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阿吽の呼吸という理想

自社のHULFT SquareはUSチームと共同で開発している。3年以上一緒にやってきて、とても良くなってきている。アーキテクトとプロジェクトマネージャはアメリカ人でもあり、まあグローバルチームと言える。
改善するところはまだまだいっぱいあるけど、これまでの苦労みたいなのを書いてみる。

最初に理解しなきゃいけないのは「阿吽の呼吸」は通じないということ。
日本の強みであるこれは異文化の中だと弱みに変わる。
長い間一緒にやってるコンテキストがあるからこそ、このスキルは強さを増す。でも、これはスケールを妨げる重要な要素になる。

あと、阿吽の呼吸を支える同一性が組織の中で浸透すると、目的を考えるという機会が減少する。
上からの視点だと、それを伝えなくてもなんとか回るし、現場からの視点では、「あーあれね」という感じで作業できる。
ただし、なんとなく空気を読んで忖度していると、「なんでこれやるんだっけ」という気概は段々と失われる。設計書はきちんと書いてるけど、そこには価値や目的が不十分になり、プロダクトは細かい気遣いの足りないものになる。何より、新しい価値を生み出しにくくなる。

さらに、目的が失われると個人は好き勝手に考え始める。
日本では議論の際に意見せず、わかったふうに振る舞う光景がよく見られるが、これは結構アジャイル開発では良くない結果を生み出す。もちろんアジャイルでなくとも問題は発生するが、アジャイルの場合は自主性を重視する分だけ、その振れ幅も大きくなる。

逆にいうと価値や目的さえきちんと定義できればあとは開発チームが創造力を持ってプロダクトを作れる。その時に細かい指示などは不要で、できそうか、できそうでないかはチームのベロシティで判断する。そういうチームが理想。ただそれは、開発チームの努力だけではできない。

CTOやCPOやプロダクトマネージャがステークホルダーと正しくコミュニケーションをとり、プロダクトの価値や目的を定義するという活動がそれを達成するための自転車の前輪である。後輪だけだと進む方向は決められない。

ビジョンとか目的とかはそういう意味でとても大事。遠回りだけど、何回も言い続けたり、議論をしていかないといけない。

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