見出し画像

「燻製」はじめました。ビールが最高に旨い手作りベーコンやスモークチキンの作り方紹介します!

美味しいビールを飲むために、大学の友達と一緒に、初めての燻製にチャレンジしてみました。もちろん事前に入念な調査・検討はしましたが、「こんなに美味しくできていいの!?」というくらい上手くいったので、自作した燻製器の構成、ベーコン塩漬けから燻製までのプロセス、工夫したこと、今後の燻製でやってみたいこと、燻製を始めたい人へ向けたアドバイス...などをnoteに残しておこうと思います。

画像1


画像2

手作りベーコン、手作りスモークチキンと一緒に飲む黒ラベルは最高でしたし、手作りベーコンを贅沢に厚く短冊切りして作ったカルボナーラや、翌朝のベーコンエッグも感動のおいしさでした。

画像3


画像4

初心者の僕たちにも簡単に作れたので、たくさんの人が燻製にチャレンジしてみようと思えるように、そしてこの美味しさと充足感を味わってくれたらと思って記事を書いています!読んでいただけると嬉しいです!


目次です(クリックすれば各項目に飛べます)↓

そもそもの経緯

前々から、4月25日に銀座のサッポロ生ビール黒ラベル THE BARへ行って美味しい黒ラベルを飲もう!という予定を立てていた俺たちは、東京都の緊急事態宣言発令による臨時休業の報せを4月24日に受け、悲しみに打ちひしがれていた。

画像5

大学のある神奈川には緊急事態宣言は出ていないものの、当分は飲食店でお酒を飲むこともできない。また変異型が猛威を振るう中で、政府の希望的観測通りには感染は収束しないだろうから、2週間程度の短期間で、5月11日に緊急事態宣言が終わることはないだろうと俺たちは予測した(そして実際、緊急事態宣言は延長されている)。

つまり、銀座のサッポロ生ビール黒ラベル THE BARに行くことができるようになるのは、まだ当分先の話だろう。研究のストレスを発散するのに、何ヶ月後になるかわからないサッポロ生ビール黒ラベル THE BARの営業再開を待つわけにはいかない。

自分たちで飲むか!アウトドアならいいだろ!燻製だ!

ということで燻製をすることにした。


燻製とは: 分類、必要なもの、注意点等

ベーコンや燻製に関する数々のネット記事を参考に、事前に調査を行いました(参考にしたサイトは、記事最後に参考文献としてまとめて記載しています)。

まとめると、

・燻製には熱燻温燻冷燻の3種類があり、それぞれ燻製時の温度、燻製に要する時間、燻製した食材の保存可能期間、適したチップや食材が異なる。

・燻煙源としてはスモークチップとスモークウッドがある。

・ベーコンは塩漬け後の塩抜きが大事。しないとしょっぱすぎる。

・塩抜き後の乾燥工程も大事。ベーコンに限った話ではないが、濡れた食材を燻製すると、水分と煙が反応し、酸っぱくなってしまう。

・日本の夏は温度・湿度が高く衛生上良くないから、夏場の燻製は避けた方が吉。

といったところでしょうか。


燻製器の構成

プロジェクトは低予算で小さく早く始めることが大切だと思っているので、既製品の燻製器を買うのではなく、次のような構成で行くことにしました。

画像6

天井に結露を生じさせてしまう、アルミなどの金属ではなく、水分を吸ってくれる段ボールで燻製室(煙を閉じ込める空間)を作り、食材はフライパンの上に置いた金網に設置します。

手持ちのカセットコンロと、使わなくなった古いフライパン。新たに購入したのは金網、スモークチップ、温度計だけなので、設備投資は3000円で済みました。

金網、スモークチップ、温度計はAmazonで購入しましたが、それぞれ満足しています。

↑フライパン、カセットコンロ、段ボールの大きさにちょうどよいサイズの金網でした。

↑5種類のチップが気軽に楽しめる燻製ビギナー向けセットです。今回はサクラとクルミを使いました!

