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それぞれの行き先 Ⅰ章 彼の場合

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自分を失った「空の器」の物語。 彼を満たすのは……。
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記事一覧

Ⅰ章 彼の場合①

 夜の9時を回った頃、彼は大きなビルから出て携帯を確認する。 いくつかの連絡が来ているこ…

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Ⅰ章 彼の場合②

「この資料の内容すごく良かった。ただそうだね……。強いて言うなら、この部分とここの言い…

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Ⅰ章 彼の場合③

 彼、木嶋聡が起きた時には3連休1日目の朝11時を回ろうとしていた。昨日は退社後に会社近く…

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Ⅰ章 彼の場合④

『どうしてこうなっちゃったんだろう。私、見る目ないなぁ……』  いつか聴いたその言葉を…

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Ⅰ章 彼の場合⑤

 「さて、どこから話そうか……」  木嶋聡は、テーブル越しに見つめてくる彼女に諦めた様子…

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Ⅰ章 彼の場合⑥

 彼女、水澤千尋の恋は受験が終わる前に終わっていた。 そのことを教えられたのは彼女の受験…

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Ⅰ章 彼の場合⑦

「そのあとはもう散々だった」  ホテルのラウンジにあるカフェテリアの窓際、彼はテーブルを挟んで豊崎かなえと向き合っていた。ガラス越しに見える景色は薄く雫の線が見える。 小雨が降ってきた。 木嶋は、淡々と話を続ける。 彼女とはそれ以来会っていないこと。 自分が彼女にとって所詮、「都合のいい存在だった」こと。 自分が気持ちを伝えられない根性なしだったこと……。 そうした何もかもに打ちひしがれ、サークルの部室で自棄になっていたときに1つ上の先輩の気まぐれで童貞を奪われたこと。

Ⅰ章 彼の場合-終-

「かなえちゃんと、セックスがしたい」  そう言ってから、2人で僕の自宅へと向かった。 この…

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Ⅰ章 彼の場合 あとがき

感謝  私の処女作『それぞれの行き先 Ⅰ章 彼の場合』を読んで頂きありがとうございました。 …

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