ワスレナグサ

短編の小説を書きます。物書きさん仲良くしてください

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買えない本屋と買わない盗人

 とある本屋のレジに少女がちょこんと座っていた。14時半の昼下がり、ほとんど客のいない店内で、彼女は少し微笑んで本を読んでいた。 「お嬢ちゃん、ひとりでここ、やっ…

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道化師と少年

 少年と道化師がいた。陽の光が暖かい光が射す、森の中だった。少年は道化師に話しかけた。道化師はうなずくだけだった。 「あいつら最低なんだ、おれの教科書をゴミ箱に…

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買えない本屋と買わない盗人

買えない本屋と買わない盗人

 とある本屋のレジに少女がちょこんと座っていた。14時半の昼下がり、ほとんど客のいない店内で、彼女は少し微笑んで本を読んでいた。
「お嬢ちゃん、ひとりでここ、やってんのかい?」
「いえ、父の代わりに。バイトみたいなものです」
少女はスッと本から目を外し、軽く笑ってみせた。客はへぇ、偉いねぇと言いながら一冊の小説を手に取ってレジの前に立った。
「じゃあこれ、お借りするよ」
「わざわざレジしなくていい

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道化師と少年

道化師と少年

 少年と道化師がいた。陽の光が暖かい光が射す、森の中だった。少年は道化師に話しかけた。道化師はうなずくだけだった。
「あいつら最低なんだ、おれの教科書をゴミ箱に突っ込みやがった」
「・・・」
「昼間もうんざりだった。体操服を埃まみれの倉庫に投げ込んだあげく、宝探しみたいに遊びやがって。」
道化師はのそのそ立ちあがって切り株に立てかけたギターをもった。少年は泥がはねた中学生用のバッグを膝に抱いて、た

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