↑かっこいいし、時間応答も早く、測定可能な温度範囲も広い。燻製だけでなく、冷蔵庫内の温度や味噌汁の温度を測ったりして、身近な温度を確認して遊んでいます。


ベーコン作り: 塩漬け、塩抜き、そして乾燥

①塩漬け
今回は、400gの豚バラブロックを2個、計800gをベーコンにしました。

まず、フォークで肉をプスプス突き刺します。

画像7


次に、塩コショウをすり込みます。使ったのはこちらの「旨塩こしょう」。パルシステムで買ったのですが、ガーリックエキスなども入っており、めちゃくちゃ美味しいです。

画像9


「肉の質量の2%の塩をすり込み、お好みでハーブやスパイスを加える」のが、ベーコン作りのセオリーのようです。

しかし、「どうせ後で塩抜きするなら、塩漬け段階で使う塩はもっと少なくてもいいんじゃね?」と思った僕たちは、肉の質量の2%の塩ではなく、肉の質量の2%の旨塩こしょうをすり込みました。

栄養成分表示を見ると、旨塩こしょう100g中に含まれる塩は81g。

肉の質量の2%、つまり16gの旨塩こしょうに、栄養成分表示と同じ割合で塩が含まれていると仮定すると、12.96gの塩をすり込んだことになります。

画像8


最終的に、この判断は大成功で、塩抜きせずとも、ちょうど良い味加減のベーコンが作れたのですが、これは1つ1つの肉塊が小さかったから偶然うまくいっただけ、と考えた方が良さそうです。

400gの小さい豚バラブロックでなく、2kgの大きな豚バラブロックに塩をすり込む場合、塩の量が今回のように少ないと、表面から離れた、豚バラブロック中心部の味は薄くなってしまうかもしれません。

過剰にも思える「塩は肉の質量の2%」ルールですが、まずは肉全体に味を入れておいて、後述する塩抜きの工程で味を調整する方が、失敗は避けられるからなのだと、今考えるとわかります。ご参考までに。

そもそも、ベーコン作り(肉の塩漬け&燻製)は、冷蔵庫のなかった時代に肉を保存するために生まれた調理法でしょうし、塩を多く加えることは腐敗を防ぐためにも不可欠だったのでしょうね。


さて、旨塩こしょうをすり込んだ豚バラブロックは既にめちゃくちゃ美味しそうなのですが、今ここで焼いて食べてしまうのではなく、ラップで包み、冷蔵庫で1週間保管します。おいしくなーれ!

画像10


1日おきに上下をひっくり返しながら、待ちます。

画像11

わくわく。

結局、冷蔵庫で150時間保管しました。1週間放置するつもりでいたのですが、ベーコン作りで一番大切な工程と言われる「塩抜き」と「乾燥」の工程に時間的余裕を持ちたかったので、6日程度で塩漬けの工程を終えました。


②塩抜き
さて、塩抜きです。

...とはいえ、先ほども書きましたが、塩抜きはしませんでした。味見として、150時間の塩漬けを終えたベーコンの端っこを薄く切り、焼いて食べたのですが、それが奇跡的にちょうどいい美味しさだったからです。

画像12


この段階で味見をして、味がしょっぱすぎた場合は、肉塊を流水に浸けて塩抜きをしてくださいね。


③乾燥
水分は燻製の敵(濡れた・湿った食材を燻製すると、酸っぱくなってしまうそうです)なので、念入りに乾燥させます。今度はラップではなく、キッチンペーパーで包むことで、キッチンペーパーに水気を吸い取ってもらいます。冷蔵庫の中で1晩は置いておきましょう。自分は1日1回ペーパーを交換しました。

画像13


燻製当日の準備

いよいよ燻製当日。燻製したときに酸っぱくならないように、チーズ、ウインナー、ベーコン、改めて食材を乾燥させます。

冷蔵庫から取り出したヒエヒエのベーコンは、常温環境に置いておくと表面に結露が発生してしまいます。肉全体の温度が常温に落ち着き、表面に結露した水分が飛ぶまで、扇風機で乾燥させます。

注: 湿度・気温が高い日本の夏では、常温環境に置いておくと食材が傷んでしまう危険性があるため、真夏の燻製は避けた方がいいそうです。

部屋の湿度が高い日は、ドライヤーを使うといいかもしれませんね。

画像14


このタイミングで、スモークチキンの仕込みもやります(超簡単です、こちらのサイトを参考にしました。日本燻製協会の佐藤暁子さん、素晴らしいレシピをありがとうございます!)。


いざ燻製!

