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【小説】SNSの悪夢


先ずは男から調べよう立花はそう思った、幸い今の自分は時間がある、不倫不倫と騒いでいる人間が、どれほど高潔かどうか見てやろうじゃないか。

こいつのアカウントはこれだけか?、他にSNSをしていないかも確認する、こういう奴はあちこちで当たり散らしているはずだ。

在った、在った、あちこちに足跡を残しているな、これなら本人の特定も簡単だ、家や家族構成も解るんじゃないか。

調べていくと、この男は特別に高潔でも何でもない、ただ単に人を批判したいだけのようだ。

妻も子供もいて人の批判ばかりしているなんてな、自分なら人生の大事な時間をそんな事には使わないのに。

そう思って、フフッと声に出して笑った、自分だって調べて復讐してやろうと思っているのに。

自分のしている事は棚に上げるのが人間の常なのだな、そう考えながら、その男のSNSに上げている全てを確認する。

結構写真もある、これで生活している場所が特定できるんじゃないか、見ていくと生活に直結してるんじゃないかと云う写真も多い。

人間写真ひとつで自分の生活が丸裸にされるなんて思っても見ないから、平気で自分の家やその周辺の写真を載せたりする。

旅行や出かけた先の写真もあると尚良い、行くのに掛かった時間を計算して、確実な距離を推測できる。

ここまでは推測だが、写真を見て歩いて確認すれば、家を特定は難しくは無い。

まあ歩かなくても特定はできるが、確実を狙うと歩いて確認して、写真の家を割り出す必要がある。

自分が間違った情報で仕事を追われたのだから、間違った人間に罪を負わせる訳にはいかない、最低限の自分の正義がそう言っている。

だけど、この人間は思っている以上に嫌な奴だ、自分だけでなく他にもヤジが多いな、自分だけが正義だと思っている。

そう思うなら自分の名前を揚げて批判したらいいのに、自分の言葉に自信が無いんだろうな、批判しててもたかがそんなもんなんだ。

覚悟が足りないな。

『こいつは如何してやるのがいいかな、自分の全てを壊したのだから、こいつにも同じようにしてやりたいもんだ。』

そう思いながら、この男の家を確認して、それから考える様にしよう、慌てなくてもいい、仕事も妻も今のところは帰って来る様子は無い。

この男の家は幸いにも東京近郊だった、今の自分には時間があるのだから、別に東京近郊を幸いと思う必要はない。

まあ交通費とホテル代を考えると、近いに越したことはない、行って生活を見てやろう。

それから考えるんだ。

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