シェア
夜の9時を回った頃、彼は大きなビルから出て携帯を確認する。 いくつかの連絡が来ているこ…
「この資料の内容すごく良かった。ただそうだね……。強いて言うなら、この部分とここの言い…
彼、木嶋聡が起きた時には3連休1日目の朝11時を回ろうとしていた。昨日は退社後に会社近…
『どうしてこうなっちゃったんだろう。私、見る目ないなぁ……』 いつか聴いたその言葉を…
「さて、どこから話そうか……」 木嶋聡は、テーブル越しに見つめてくる彼女に諦めた様子…
彼女、水澤千尋の恋は受験が終わる前に終わっていた。 そのことを教えられたのは彼女の受験…
「そのあとはもう散々だった」 ホテルのラウンジにあるカフェテリアの窓際、彼はテーブルを挟んで豊崎かなえと向き合っていた。ガラス越しに見える景色は薄く雫の線が見える。 小雨が降ってきた。 木嶋は、淡々と話を続ける。 彼女とはそれ以来会っていないこと。 自分が彼女にとって所詮、「都合のいい存在だった」こと。 自分が気持ちを伝えられない根性なしだったこと……。 そうした何もかもに打ちひしがれ、サークルの部室で自棄になっていたときに1つ上の先輩の気まぐれで童貞を奪われたこと。
「かなえちゃんと、セックスがしたい」 そう言ってから、2人で僕の自宅へと向かった。 この…
感謝 私の処女作『それぞれの行き先 Ⅰ章 彼の場合』を読んで頂きありがとうございました…