「いらっしゃいませ。」薄暗いバーに店主らしい人間の声が浮かぶ、1人でやっているバーなのかな。
店内はそれほど大きくはなく、見回していると、カップルの為のバーみたいだ。
あちこちに離れがたいという感じのカップルが椅子に座っている、さっきの2人は何処に居るのかな。
探していると気付かれない様に、椅子を探しているふりをする。
あの2人はカウンターに居る。
ほんの少し離れて椅子に腰を下ろす、流行ってない店で良かった、そう思いながら。
「ねえ、今日は泊れるの?」女が聞いている、割と可愛い女でスタイルも良い、何でこんな女がこんな男にって思ってしまう。
相手が結婚しているのを知らないのかな。
「泊まるのは出来ないな、妻にばれると厄介だ、君も慰謝料ってのは嫌だろ。」言い聞かせている。
こんな人間が居るんだな、他人には非難をして、自分は楽しむって最低な行為だ。
「でも、私の方が好きなんでしょ、奥さんと子供にお金を払って離婚したらいいでしょ。」ふんと怒った声で女が話すのが聞こえる、きっと興奮しているのだろう、話し声は聞き取れる程大きい。
「出来たら金は出せない方が良いだろ、適当な理由で離婚して金は出さない方が、新生活に使えるさ。」こっちは小声で返している。
この声も聞こえてるよ、念のために声もボイスレコーダーにとって置いた。
これ、奥さんに渡したら、面白いんだけどな、でもそれだけじゃ気が済まないな。
自分は仕事にも影響が出た、こいつにもその気持ちを味合わせてやりたい、気持ちが荒れているのがわかる。
だけど復讐はこれからなのだ、次にする事を考えていた。
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