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勝手に10選〜アーティストが愛したアコースティックギター編(邦楽編)〜

(前記)

以前にギターという楽器に関して、形状、色、音色、こんなに種類のある楽器は他に思いつかない。

故に、どんなアーティストがどんなギターを弾いているか、どんな音色を奏でているかをイメージしやすい楽器である。

ギターは愛用するアーティストの代名詞、象徴になるのだ。

逆に言えばギター単体から愛用しているアーティストのルックスだとか、音まで感じる事が出来る。

今回はアコースティックギターに着目する。

そこで今回は、ギタリストが愛用して、そのアイコンになったギターをアコースティックギターに限定し、アーティストと共に先ずは邦楽編を勝手に10選する。


・吉田拓郎

GIBSON J-45 TSB(1967)

吉田拓郎さんのアコースティックギターといえばGIBSONのJ-45のタバコサンバーストのイメージが強い。

このギターは加藤和彦さんから売ってもらったギターである。
GIBSONがトレードマークになるとは、吉田拓郎さんがロッカーである象徴とも感じられる。 

また、1960年代のJ-45はチェリーサンバーストの個体も多く見られるが、タバコサンバーストが拓郎さんの世界観に実にマッチしている。

エボニーのJ-45や、ワインレッドのJ-45、J-200、他にも他社のギターも所有されているが吉田拓郎さんといえば、このJ-45なのだ。


・忌野清志郎

GIBSON J-200(1966)

忌野清志郎さんのメインとなるアコースティックギターはGIBSONのハミングバード、FENDERのEl Rio、も挙がるが筆者の年代ではGIBSONのJ-200が清志郎さんのイメージだ。

J-200の持つ迫力、デザインが実に清志郎さんにマッチしている。

清志郎さんは3本のJ-200を所有されており、1950年製、1966年製、1983年製となり、50年製はスタジオ専用、66年製が表舞台用と使い分けていたのだ。

現在は同級生で俳優の三浦友和さんが所有なさっているとの事だ。


・尾崎豊

Ovation Super. Adamas1688-8

尾崎豊さんのアイコンとも言えるエレアコースティックギターがこのOVATIONのアダマスだ。

上記の品番は、レアなブルーかつ12弦とで諸説あり、アダマスの12弦として、品番の誤差はご参考までとさせて頂ければありがたい。

1976年に生産が始まったOVATION最高峰シリーズであるアダマスは、ボディトップにもカーボンファイバーを使用し、独特のデザインとエレキアコースティックギターに特化したギターである。

尾崎豊さんが生前最後にライブで"ダンスホール"を弾き語った際に使用したのが、このギターなのだ。


・斉藤和義

GIBSON J-45(1968)

もはや、ボディがエボニーでホワイトのラージピックガードを備えたGIBSONのJ-45といえば斉藤和義さんのアイコンと言える。

斉藤和義さんといえば、とにかく様々なギターを所有し、ギターを持ち替え素敵な曲を披露する。

GIBSONからシグネチャーモデルも発売しており、長年のアイコンといえば、デビュー当時に手に入れ、御本人曰く"本妻"と呼ぶ、やはりこのJ-45であろう。

・宮本浩次

.K.YAIRI 90-BLR B(1997)


筆者の世代では宮本さんのアイコンはK.ヤイリの90-BLR B。であろう。
ベッドのエンジェルが特徴であり、現行ではBL-90 RBであろうか。

激しいストロークで、ホール周囲がはげ落ちても、激しく引き倒す宮本さんと、このギターは実にカッコよかった。

現在はヤイリギター社から派生したVINCENTのギターを使用しているが、あのストロークによりボロボロに引き倒した、弾き壊したヤイリがとてもカッコ良かった。

VINCENTも引き倒して頂きたい。


・奥田民生

GIBSON J-45(1958)


シグネチャーモデルがエレキ、アコースティックギターが幾度かGIBSON社から発売される程のGIBSONのイメージが強い奥田民生さんだ。

そんな奥田民生さんといえば多数のアコースティックギターを所持しており、しかもJ-45だけでも数本所有されているが、1本といえばGIBSONのJ-45(1958)だろう。

1950年代のネックの太さを好み、このギターには購入時からピエゾ・ピックアップが付いており、マイクとピエゾ・ピックアップの2系統で音を拾って演奏している。


・山崎まさよし

GIBSON Southern Jumbo(1959)


山崎まさよしさんのアイコンとなるアコースティックギターはGIBSONのサザンジャンボであろう。

元々、サザンジャンボは同じGIBSON社のJ-45の上位機種として製作されたギターである。

GIBSONのアコースティックギターと言えばJ-45というイメージがあり、山崎まさよしさんがサザンジャンボを用いて大ブレイクを果たすと、サザンジャンボのヴィンテージ価格がいきなり高騰したのだった。


・浅井健一

GIBSON J-200jr(1993)

浅井健一さんのアコースティックな世界を彩るのはGIBSONのJ-200jrだ。

GIBSONのJ-200を一回り小さくしたモデルであり、短期間しか生産されていない為、今ではレアとも言える。

ピックアップはL.R.Baggsが搭載されており、ブランキー・ジェット・シティのレコーディングから、解散後、ソロのレコーディング、ライブで長きに渡り愛用されている。

J-200が元々大きいギターであり、このサイズがしっかり浅井さんの体型に馴染み、独特な唯一無二の世界観を持つデザインが、浅井健一さんの世界観にピタリとハマるのだ。


・桜井和寿

Martin D-28

桜井和寿さんのアイコンとなるアコースティックギターはMartin社のD-28だろう。

桜井さんは時代、曲毎に色んなアコースティックギターで素敵な音楽を奏でているが、桜井さんといえば、レスター・フラット(カントリーシンガーのレスター・フラットのモデル)の大きなピックガードが特徴的なD-28がまず思い浮かび、アイコニックさに拍車をかけている。

しかも、桜井さんはこのレスター・フラットのD-28を3本所有して使い分けているのだ。


・あいみょん

GIBSON J-45 Standard

あいみょんにおけるアイコンとなるアコースティックギターはGIBSON J-45 Standardである。

元々デビューからHISTORY NT301を使用し、マーティンの0-18、000-28などを経てJ-45に落ち着いてメインギターとなっている。

ピックアップはL.R.BaggsのAnthemと思われるが元々搭載していたものか、後付けかは解らない。

このJ-45を弾き始めてから、他のギターは弾く機会が減っている様だ。


(後記)

今回はアーティストが愛するアコースティックギターを掘り下げてみたが、思うがままにピックアップしていったのだが、何の忖度も無くGIBSONのJ-45が強いのに驚いた。

実に筆者自身も楽しく勉強になるこの企画を継続する次第だ。

読んでくださった方々へ
ありがとうございました。

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