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【学芸員】38 杉本通信~古美術購入経路~

こんにちは

こんにちは!(お久しぶりです!)先輩のタタミさんからこちらの更新を引き継ぎました修士1年生のよろずです!

座禅を組むお坊さん

実は昨年、学部4年の時に数か月だけこのアカウントの運営を担当していました。無事大学院入試を突破して大学院生となることができました。大学院生ということで、専門は「中世絵画史」、特に禅宗に関係する室町時代の作品を研究していく所存です。杉本の専門である江戸時代よりも前の時代になりますが、杉本から学ぶことは研究する時代が異なるともきっと自らの役に立つはず…!!

杉本から研究とは、美術史とは何たるかを学び、自分なりに室町時代の絵画について考えていきたいと思います!

今後ともよろしくお願いいたします(^-^)


今回の話題

さて今回は古美術の購入経路についてお伝えしていきたいと思います。

なぜ私のような一介の(作品を買えるお金もない)学生が古美術の購入について考えるのか?

それは私の目指す学芸員の仕事に関わってくる話だからです。

私の所属する東洋・日本美術史研究室で学ぶ学生の多くは学芸員を目指しています。もちろん私もその一人です。

それでは学芸員の仕事について一度確認してみましょう。

学芸員は、博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業についての専門的事項をつかさどる。

博物館法 第四条 第4項

博物館法によると、学芸員の仕事は主に博物館資料の

  1. 収集

  2. 保管

  3. 展示

  4. 調査研究

です。

学芸員の仕事には資料すなわち美術作品の収集も含まれているわけです。実際学芸員になると、予算を渡されて「これで何か作品を買ってこい」と言われることもあるそう…。となると、学芸員は作品の流通事情も把握しておかなければなりませんよね。

それでは一体、古美術はどのようにして手に入れることができるのでしょうか?


古美術の購入経路

作品を購入するという点で私が知っている入手経路は以下の3つです。

  1. 古美術商から購入する。

  2. 骨董市で購入する。

  3. ネットオークションで購入する。

1.古美術商から

この方法は古美術商の方から直接購入するというやり方です。売主が目の前にいるのですから、よほど親しい関係性でないと直接のやりとりはちょっと緊張しますね…。

杉本は次のように述べています。

時間の制約はもとより、自分の体力や体調、店主との掛け合いによって「情報」が正確に読み取れない場合も多い。緊張する場であればなおさらである。

杉本通信(44)2月1日号

学生の立場からすると「先生でも調子が悪いことがあるんだ…」と思います。(我々が見ている杉本は、たいていビシッと作品を評価するので)

2.骨董市で

骨董市は全国各地で開催されています。例えば、東北大学のある仙台市では仙台東照宮にて毎月第4日曜日に「仙台骨董青空市」というものが開催されています。

また、昨年の研修旅行で一部の学生が参加した「京都アンティークフェア」のようなかなり大規模な骨董市も開催されています。

3.ネットオークションで

美術品のオークションというとついついクリスティーズやザザビーズなどのハードルの高いものを想像してしまいますが、ヤフオク!などの身近なネットオークションサイトでも美術品の購入は可能です。

(ヤフオク!で「江戸時代 絵画」と検索してみました。)

もちろんネットオークションには現物が見れない…というデメリットがある。
 けれども、よく言われるそのデメリットが、本当にデメリットなのかを考える必要がある。面白いことに、実物さえ見ればそこから十分な「情報」を読み取れるか、といえばそうではない。
 (中略)
 さらに言えば、古美術商に足を運んでもそんなにたくさん見れるわけではないし、多くの場合、選ぶほど商品はないものである。
 それに比べ、ネットは大量に拡大写真を掲載することができる。その情報量は古美術商が発行する作品カタログなどよりははるかに多い。そして一週間という時間の制約があるとは言え、何度でも見ることができるし、調べる時間は十分にある
 むしろ実際に作品を見ている経験さえあれば、ネットの方が作品を判断するうえでは有利なのである。

杉本通信(44)2月1日号

杉本のいうように拡大写真何度でも見ることができる調べる時間があるというのはその作品の良し悪しを判断することにあたって非常に有益です。

実際に、ヤフオク古美術部門最大手「株式会社 縁」さんのように高精細な画像を掲載し出品する方々もいらっしゃいます。

※「縁」さんは昨年の研修旅行番外編にて一部の学生が杉本と共に訪問した会社です。


ありがとうございました

気味です。今月も頑張りましょう…!!

私が知っている限りで申し訳ございませんが、今回は古美術の購入経路についてご紹介しました。

古美術の入手方法はさまざまですが、いずれにせよ良い物を購入するには作品を見る経験が必要です。学芸員・美術史研究者を志す私たちは、講義内外を問わず、日々作品をみるトレーニングを行っています。

最近、講義の準備や文献の読み込みにかまけて、作品をじっくり観察する機会が少なくなってきました。「あれ?私、作品の見方を忘れたんじゃ??」なんて思うことも出てきたので継続的に作品をみる経験を積むことを心掛けたいです。

さて、次回は学部3年生「ナカモリ」さんの初投稿です!
どうぞお楽しみに!!

【参考】

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