見出し画像

猫がきっかけでプロレスを好きになった話

「ヘビー級とジュニアヘビー級の違いって何? 年齢??」

……という疑問を抱いていたのは昨年末頃のわたしです。
プロレスに関する知識や情報を得る機会も全く無く、リング上で己の身体ひとつで闘う競技と言えばずいぶん昔に親戚のおねーさんから借りて読んだ漫画『ときめきトゥナイト』で主人公の想い人である真壁くんがボクシングをやる姿を目にしたぐらい……というありさまでこれまで生きてきたんです。

だからまさか自分がプロレスに熱中する日が来るとは思っていなかった。
人生何が起きるかなんて本当に分からないもの。面白いです。

①入口はその個性的な存在感

2019年11月。わが家に遊びに来た恋人が、唐突に鞄から猫のぬいぐるみを取り出してみせました。
それがもう本当にかわいくてですね。

画像1

※おなかのもちもち感プラスこぢんまりした存在感がよく分かる実物はこの写真の数倍かわいい。

その猫のぬいぐるみがダリルという名前だと教えてもらい、後日気になって調べてみた事がきっかけで、新日本プロレス所属のプロレスラー・高橋ヒロムさんの存在を知りました。
興味を持って覗いたご本人のSNSで発揮される破天荒なクリエイティビティを浴びまくったおかげで、人間として興味を持ったのがすべての始まり。

プロレスラーに対する先入観として抱いていたのは、何となく知っているタイガーマスクさんのようなマスクマンの姿でした。
他にはアントニオ猪木さんの巨体からの連想で、筋肉質な身体と寡黙さと無骨なふるまい。
あとは体重を落とすためのストイックな努力の姿(←完全にボクシングとごっちゃになってますね)なども含めて、荒々しく怖そうというイメージを勝手に抱いていました。

しかしそんな私のくだらない先入観を、ことごとく覆したのが高橋ヒロム選手でした。

チャンピオンベルトをベルトさんと呼んで会話して愛おしみ、王座陥落後はその心の傷を癒す存在として猫のぬいぐるみのダリルと行動を共にし、公式サイトの日記や自身のSNSでは唯一無二の画力と言語感覚で発信を続け、出演したラジオドラマでは一人七役をこなす等々…。

※ダリルが一児のパパになった事を報告する喜びのツイート。

それまで抱いてきたプロレスラーに対する怖そうだとかの印象を次々と打ち破られ、ポップセンス溢れる発信の数々に引き込まれるうち、自然と「この人はリングに立ったらいったいどんな戦いをするんだろう?」と気になっていきました。


②リングの上でもすごい

実は高橋ヒロム選手、2018年7月の試合中に首の骨を折る大怪我をして、1年4か月もの間欠場していたとの事。
療養のため長らく表舞台から姿を消していたものの、2019年11月に電撃復帰を果たします。

新日本プロレスは毎年1月4日に、東京ドームでの大会を行う事が恒例になっています。
電撃復帰時に当時のIWGPジュニアヘビー級チャンピオンのウィル・オスプレイ選手に挑戦表明をした事で、2020年1月4日の東京ドーム大会で、オスプレイ選手とのIWGPジュニアヘビー級チャンピオンの座を賭けた試合が決定しました。
オスプレイ選手はヒロム選手の欠場中にジュニアヘビー級戦線のトップを走り続けて来た人で実力も折り紙付き。期待値も高まります。

新日本プロレスの公式動画配信サイト『新日本プロレスワールド』は、配信動画の紹介として数分程度切り取ったものをツイートしてくれます。
お試しとして観てみるには最適なそのツイートのおかげで、どんな戦いをするんだろう?の疑問はわりとすぐに解消されました。

「いまの何ですか!?」
「わっかんねぇ!!!」

と、実況解説席のお二方が興奮のまま叫ぶのも無理もない。
人間ってこんな動きが出来るのか…!?という驚異的かつ軽やかな身のこなしに、素人目にも分かるスピードとパワーの両方を兼ね備えた攻防の数々。
そして何より双方が、何度ダメージを負っても諦めず立ち上がるその姿。

