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さぼ図書館

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Q

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 まず、この分厚い本を最後まで読み切った自分に拍手を、そして最後まで読ませてくれた呉勝浩さんに感謝をおくりたい。約650ページの分厚さにおののき、最後まで読めないかも……などと思っていたが、3日くらいで読み切ってしまった。

 私は!!!!!睦海さんが好きです!!!!!でも有吉くんのこともめちゃくちゃ応援しています!!!!!有吉くんの本音が出てくるシーンが一番萌えた。萌えたってもしかして死語ですか

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わたしに会いたい

わたしに会いたい

 「女性」をテーマにした短編集。すごく西加奈子らしさが凝縮されていると思った。といっても、私は西加奈子ビギナーで、せいぜい3冊くらいしか読んだことがないので、全然見当違いであってもどうかご容赦願いたい。

 いわゆる「普通」からは少し外れた、各短編の主人公たち。その主人公たちのすべてはこの短編集では語られない。覗くことができるのは、その人生のほんの一部だけ。それでも、主人公たちとどこまでも同化した

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カーテンコール

カーテンコール

 筒井康隆が2021年から2023年にかけて執筆した掌篇集だ。どれも二、三分で読めてしまう。はっきりとしたオチがないどころか高熱を出したときの夢かと見紛うような、メガネを外して視力0.03で新宿の繁華街を見たときの眺めのような、不思議な味わいの短編が並んでいる。最近は筋の通った、内容に矛盾のない創作にばかり触れていたのかもしれない。読めば読むほど頭がぼうっとしてくるし、一篇数分で読めるのだからいつ

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自由研究には向かない殺人

自由研究には向かない殺人

 「自由研究」といえば日本においては小学生が夏休み(の主に終盤)に取り組む宿題だが、本書の「自由研究」はどちらかといえば大学生の卒業論文やレポート課題のイメージに近い。原題は“A Good Girl's Guide to Murder”。 イギリスの小さな町、リトル・キルトンに暮らす物知りで成績優秀な高校生、いわゆる「よい子」のピップが、レポート課題を隠れ蓑にして5年前に同じ町で起きた事件を調べる

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星屑

星屑

 時は1970年代。大手芸能プロダクションのマネージャー樋口桐絵と、彼女が見出して育て上げる新人アイドルの話。

 さらっと読める。「そんなことある!?」とツッコみたくなる展開だらけだけど、読み物としては普通にたのしい。登場する芸能人たちも、誰かを連想する名前ばかりなので、昭和の終わり~平成初期の芸能界を知る人が読んだらもっと楽しいのかもしれない。ミチルちゃんの博多弁がかわいい。最終章を読んで「も

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なんとかしなくちゃ。青雲編

なんとかしなくちゃ。青雲編

最初にことわっておきたいのだが、私は恩田陸先生のファンである。恩田陸が好きすぎるあまり(もちろんそれ以外の動機もあるが)、恩田陸が通った大学に進み、恩田陸が所属していたサークルにまで入った。最も多くの著作を読んだ小説家は誰か、と問われたら、答えはもちろん「恩田陸」である。

中学時代からかれこれ15年近く愛読している。処女作から順番に全著作を網羅しようと意気込んだこともあった(恩田陸の執筆ペースが

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噓つきジェンガ

噓つきジェンガ

 皆さんは詐欺に遭ったことがあるだろうか?

 私はある。

 新卒1年目、12月某日の午後7時。思うように仕事が進まず、すべてを投げ出したい気持ちと戦いながら無意味にPC画面をスクロールしていると、私用のスマホにメッセージが届いた。

「今忙しい?」

 メッセージは、OJTを担当してくれた先輩からだった。私には「今すぐ来てほしい」と言われたら、どんなに忙しかろうが都合が悪かろうがそばに馳せ参じ

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オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り

十代の時に一度読んで以来の再読。

あらすじ

私たちは結局優午の手のひらの上

某劇場版の主題歌みたいな小見出しになってしまった。

本作は、売れっ子小説家伊坂幸太郎のデビュー作だという。淡々と、しかしスピード感を持って進むストーリー、個性豊かな登場人物たち。時間の流れ方や作品内の世界観が独特で、最後には綺麗に伏線が回収される。彼の持ち味が既に十分完成されているように思う。

登場人物たちの、優

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さぼ図書館開設にあたって

さぼ図書館開設にあたって

皆さんは佐藤日向さんをご存知だろうか。1998年生まれの若手女優・声優さんだ。幼少期からアミューズに所属し、期間限定アイドルグループ「さくら学院」で歌とダンスを磨き、『ラブライブ!サンシャイン!!』における主人公たちのライバルユニット「Saint Snow」の鹿角理亞役で(主にオタクの間で)名前が知られるようになった。持ち前のパフォーマンス力と低めなのにどこか茶目っ気のある特徴的な声で活躍の場を広

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