お弁当のおかずをめぐる、ナイショの取引
我が家は共働きなので、4月1日から小学校に入学するまでの間、子どもは学童で過ごします。
お昼はお弁当持参。
小学校に入学してから給食が始まるまでの期間も、同じく持参したお弁当を学童で食べます。
そのため親は、睡眠時間を短めにしてなんとか弁当をこしらえるのです。
我が家の場合はそんな期間が2週間ありました。
(昨日で終わった!!やったーーー!!)
ところで我が子は「食感が柔らかい、噛むとぐにゃっとするもの」が苦手。
例えば、
・ポテトサラダ
・グラタン
・ハンバーグ
・クリームコロッケ
などを好みません。
更にエビも、「見た目がこわい」と食べたがらず。
よって
・エビフライ
・海老シュウマイ
なんかも嫌な顔をされます。
いわゆる「子どもが好きそうなもの」があまり好みではなく、お弁当の定番おかずが結構封じられております。
私が子どもの頃大好きだったものも息子氏はお気に召さなくて、親子といえども好みは違うんだなぁとびっくりです。
そうはいっても、ね。
アレルギーで食べられないとかなら仕方ないけど。
そうじゃないなら、食えよ。
と大人の私は思わなくもない。
しかしながら親としては、「新しい環境で緊張するだろうし、疲れるだろうから、せめてお弁当には好きなものを沢山入れてあげたい!」とも思うのです。
結果、親心が勝りましたが、料理が得意ではない私には、朝からおかずを炒める元気はなく。
レンジでチンするのが精一杯。
だから息子が苦手なおかずを全部避けるのは難しい。
手持ちのおかずではまわしきれなくなってしまうので……。
そこで、最近苦手とか言ってた気がするけど海老が乗ってなきゃなんとかなるかな、とカニシュウマイを買ってみました。
事件はここで起こります。
おっかなびっくりカニシュウマイを入れた日も、息子は「お弁当おいしかったーー!!」と言ってくれました。
なんでいい子なんでしょう、泣ける……。
苦手なおかずは「あれちょっと厳しい」と申告してくれ、でも「好きなものもあれば食べられる」とか、「2個はつらいけど1個なら」とかの落とし所も教えてくれます。
なんていい子なんでしょう……(親バカ)。
なので、「案外シュウマイいけんじゃん!! また入れよ」と思っていたら、夫がこっそり教えてくれました。
「あのね、朝かおるさんがお弁当用意してくれるじゃん? で、先に出かけて、ぎりぎりまで蓋開けて冷ましてて、まわりに余ったおかずがあるでしょ?」
「シュウマイ入ってるとき、『これ苦手だからウインナーと変えて』って息子に言われて入れ替えました。あと、『すき間にもっとウインナー入れて』って頼まれて詰めたこともあった。ちなみにシュウマイは僕が食べました」
とのこと。
なんてこった……。
息子、シュウマイ食べてないじゃん……!!
おめぇ………!!
しかしながら、意外と怒りは湧いてきませんでした。
やるな、あいつ……!!
というのが第一の感想でした。
ちゃんと主張して、交渉して、欲しいものを手に入れる。
やるな。
自分の欲しいものを得る力が強い人間が、私は好きです。
我が家は私の始業時間が早いので、息子が家を出る前に私が出かけてしまいます。
その後残された夫と息子の、男2人の時間に、息子はうまく夫に交渉し、「理想のお弁当」を手に入れていたというわけです。
相手が夫だったから要求が簡単に通ったわけですが、つい甘めに対応してしまう夫もそれはそれで息子への愛がダダ漏れていて良い。
器用で料理上手な夫が、息子とお弁当を囲んで中身を取り替えている姿を想像すると、ちょっと微笑ましいし。
しかも母である私に気を遣ったのか、黙っていた息子も(そういえばポロッと『シュウマイが…』とこぼしかけていた気もする)、息子の要求に唯唯諾諾と従っておきながら、そっと顛末を教えてくれた夫も、みんな上手く立ちまわっているから、全てがうまくおさまっている。
全て世は事もなし、ですよ。
私の知らないところで笑
息子のやり手さに感心したので、そんなに食べたくないならとシュウマイをお弁当に入れるのは止め、残っていたぶんは私と夫でぺろっと食べてしまいました。
息子の交渉のうまさと、ちゃんと要望を言葉にできる素晴らしさ、胆力や配慮に敬意を表して、私もこの件については何も知らないふりをすることに。
子どもの味覚というのは連続性を疑いたくなるほど変わるもので、実はシュウマイを美味しい美味しいとぱくぱく食べていた時期もあったのです。
(しかも海老シュウマイ)
だから別に目くじら立てなくても、またそのうち食べるようになるんじゃないかなと思うんですよね。
実際、ブロッコリーは大好き→嫌い→好きという流れを辿っていたりします。
それにしても、まさか私の知らないところでお弁当のおかずが入れ替えられてるなんて、びっくりしました。
いやぁ家族って、面白いですね。
小学校最初の1週間、お疲れさまでした。
サポートいただけるととても嬉しいです!よろしくお願いいたします。