最初は興味本位だったのに、ヒロム選手だけでなく相手のオスプレイ選手にも、そしてプロレスにも一気に魅了されました。


③のめり込む過程と変わらない夢

プロレスの面白さを知りはしたものの、戦う姿を目にした事で高橋ヒロム選手ご本人への興味が一気に加速したので、まずはヒロム選手のすべてのツイートを読んでみる事から始めました。
(根がオタクなので興味を持ったらとことん知りたくなる人間なんです。とはいえアカウントの本格稼働日が2016年11月で、総ツイート数が2000に満たない程度だったからやれた事でもある)

動画や写真やイラストといった様々な手段で発揮されるセルフプロデュース力に舌を巻きつつ、ツイートの全てを読み終えた後はヒロム選手の言葉恋しさに公式サイトにも登録して、有料会員だけが読める日記の全ての記事も読みました。
(こちらも開始が2017年7月で、2週間に一度という更新頻度の記事数だからこそやれたこと)

不思議に感じたのは、リング上で感情を剥き出しにする咆哮の様と、SNSで見せるポップで突き抜けたクリエイティビティと、日記で垣間見せる明るい朴訥さとでも言うのか謎だけれどとにかくそういう文体、そのどれもが全然違う表情で魅了してくるところ。
それら全てをひっくるめて「高橋ヒロム」という存在なんだろうと納得しつつ、振り幅が底知れなさを生む事で、その魅力に絡め取られていきました。

個人的には日記が大好きです。
ポジとネガの両方が混在する危うさを孕みつつ、ときどきキラリと光る比喩や言葉が紛れているから不意打ちで胸を打たれる。
公式サイトの質問コーナーで影響を受けた本や作家を聞かれて「特に誰からも受けてない」と答えていたのを目にした時は驚きつつも納得したものでした。だってこの人に影響を与えたと呼べそうな存在が思いつかない。
(そして課金ユーザー向けページなので曖昧な言い方になるけれど、この回答の続きの言葉が個人的に素晴らしいと思いました)

媒体を選ばず発揮される、唯一無二の存在感。
プロレスラーはリング上での振る舞いや試合の過程に加えて、本人の華や発信力も必要とされる存在なんだという事を、ヒロム選手の一挙手一投足から深く実感しました。

なお高橋ヒロム選手を深く知る過程で、冒頭の疑問「ヘビー級とジュニアヘビー級の違い」についても解決しました。
ジュニアヘビー級は体重100kg未満の選手が所属する階級、ヘビー級は体重100kg超の選手が所属する階級(一部例外も有)とのこと。
最初に魅了されたヒロム選手とオスプレイ選手の試合はジュニアヘビー級同士の対戦だった事もあり、体重の軽いジュニアヘビー級ならではのリング上を軽やかに舞う戦いっぷりに、プロレスに対する固定概念を思いっきり打ち破られたというわけです。
(そして始まりがそういう意外性だったからこそ、ヒロム選手以外にも様々な試合を観るようになった事で、ジュニアヘビー級の人達とは対照的なヘビー級選手の力強い試合の面白さも知りました)

ヒロム選手は自身の夢を聞かれたら必ずこう答えます。

「IWGPジュニアヘビー級王者として、IWGPヘビー級のベルトを巻き、ゴールデンタイムで試合をすること」

中学一年生の頃から言い続けている夢だそうです。
ジュニアヘビー級選手の中で一番強い人間でありつつ、自分より体格的に勝るヘビー級の中でも一番強い人間を倒すこと。
日頃から大会の試合順ひとつとっても、ジュニアヘビー級選手の戦いがセミファイナル・ヘビー級選手の戦いがメインイベントという扱いをされがちで、ヘビー級の方が上という風潮が何となくあるのは事実です。
実際ヒロム選手も「ジュニアはヘビーの下じゃない」という発言を何度もしています。
だからその風潮を打ち破って本当の意味で頂点に立って、その上でゴールデンタイムに試合をする。この人なら本当にやってくれるんじゃないか、と思わせてくれるものを持った選手です。応援したくなる。


