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リモートリサーチを設計して感じた3つの壁と突破口

こんにちは、matsukoです。デザイナーやってます。

最近、リモートで実施するユーザーリサーチを設計しています。
アンケートだけでなく、対面で行う予定だったインタビューとユーザビリティテストもがっつりやれるように動いています。

その際に「あーこれしんどいな」と感じた3つの壁と、それらの突破口について書きたいと思います。

【追記】メルペイみほぞのさんの「UXResearch」マガジンに入れてもらえました!わーいうれしい!光栄です!ありがとうございます😊

1. 物理的な壁

当たり前ですが、対面と画面越しでは物理的な距離が異なります。
そのため、細かい表情や仕草、一緒の空間にいることで感じる空気のようなものは察しづらい。

例えば、発言のタイミング。

対面ならお互い察し合って会話できますが、画面越しだとなかなか難しい。会議で発言したのタイミングが被ってしまい、若干の気まずさを感じる場面があるかと思います。初対面ともなるとより気まずいです。

2. 精神的な壁

この特殊な状況下にしんどくなっている人も多いだろうし、
リモートでの会話に緊張することもまだまだ多いと思います。
(逆に画面越しの方がリラックスできる人もいるかも)

それだけでなく、リサーチへ参加してもらうために追加作業も発生します。
ビデオ会議ツールを利用してもらうなど、来社するだけだったユーザーにとっては負担が大きくなります。

そういった精神的にマイナスへ働きがちなこの時期に、リサーチをするかは迷いどころでした。

3. バイアスの壁

どう表現していいのか迷ったのですが、
「リモートで行う」ことに対し個々に異なったバイアスがかかることが、突破しづらい壁だと感じました。

個人差が大きく、初対面で読みづらい事柄だからです。

リモートリサーチへの参加ハードルは、対面よりも上がると思います。
もしかしたら参加してくれる人は「部屋を見せれる」「リモートに慣れてる」などの偏りが見られるかもしれません。

また、ユーザーの認識にもバイアスがかかると思います。

リモート会議用に胸より上までシャツの服が売られているように、
「リモートだからバレないだろう」と、明らかな嘘や思ってもないようなことを話してしまったり

逆に緊張しすぎて、電波が悪くて聞き取れなかったことも「聞き返すのはダメだよな...」と適当に頷いてしまったり

これまでとは異なるバイアスも多くなると思います。

(これらすべて、私が社内デモンストレーションでリサーチ受ける側役をやってみて思ったことです。笑)

それらを突破するには?

これらの壁を突破するために実施したことは3つです。

 - 綿密に設計する

リサーチを受けてくれるユーザーには、対面で実施する以上の様々な負担をお願いすることになる。

ということは、必然的にリサーチャーたちの事前準備が鍵となってきます。

たとえばビデオ会議ツールを丁寧に説明した資料を、事前に送ったりするだけでも違うと思います。

当日接続に手間取ったり、画像や音声が聞こえなかった場合の対処法など、トラブルが起こることを想定して設計に盛り込んでおくことも大切です。

リサーチャーが余裕を持てれば想定外のことでも落ち着いて対処できる。
「何があっても大丈夫!」と思うことができれば、リサーチがスムーズにいく可能性は高くなります。

 - デモンストレーションを重ねる

綿密に設計したからと言って、やってみたら全然うまくいかないことはたくさんあります。
むしろ完璧なリサーチだったことがない(笑)

心配しすぎもしんどいですが、いつも以上に丁寧に、チームが納得できるようにしていくようにしています。
見えない落とし穴を発見して埋めていくのも、結構楽しいです。

 - あとは気にしない

ここまでやったら「あとはやってみよう」です。

そもそもリモートでなくたって参加してくれる方々は「リサーチ受けてくれる勇者」だろうし、リサーチする内容が的外れかもしれないから、深く気にしすぎても仕方ない。

どんなことでもそうですが、完璧なんてありえない。
できない理由は探したらいくらでもでてきます。最終的にはやってみるしかない。

個人的に、社内で閉じて開発するより、価値を届けたい人の話をエッセンスとして取り入れる開発の方が可能性は広がると考えています。
だから、「やらないよりやった方がいいに決まってる!」「失敗したって学びがあるはず!」と思い込みましょう。

新しい当たり前になるのかもしれない

初めてのことで、うまくいくのかどうか、まだどうなるかわかりません。
そのあたり、小心者の自分は心配でもあります。

逆を言えば、まだポピュラーだとは言い難いリモートでのリサーチを経験できるよいチャンス!

また、初めてのことに挑戦するきっかけにもなっています。

【初めて挑戦してみたこと】
色々なリモートワークショップに参加
・「ほえーすげー」と知見をたくさんいただいた
・みなさんすごくすごい(語彙力)

zoomでの社内対談に参加させてもらった!
・度胸を磨く(緊張した)
・不特定多数に見られる側の気持ちを体験

とにかく意識して行動!
・ミーティングやワークショップ開催時、実際にやってみたり
・まだ全然だけどやることが大事

新しいことを吸収するのはワクワクします。
さらに、頼り甲斐のある仲間たちがいることもあって、不安よりも前向きな気持ちのほうが大きいです。

ワクワクしながらインサイトを得られたら最高!
引き続きチームですすめていきたいと思います。