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独身アラサーが女子校同窓会に行ってみたら

感染騒動が起こる前の話だが、関西の女子校出身だけれど、関東に住んでる人たちで同窓会をする、という話を聞いて、あまり深く考えずに「行きます」と幹事に返信をした。もう何年も、よく考えたら10年以上会っていない人が大半で、酔っていたとはいえ、われながら右手の親指の滑りっぷりに驚かされた。

私が卒業した高校は、お嬢さん気質の学校で、附属の大学は東京にあるため、内部進学しても、卒業後は関西に戻って就職する人が多かった。職種も事務職が多く、卒業後すぐ結婚する人も少なからずいた。時代の流れで同窓会連絡網がメーリングリストからライングループに変わって、参加一覧を見るたびに名字が変わっている人が増えていく感じだった。

そんな中、私は一つの職場を3年弱すごしたら他の場所へ転勤を繰り返す典型的なメーカー総合職で、未婚、結婚の予定なし、という状態だった。
大学の友人で同じく独身の女友だちに、同窓会に出席することを話してみると、「私だったら絶対行きたくないわ」とのこと。「周りがどんどん結婚していく中で、自分だけ未婚、結婚の予定なしってのが辛い」と言ってどこかにいってしまった。
昔、テレビを見ていたら、マツコ・デラックスが、「アラサー独身で同窓会にいける人は強い。なんというか鎧をまとえる人よね」と言っていたが、私は別に鎧なんかまとわなくても行きたきゃいけばいいじゃんぐらいのスタンスだった。

実際同窓会に参加してみると、会場のドアをあけるのはたしかに一瞬緊張する。ドアをあけると、一瞬みんなの視線がこちらに向かう。でも、ほんの一瞬の話だ。もしかしたら指輪の有無をチェックしていたのかもしれない。でもそれがないとわかると、また会話の続きに戻っていった。
私への注目、わずかに5秒。

みんな、どこで結婚式をあげる、あげた、出産はどこでする、した、という話で持ちきりで、およそアラサー未婚が入れるスペースはなかった。適当に相づちを打ちつつ、飲み放題のほとんどジュースのアルコールを飲んだり、廊下の喫煙所に行ったりして時間をすごした。近況報告で、仕事で転勤族になったこと、車が好きで乗り回していることなどをボソボソ話したが、大半は退屈の極みを迎えた赤ちゃんの泣き声にかき消されていたように思う。

でも私はなぜか、すごく満足した。中高一貫校で、途中入学者もなく、何回クラス替えしても席替えしても同じような顔ぶればかり(なんせ一学年100人強しかいない)で、思考も偏りまくり濃縮された人間関係に浸かっていたら、マウントしまくり、裏で喧嘩しまくりなわけである。
そこから大学進学を機に、広い世界に出て、自分を知らない人ばかりのところに、ほぼ全員が進み、就職したり結婚したり、出産している。

自分は就職した、というステージにいて、他の人は結婚や出産のステージにいる、という状況がなんとも気楽。交わらない線てこういうこと!とビールを飲んでソファに倒れこんだ。
悩めるアラサー女性のみなさん、世の中の流れに乗らなくてOK。自分のやりたいようにすれば良し。マウントされない、鎧不要、すごく涼しい風を感じられるのだから。


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