あなたを苦しませるものは真実ではなく、真実は苦しみになりえない

「今よりも良くなる」「良い状態を維持する」「より幸せになる」「もっといい気分になる」……あなたの現在していること、また、これからしようとしていることは、こうした望みや期待が前提になっていないだろうか。
逆の言い方をすると、もし、そうした望みや期待が実は満たされないとしたら、これはもうやらないだろうなと気づくものはあるだろうか。

なぜ、こんな問いを投げかけるかというと、私たちは望みを満たすつもりで苦しみを追いかけ、自ら苦しみを維持することがあるからだ。
より良くなるはずだ、もしくは、悪い状態になることを避けられるはずだと信じて、苦しいことをし続けることがある。
しかも何度それで苦汁をなめても、同様のパターンで今度こそうまくいく、と信じ続けもするのだ。

「あなたを苦しませるものは真実ではなく、真実は苦しみになりえない」
平和や安らぎや幸せがいつかこの先にあると信じて今苦しんでいるとき、あなたは間違ったコースに乗っている。
いかに「この望みが叶えば、心満たされるはずだ」と確信していようとも。

この世界から得ようとしても得られないもの

間違った思考から出られないとき、間違った前提があるのでは? と調べてみなければ、そのまま同じ回路を辿って堂々巡りし続ける。
端的に言って苦しんでいるとき、あなたは何か間違った思考をしている。

では、間違った前提は何だろう。
「私」とは何か、ということを間違えているのはもちろんだが、この世界で生きていると思っているときの私たちに共通の「世界に対しての」間違った前提がある。
それは、以下のものだ。

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