Arima Saburo

HULFTシリーズを30年開発・販売しているセゾン情報システムズCTO 兼 米子会社H…

Arima Saburo

HULFTシリーズを30年開発・販売しているセゾン情報システムズCTO 兼 米子会社HULFT Inc. 取締役。日米共同開発の面白さ、50年の歴史を持つ会社ならではの楽しさとか課題とかを発信します。

最近の記事

期待をしすぎず、アンチを愛せ

4月からの新年度で何かに取り組もうとした時、KPIを立てると思う。余裕を持ったり、攻めてみたりそこは色々あるだろう。 新しいことを始めるのに心得ておきたいことがある。 それは、社内で新たな何かを始めるとき、少なからず発生する反発だ。 でも、それは健全な反応だ。それが素直に表面に出てくる組織はとても素晴らしい。 反発が全然見えない時は、誰も関心を持っていないか、もしくは陰で色々と言われているかのどちらかだ。 利用者の反応がないとき、企画者は不安になる。だけど、良いもの、面白

    • 謙虚を持って刀を磨き続ける

      ほとんどの人は経験を重ねていく中で、何かをわかったような振る舞いをし始める。これは誰にでもある。それは成長とも言えるけど、時間軸で考えると好ましくない状況を生み出すケースがある。 何かを習熟するために人は一定段階まで一生懸命に取り組む。1つを深く学ぶことはその周辺のことも含めて学べる。ただ、そこで全能感を持ってしまうケースがある。多少の自信を持つことはよいが、その1つの経験や実例を持って昇進したりする人には、この状況がたまに起きる。 そのような状況を回避するためにも、専門

      • エンジニアの経験を価値に変える

        長く同じ環境で働くことで保守的になってしまうリスクに関して話したところ、USのアメリカ人元同僚から次のような指摘をもらった。 それを聞いた瞬間、日本には「敬老」という言葉もあるぐらいだし、そんなことはないと一瞬反発した。 ただ、少しそのことについて少し考えてみると確かにそういうケースもあるかもと思った。 日本では年功序列という、これまで暗黙的に受け入れてきたシステムはすでに制度破綻しているし、エンジニアの35歳定年説も元々はエンジニアの経験や年をとることに対するアンチテー

        • 阿吽の呼吸という理想

          自社のHULFT SquareはUSチームと共同で開発している。3年以上一緒にやってきて、とても良くなってきている。アーキテクトとプロジェクトマネージャはアメリカ人でもあり、まあグローバルチームと言える。 改善するところはまだまだいっぱいあるけど、これまでの苦労みたいなのを書いてみる。 最初に理解しなきゃいけないのは「阿吽の呼吸」は通じないということ。 日本の強みであるこれは異文化の中だと弱みに変わる。 長い間一緒にやってるコンテキストがあるからこそ、このスキルは強さを増す

        期待をしすぎず、アンチを愛せ

          Architecture Astronauts

          当社ではビジョンを実現するために、クラウドやデータエンジニアリング関連の技術教育を全社として進めている。しかし、プログラミングももちろん重要。 当社ではHULFT Seriesをはじめ、多くの製品があることから、C, アセンブラ, Java, C#, Typescript, Go, Pythonなど多岐にわたる。 そんな中、ふと1on1をしているときに気付かされたことがある。言語の違いはあれど、新しくチームに入った人はコードを書いてレビューを出す時に妙な緊張感を抱えているの

          Architecture Astronauts

          GPTを会社で使いたい

          3月末ごろに、ChatGPTを始めとしたLLMが大盛り上がりの状況の中、自社でもこれをどう活用するかということを考えていた。 ただ、数分考えてどう使うかは自分ではなく、社員みんなで考えたいと思い直した。 当社(セゾン情報システムズ)の技術が好きなメンバーは当然すでに色々触っている。方向性さえ決めればあとは進む。ただ、この状態に至るまでにはそれなりに長い時間が必要だった。これについてはまた別途書く。 創業50年を超える企業でもあるので、社内のセキュリティとか色々検討するとこ

          GPTを会社で使いたい

          次の山を探す

          「谷を埋めるな、山を伸ばせ」は前の上司の言葉。 私の羅針盤の1つとしている。 ただ、自分が組織の方向性を決めて、引っ張る立場になった今、これをどうやって説明しようかと考えていた。 個人の技術戦略や個別の製品としてはこの考え方はそのまま使える。40年という一個人が働く時間の中で強みを持って、それを伸ばしながら働くことはやりがいや楽しさにつながることも多い。 また、自分とは異なるスキルのレーダーチャートを持つ人と仕事をすることはとても楽しい。 一方で、個人と組織では少しだけ、

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          イノベーションのハードルを下げよう

          全社のトピックや課題を拾ってCTO視点で発信する公開ミーティングを4月から始めました。毎週月曜日12時から30分間です。 始めた理由は経営と現場、とりわけエンジニアチームとの言葉の距離を感じたからです。 経営会議の情報や、当社の取り組みなどをいろんな角度から何回でも伝え、この距離を近くしていくことを目的としています。たまにゲストも呼びつつ、自身の振り返りとしても有用だなと思っています。そんな中、みんなと話している中で以下のことを感じました。 当社は長く続く企業であり、エン

          イノベーションのハードルを下げよう

          note始める

          2023年の5月から平日毎日Twitterで発信をしていくことにしました。 ちょうど1ヶ月やってみて、たくさんの発見があるのだけど、Twitterはやはりフロー情報を扱うのに適してますね(発見、遅)。 自分でも見返したり、何を書いたかすら覚えてないので、noteで定期でまとめていきます。 ソフトウェア企業のCTOの毎日考えてることとか、進めたいこととかが他の人の参考になれば幸いです。

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