安らぎクラブへの招待

自分の真ん中と、安らぎ

 自分の真ん中にいるとき、安らぎは生まれる――ミコトはそれを発見した。安らぎを感じられないときはそこからブレている。
 このことに本質的に外部の状況は関係なかった。人生のどんなシーン、どんな流れの中であれ、自分の内の真ん中に照準が合っていれば安らいでいられる。

 外に向かって何かを得ようとすることは絵に描いた餅で、心の中で自分が得ていると信じているものしか得られない。安らぎがないからと安らぎを得るための行動をすればするほど、その後に戻ってくるのはまた、安らぎの欠乏した場所なのだった。
 この発見をしてからミコトは、魔法の杖を手にしたような感覚を味わった。なぜなら、先に自分の内で照準を合わせ、完全な安らぎを感じていることで外までもが変わってしまうからだ。

 もちろん、安らぎのフェイクはだめだった。力業で自分をねじふせようとするポジティブシンキングのように上っ面のものはいけない。誰も、心の中で自分が本当に感じていることにまで仮面はかぶせられない。
 でも、安らぎに自ら向かう際に抵抗をまったく生まない方法がひとつだけあった。
 「真実」。

人間ドラマや現象に一切関係がない真実

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