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発酵あんこと麹と酵素

今日のテーマは、小豆と麹菌と酵素について。
栄養豆知識も交えながらお届けしたいと思います。

ところで皆さん、発酵あんこってご存知ですか?
私はつい最近、情報アプリの記事を読むまで知りませんでした。
小豆と米麹と水で作る発酵食品、発酵あんこ。
炊飯器で作れるレシピだったので、早速作ってみたのですが…結果、大失敗!笑
すっごく薄めた甘酒とゆで小豆を一緒に食べているような、ほとんど甘みを感じないあんこを大量に作ってしまいました…
しかしながら、私はウキウキしてこの文章を書いています。なぜなら、『何で失敗したんだ?何でだ⁈何でなんだ〜!』と、調べる作業が楽しいから♪笑
さぁ!では早速、今回の失敗を次回の成功に繋げるべく、麹と酵素についてお勉強しますよー!


麹菌と酵素について

お味噌や醤油、日本酒を作るのに欠かせない麹(糀)。麹菌って実は日本の国菌でもあります。
そんな麹には約30種類もの酵素が含まれているのですが、今日はその中から代表的な3つをピックアップ。

①アミラーゼ 

でんぷんを糖(グルコース)に分解する酵素。
甘みを生み出す。
例 : お米が原料の甘酒

②プロテアーゼ

たんぱく質をアミノ酸に分解する酵素。
旨味を生み出す。
例: 大豆が原料の味噌

③リパーゼ

脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する。
香りを生み出す。
例: 大豆が原料の醤油

麹に含まれる酵素の至適温度は30~50℃。60℃に達すると失活してしまうそう。
つまり、
麹の酵素は40℃くらいで1番元気に活発に働いて、60℃以上になると死んでしまう!ということ。

(補足: 酒粕から作る甘酒は砂糖の甘みです。麹から作られた物の中にも加糖されたものがあります。)


そもそも酵素とは?

私達の体の中にも酵素は存在していて、その数はなんと約5,000種類…!
大きく分けると消化酵素と代謝酵素の2つに分類されます。
消化酵素は食べた物を消化吸収するための酵素。
ご飯をずーっと口の中で噛み続けていると甘く感じるようになるのは、唾液に含まれる消化酵素のアミラーゼがお米のでんぷんを分解しているからなんですね☺︎
もう一つの代謝酵素は、吸収した栄養をさらに分解・合成して体の細胞に送り届け、新陳代謝を促して免疫力を高めたり病原菌をやっつける働きがあります。
私達の体内で使われる酵素の割合は『消化酵素と代謝酵素を合わせて100%』なので、消化の為に酵素を多く使ってしまうと代謝に使える酵素が少なくなってしまうのです。また、体内の酵素は年齢と共に減少する為、それが老化を進める原因とも言われています。

そして、先ほど麹の酵素で紹介したように、食べ物に含まれている酵素が食物酵素。
新鮮な生野菜や果物、魚、発酵食品に多く含まれており、体内で消化吸収をする手助けをしてくれます。
例えば、焼き魚に大根おろしを添えたり、酢豚にパイナップルを入れるのは酵素の働きで体内の消化吸収を助ける組み合わせとして理に適っているのです。先人の知恵ってすごいですね!

食物酵素の効能には諸説ありますが、食物酵素を上手に取り入れて消化吸収を助け、代謝の為に体内の酵素を多く使えるようにするのが美容と健康、長寿の秘訣になると私は考えています。


さて、本題に戻ります!
今回、参考にした発酵あんこのレシピをざっくり説明すると、
①小豆250gを指で潰れるくらいの柔らかさになるまで茹でて、60℃程度になるまで冷ます。
②炊飯器に②を入れほぐした米麹200gと混ぜ合わせて、60℃くらいのお湯をヒタヒタに浸かるくらいまで入れて保温のスイッチを入れる。
③濡れた布巾を被せて、2~3時間くらい毎に途中で混ぜながら8時間ほど発酵させる。

失敗の原因として考えられるのは、
②で加えるお湯の温度が熱すぎた、もしくは保温中の温度が60℃を超えたことにより酵素が失活してしまった。
これくらいしか思い浮かばないんですよね。
あと麹菌について調べていてふと思ったのが、麹菌は偏性好気性菌(酸素が無いと生きていけない菌)なのに、使った麹は真空パックに入っていたから、麹菌の元気がなかったのかなぁ、と。でも発酵食品を自宅で作るために売られている商品だから、それは考えにくいですかね。

いずれにせよ、発酵温度がポイントになってくると思うので、今度は発酵食品メーカーのカモシコを使って挑戦してみようと思います!
そして、大量にできてしまった甘くないあんこは料理に使いますよ〜!


小豆の栄養素について

最後に、小豆の主な栄養素をご紹介します☺︎
小豆は、ポリフェノール、食物繊維、タンパク質、ビタミン、ミネラル等、実は多くの栄養素を豊富に含んだ身近なスーパーフードなんです!
抗酸化作用、免疫力を高めるポリフェノールは同じ量の赤ワインよりも多く含まれていたり、食物繊維なんてゴボウの約2倍!!不足しがちな栄養素のミネラルも多く含みます。

冷え性や便秘、貧血に悩んでいる方、美容やアンチエイジングにも効果が期待できるので、女性には特にオススメの食材ですよ♪


最後までお読み下さりありがとうございました!この様に、小さいのに実は凄い力を秘めた小豆と麹で作られる発酵あんこ、皆さんもぜひ作ってみてくださいね☺︎


発酵あんこレシピ
https://macaro-ni.jp/64603

麹についての参考資料
服部栄養専門学校 食品加工学 授業内資料
醸しにすと養成講座テキスト / がくぶん
マルコメ
https://www.marukome.co.jp/koji/

酵素についての参考資料
服部栄養専門学校 栄養学各論 授業内資料
健康長寿ネットhttps://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/koso-kenko.html
お医者さんが書いている食物酵素の効能について否定的な意見が載っています。参考までに。
https://www.google.co.jp/amp/s/www.gohongi-clinic.com/k_blog/2226/amp/

小豆についての参考資料
最新 日本食品成分表 / 医歯薬出版株式会社
薬膳マイスター養成講座テキスト / がくぶん
日本豆類協会
https://www.mame.or.jp/eiyou/kinou.html














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