④ 内藤哲也選手と幻の2020年3月3日

そしてヒロム選手に関する知識を身につけるうち、自然と内藤哲也選手の存在が視界に入るようになりました。
「制御不能なカリスマ」と称される内藤哲也選手。プロレスに関して天才的な身体能力や閃きを兼ね備えており、かつ幼少期からの新日本プロレスファンとして培われてきた、ファンならではの思考回路を併せ持った最強のプロレスラー。
しかし現在の地位を築き上げるまでに様々な挫折や苦難を経ており、そこを掘り下げるとこの記事と同じだけの文字数を必要とするので今回は割愛しますが、まさしく「人に歴史あり」を体現している興味深い選手なのです。

ヒロム選手と内藤選手の縁のきっかけは2010年3月。当時まだデビュー前だったヒロムさんは、新日本からもクビを言い渡される寸前だったほど、練習に全然ついて行けなかったそうです。
その様子を目にした内藤選手が「俺で良かったらプロレス教えるよ」と声をかけたことで師弟関係が始まります。
その後ヒロム選手は無事デビューを果たし、数年の後に海外武者修行へと旅立つ事になるのですが、その様を見送る内藤選手はヒロム選手にこう声をかけました。

「帰ってくるときには、俺が新日本の主役になってるから。帰ってきたらシングルマッチやろうぜ」

その後、それぞれの道のりは決して順風満帆とは呼べないものでしたが、数多降りかかる困難を超えた先の2020年1月4日・東京ドーム大会で、ヒロム選手は長期欠場明けながらも見事オスプレイ選手から勝利を収め、IWGPジュニアヘビー級チャンピオンの座に舞い戻りました。
内藤選手も同じく1月4日・5日の東京ドーム大会で、IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタル、それぞれのベルトを賭けた戦いで連勝し、史上初の二冠王者として歴史に名を刻みました。
師匠と弟子のどちらもがチャンピオンになったわけです。しかも師匠は「新日本の主役」というかつての言葉を体現するに相応しい二冠王者として。

2020年2月9日、大阪城ホール大会。
内藤選手が二冠王者として初の防衛戦を終えた後、リング上でヒロム選手の名を呼び、互いがチャンピオンである今こそ師弟対決を果たそうと宣言しました。
「俺で良かったらプロレス教えるよ」と声をかけた日から約10年後となる2020年3月3日、新日本プロレスの旗揚げ記念日という一大イベントのメインとして、ヒロム選手と内藤選手の初めてのシングルマッチが決定しました。

けれど時を同じくして猛威をふるい始めた新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、新日本プロレスも2月26日、すでに決定していた3月1日以降の大会を中止とする事を発表しました。
いつか最高のタイミングで実現させよう、という約束の師弟対決も白紙になってしまいました。


⑤大事なことと夢への距離

コロナの影響で開催予定だった大会が次々と中止されたものの、新日本プロレスは6月9日、同月15日に110日ぶりとなる大会を無観客で再開する事を発表しました。
それに合わせて一度中止の発表がされていた『NEW JAPAN CUP』というトーナメント戦の開催も決定したんですが、現状では海外選手の来日が叶わない事もあり、当初参加予定だったヘビー級の選手達だけでなく、ヒロム選手を筆頭にジュニアヘビー級の選手達も参戦する事になりました。
優勝者には二冠王者・内藤哲也選手への挑戦権が与えられるこのトーナメント、なんと準決勝は金曜20時というゴールデンタイムにBS朝日で生中継される事も決定。
順調に勝ち進めば約束の師弟対決だけでなく、ヒロム選手の夢が一気に叶ってしまうトーナメント。
正攻法で勝利を掴んだり奇策に打って出たりと活躍を重ねて順調に勝ち進み、ヒロム選手はついにジュニアヘビー級の選手として唯一、準決勝への進出を決めました。

※リンク先画像の一番左、賑やかなコスチュームがヒロム選手。

7月3日金曜日、20時。
BS朝日『ワールドプロレスリングリターンズ』にて、準決勝の様子が生中継されました。
ヒロム選手の対戦相手はIWGPヘビー級王座の最長防衛記録保持者でもある強敵オカダ・カズチカ選手。
ヘビー級の最前線で活躍を続けるオカダ選手とジュニアヘビー級のヒロム選手は、身長差20cm・体重差19kgとかなりの体格差があります。
けれども準決勝の2試合目にしてその日のメインとして組まれた試合は、生中継の放送時間内に決着がつかず、試合途中で番組が終了してしまう程の激闘の様子を見せました。

