家族がNext Stageに入ること

2020年のお正月、例年のように家族が揃って一緒に過ごして、わかったことがあった。私の中で体験するこの家族、生まれ育った家族なので「原家族」と呼べるものが、完全な調和に至っていたということだ。

こう感じていたのは私だけでなく、冬休みのほとんどを滞在していた妹も、「今年は平和で居心地がよく、本当に楽しかった」と語っていた。
これまでも十分楽しいお正月を送ってきたと言えるのかもしれないが……、
行事があって家族皆が集まるとき、一日二日でなく期間がそこそこ長くなると、大方は楽しくてもちょっとしたもめごとが起きたり、一時小さな不満が形となって険悪になりかけるシーンがあったり……という体験をしたことはないだろうか。
親しさやお互いをさらけ出しあっている近さがあるからこそ、「大人として外では出さないような態度」までもがゆるんで表れ、ぶつかり合う。そんなもどかしさも含めて、「ま、それが家族だよね」と思っている方もいるかもしれない。

その一方で、中には、家族といるときの居心地の悪さがもっと深刻な色合いを帯びていて、なるべく実家に近づきたくないとか、育った家族とは過ごしたくない、と感じる場合もあるだろう。

私は家族の特定の「形」を推奨するつもりはない。それは恋愛マガジン内の◆「恋愛でもたらされる癒しと、本当に恋しているかどうかの見分け方」という記事でも述べた。何が最善の「形」かはそのときどきで、また個人個人で異なるからだ。
ここで言う「調和」とは、「形がこうである」という見かけ上のポーズではなく、あなた自身がよろこびや平和、幸せを感じる内的あり方のことだ。
ただし、それが実現したときにはおのずと、形としても調和していることに気づくのだが。

私も、家族と色々な状況や段階を経てきたが、昔の私ならきっと「理想」と驚くに違いない姿が今ここにある。決して「こういう家族だったらいいな」との「形」を描いていたわけではないが、自分が求めていたであろうあり方——自分が自分のままでいて、なおかつ家族とともに平和で楽しい、愛しい時間を共有できるという現実が普通になっていた。

こう認識するようになった頃、自然と、家族の「次の段階」を意識するようにもなった。自ら意識したというより、ある気配を先んじてキャッチしたとか、芽生えたと呼ぶ方が正確ではある。
物語ならばハッピーエンドでページが終わるが、生きているということは、生きている限り新しい次の段階があるということだ。

家族を変えるのではなく、自分の心を変える

まず、霊的視点から、家族という「チーム」について言及しておきたい。

家族は多くの人にとって、自身の最も根深い心の澱や課題を「反映」し合う対象となる。けれども突き詰めれば、それは「家族のせい」で起きているのではなく、あなたの心の中にある観念(Belief)に基づくドラマを現実として上映している結果だ。
家族を、ある「劇」に出演を決めた役者チームと考えてみてもよい。
人間界の観念を利用したドラマに出演するという合意の上で「お互いに協力して成長し合おうね!」と決めているチームなのだ。

その内容は、あなたというスピリット(霊的存在)がこの人生を選ぶときに据えたテーマに関係してくる。ときには難しい課題になりえるのがわかっていながら、お互いの同意のもと、ちょうどよいメンバーと配役を決めて人生に盛り込むのだ。

とはいえ、「霊的自己を忘れた個の視点」に同一化していると、親を選んでない! 子を選んでない! 環境を選んでない! と言い張ることになる。人生で体験する苦境の原因を誰かのせいにしたい、自分以外の誰かを要因にしたいという気持ちが働くのだ。
しかし霊的存在としてのあなたは、確実に人生設定を選んでいる。この地球で人間体験をする(生まれてくる)ということ自体も、もちろんそうだ。
その設定を、誰かに強要されたわけではない。

このことに気づくことが、あなたに真の癒しをもたらす。
家族に限らず、いかなる他者や環境についてもそうだが、自分以外の何かを物事の「原因」と考える間は、あなたは根本からの癒しを体験できない。

私自身、このことを身をもって実感してきた。自ら歩んだ道を振り返っても、何が根本的な変化で、何がそうではないのかを伝えることができる。
2011年に始めたブログの初期の頃、私は家族について、特に両親との関係に葛藤を持っていた過去についてのエピソードを書いたことがある。その根本は何だったのか、どのようにほどけていったのかの真髄は、私の教えていること、書いてきたことの中に沢山込めてきた。

エゴに基づく見方で自己を眺めている間は、自分以外の何かを苦しみの原因にして「傷を癒す」セラピーや、耳に優しい教えが一時の慰めをくれるかもしれない。
でも、あなたがその先へ進みたいのなら、必ずや真実を知る時が来る。

真実だけが、私たち皆に共通の真の愛と、理解と、これまで信じてきた錯覚によって起きていた「根本的もつれ」をほどく作用をもたらす。

自分のために、が終わったら

ここから先は

3,279字

¥ 1,000

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?