ここから、舞台は屋外へ。

アルミホイルで作った皿に、チップを載せます。第1弾は、クルミチップです!
最初なので加減がわからなかったのですが、この写真のチップはかなり少なめ。このアルミ皿がいっぱいになるくらいまで入れてOKです。

画像15


燻煙の通り道を確保するために、アルミホイルで作ったボールを置き、

画像16


脂が滴ってチップに引火しないように、アルミホイルでチップに屋根を作ります。

画像17


フライパンの上に金網を置き、食材は金網の上に載せます。

画像18


まずは強火でチップを燃やし、燻煙がモクモクと出るようになったら火を弱めて、いよいよ燻製開始です!段ボールで作った自作燻製器で、燻煙を閉じ込めます。

燻製の様子はこんな感じです↓

めちゃくちゃいい香りです。ワクワクが止まりません。

初めての試みなので、段ボールに燃え移ったりしないか、燻製しすぎていないかが不安になって、頻繁に中を確認しましたが、杞憂でした。煙が出続けている限りは、心配せずにゆっくり待っていればよさそうです。

チップは燃え尽きるとこうなります。炭化してますね。
食材の色を見ても、まだ明らかに燻し足りないので、チップを交換して再チャレンジ!

画像19


燻製した時間は、合計20分程度でしょうか。クルミチップでの燻製は、ここで完成とします!
クルミチップで燻製したウインナーは、このタイミングで食べてしまいました。野外で食べる手作り燻製、最高ですよ!

画像20


第2弾はサクラチップ。サクラチップから出る燻煙は、クルミよりも香りが強いです。

画像21


温度計の細長いプローブを段ボールの外から差し込み、燻製器内気温を測定していますが、120~140℃ほどです。燻製方式の分類としては、「熱燻」になりますね。高温、短時間で香りをつけることができます。水分は多く残るので長期保存はできない点に注意が必要です。

とはいえ、自分たちで作った燻製は美味しすぎるので、長期保存するまでもなく、すぐになくなっちゃうんですけどね!

画像22


スモークチキンを裏返すために、一旦燻製室を解放します。↓


チキンを裏返した後、燻煙の発生が止まるまで再度燻製を続けます。

桜チップでの燻製も完成しました!サクラの方が表面の色や照りも強く、薫香にも特徴があります。

画像23


燻製、完成。

クルミチップと、サクラチップで見た目を比較してみます。

・チーズ

画像24


・スモークチキン

画像25


・ベーコン(ウインナーは全部サクラ)

画像26


いただきます!

燻製器の構想も、1週間に渡るベーコン作りも、全てはこの瞬間のために、「乾杯を、もっとおいしく。」の精神で取り組んできました。あとは狂ったように、燻製とビールとの最高の相性を堪能しました。

旨塩こしょうを振って水気を取り、燻製した後に、フライパンで両面を弱火でじっくり焼いたスモークチキン(こちらはクルミチップ)。レモン汁をかけて食べると最高です。

画像27


ベーコンは、せっかくなので厚切りで。厚さを自分たちで決められるのは、手作りした者の特権ですね!

画像28


厚切りなので、食べ応えがすごいんです!いつまでも美味しい味が出てくるので、1分間は余裕で噛めます。

画像29


今度はベーコンを塊で焼いて食べたり、

画像30


弱火でじっくりと炒め、ベーコンから脂をたっぷり出して...

画像31


生クリームや卵と合わせ、カルボナーラを作ったり。

画像32

ちなみに、カルボナーラは何年もこのレシピで作っています。何年も前(自分が生まれるよりも昔!)のオレンジページに載っているレシピです。母がこのレシピでカルボナーラを作ってくれていたので、自分もそれを受け継いでいます。↓↓↓


どれも素晴らしい美味しさでした。燻製最高!!

ちなみに、桜チップで燻製したベーコンは、3等分してみんなで持ち帰りました。自分は翌日、ベーコンエッグにして食べましたが、2人はトーストに乗せたり、チャーハンに入れたりしたそうです。どれも絶対美味しい。

画像33


次回、挑戦したいこと

・3人でベーコン800gじゃ、全然足りない。持ち帰る分も考えたら、1人あたり800gくらい欲しい。

・次は魚介を燻製してみたい。サーモン、タコ、イカ...

・チップもまだ2種類しか使っていないので、5種類とも全部試して比較してみたい。

・初めてで燻製時間や温度を記録する余裕がなかったので、次回は燻製条件もちゃんと揃えて比較したい。


参考文献

燻製に関する数々のサイトを調べた中で、最終的に参考にしたのは、この6つのサイトです。ありがとうございます。

自分のnoteも、誰かの参考になれば嬉しいです!


↑スモークチキンの作り方について

↑燻製器として段ボールを採用することのメリットについて

↑段ボール燻製器について

↑ベーコンの塩抜きについて(結局塩抜きはしなかったけど)

↑ベーコンの塩抜きと乾燥について

↑ベーコン作りの衛生面について


最後に

銀座に黒ラベル飲みに行けるのはいつになるだろうなあ。まだ当分は無理そう。

それまでに、また燻製やるか!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?