結論から言うとヒロム選手はオカダ選手に敗れ、NEW JAPAN CUPトーナメントは準決勝敗退という結果に終わりました。
けれどその試合内容は一進一退の激戦で、ヒロム選手が自身の必殺技『TIME BOMB』を繰り出すまでオカダ選手を追い詰めたものでした。
最終的にはオカダ選手がコブラクラッチという締め技でヒロム選手を締め上げるも、ヒロム選手が一向にギブアップしないため「レフェリー! 止めろ!!」とオカダ選手が絶叫します。
そのままレフェリーストップがかかりオカダ選手の勝利が決定する、という流れでした。

わたしの話をしますが、ヒロム選手を応援するようになった途端にコロナ禍で試合が次々と中止されてしまいました。
プロレスが観られず外出も出来ないフラストレーションを晴らすべく、動画配信サイト『新日本プロレスワールド』でヒロム選手の過去の試合動画を沢山観ました。
そんな中で特に好きな試合も幾つか出来て繰り返し観たりなどしたんですが、その「特に好きな試合」は全てヒロム選手側が勝つものだったんです。
推しの選手が負ける試合を好きになるという気持ちはわたしには分からないとまで思っていた。

それが乱暴で一面的な考えだった事を、この日のヒロム選手とオカダ選手の試合を観て思い知らされました。
もちろん推し選手が勝てばスカッとするし嬉しいです。でもたとえ結果が負けだからと言って、選手がその試合を勝つために全力を尽くして立ち向かった事実は無かったことにはならない。

よく「プロレスは人生の縮図」と言われます。
勝つ事もあれば負ける事もある。
良い結果を出せば確かに名前は残るけれど、大事なのはその過程で観る側の心に何を残したかだと思います。
勝利を収めようともその試合内容がしょっぱいものでは、一部の狂信的なファン以外は決して評価しません。
気弱な迎合も中途半端な慢心も、驚くほど観る側に伝わってしまうものなんです。

ヒロム選手がオカダ選手との試合で見せたものは、攻勢に打って出る試合展開の面白さだけではなく、どれだけダメージを負っても立ち上がる勇敢さと、挑む意志が放出する鬼気迫る程の気迫でした。
一度オカダ選手からドロップキックで場外に落とされ、後になって隙をついて同じくドロップキックで場外へ落とす事をやり返した一連の流れなどからも、状況を冷静に判断し行動していた事は想像がつきます。
一方で試合中に剥き出しにされる感情はいずれも冷静さの対極にあるものだけれど、懸ける想いを放つように表現されるそれはひとつひとつが観る側の心を揺さぶるものでした。

駆使される知性の冷静さと、曝け出される激情。
すべては勝つために。

人間の全身全霊を目の当たりにして胸打たれた事実は、勝敗という結果とはまた別次元の感銘を呼ぶものでした。

レフェリーストップでの試合終了後、意識を取り戻したヒロム選手が涙しながら退場する様を、心底悔しい気持ちで見送りました。
この時感じた悔しさが、いつかヒロム選手自身によって打ち破られ、勝利の歓びへと上書きされる時が来ると信じています。
その瞬間の目撃者でありたい。

準決勝戦からちょうど一週間後となる7月10日金曜日20時。
BS朝日『ワールドプロレスリングリターンズ』で、生中継が途中で終わってしまったヒロム選手とオカダ選手の試合がノーカットで放送されました。
試合の様子に加えて、この試合を受けて語られるヒロム選手のインタビューを交えた特別構成。
その中でヒロム選手は「自分の夢への距離感が測れた」という言葉を口にしました。

「俺の中では、やっと距離を測れたなってとこまで行きました」
「ジュニアとしてIWGPヘビーのベルトを巻きたいっていうのは言い続けてきましたけど、実際の距離感って何も掴めなかったんですよ。でもIWGPヘビーのベルトを何度も巻いてるオカダ・カズチカと対戦して、ものすごい遠いと思いました」
「こんなに遠いんだって思った時に、嬉しくなりましたね。簡単に叶う夢なんて見ても面白くないですから。だからこそ俺はますます叶えてやりたいと思いましたね。叶えた時にどんな世界が待ってるんだろう?」
「俺はこれからも言い続けますよ。IWGPヘビーのベルト、俺は獲りに行きますよ。獲るまで挑戦しますから。勿論ジュニアとして。ジュニアを上に上げるためにもやり続けます」

IWGPジュニアヘビー級チャンピオンの証であるベルトさんを肩にかけ、そう語る姿に漂う風格がとても頼もしく映りました。
生き様を見せてもらっているから、ヒロム選手の発言や行動のひとつひとつに心揺さぶられてやまないんだと今では分かる。
今回の惜敗の悔しさも何もかもをバネにして、夢を掴み取るその時を見届けたい。
今はただそう願うばかりです。


⑥こんなことを書くつもりじゃなかった。&おまけ

この記事を書こうと思ったのは、ヒロム選手とオカダ選手の壮絶なシングルマッチにビリビリ感銘を受けて、今こそヒロム選手の事を書くいい機会だ!と思ったからなんです。
でも文章を書くのが遅いせいでのろのろしているうちに、ヒロム選手や内藤哲也選手が所属するユニット『LOS INGOBERNABLES de JAPON(ロスインゴベルナブレスデハポン)』の盟友・EVIL選手が、NEW JAPAN CUPトーナメント決勝戦でオカダ選手を破り優勝、直後に反旗を翻しユニットから脱退表明するという大事件が発生しました。
その翌日に開催された二冠王者・内藤選手とのシングルマッチでもセコンド介入などの様々な手を尽くして勝利し、内藤選手が二冠王座から陥落してしまいました。

プロレスは人生の縮図なので、仲間に助けられる事もあれば裏切られる事もあるのだと頭では理解しています。
けれどロスインゴ箱推しを自称する人間ゆえ、いざその場面を自分が目にしてしまうとやっぱり辛くて、正直今でも完全に立ち直れたとは言い難い心境です。

しかしそういった様々なモヤモヤを和らげてくれたのもヒロム選手でした。
試合終了後もなおリング上に倒れている内藤選手への攻撃を止めないEVIL選手を、ヒロム選手は止めに入ったかと思うと、そのまま内藤選手が奪い取られたIWGPヘビー・IWGPインターコンチネンタルの二本のベルトへと挑戦表明を行いました。
その結果、この記事を書いている日から言うと明日、7月25日土曜日。愛知県体育館のメインイベントで二人の対戦が決定しました。

プロレスラーという存在は発信力も重要で、リング外でも放つ言葉に説得力があれば、それはそのまま本人の魅力を底上げします。


それで言うとヒロム選手はこの舌戦の強烈さが先ず拍手喝采モノだし、その裏側に想いを馳せる読み方も出来てしまう。
上のリンク先、インタビュー全文無料公開なので良かったらぜひ読んでみてください。

人生と同じで何が起きるか分からないのがプロレス。
実際明日の愛知県体育館の大会でも何が起こるか予断を許さない状況なので、なんとか当日までにこれを書き上げてしまいたかったんです。間に合って良かった。
大会再開からたったひと月しか経っていないのが嘘みたいに心揺さぶられる出来事が幾つもありました。そしてそういった瞬間がこれからも何度も訪れるんでしょう。
人生の縮図だと言うなら、プロレスは好きなプロレスラーの生き方そのものを見届ける事でもある。だからこそ見逃さないよう刮目していきたいです。


<おまけ>
コロナ禍で試合ができない期間中、ヒロム選手は発信を続ける為にとYouTuberデビューを果たしました。
試合の時はスイッチがオンに切り替わるかの如く目つきや表情まで鋭さを増すんですが、YouTubeだと対照的に素顔に近いと思われる様子をたくさん見せてくれます。

下の動画は大会再開された6月15日のダイジェスト。編集も音楽もやたらお洒落。
会場入り前を映した前半はゆるゆるなテンションから真剣なインタビューまで楽しめる一方、試合時の様子となる後半は表情までガラッと変わります。

この振り幅が本当に魅力的。

この人がいったいどんな試合をするんだ??と思ったら、ぜひYouTube等から調べてみてください。
新日本プロレスもワールドも公式アカウントを持っているのできっと何かしらの試合動画が見つかるはず。
どこから観始めても熱くさせてくれます。そういう選手です。