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知らない街の誰かの物語

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2駅でさっと読み終えて、7駅分引き摺ってしまう。 夜眠りにつく前に読んで、朝まで眠れなくなるような物語を集めました。 これは、あなたの知らない誰かの物語。 *こちらは全て僕では…
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#恋愛

人生で一番最低な夜を、人生で一番好きだった人と過ごした。

人生で一番最低な夜を、人生で一番好きだった人と過ごした。

21歳。冬。恋愛経験、それなり。

今からちょうど3年前、私にとっての初めてを、
どうでもよかったアイツにあげた。

処女のまま生き続けていくくらいなら、
とっとと捨ててしまった方がいっそ楽だと思ってた。

初めては、別に普通だった。
痛くもないし、気持ち良くもない、こんなことを私は、21年も気にして生きてきたのかと少しだけ馬鹿らしくなった。



大学2年の夏。大好きだった彼に振られた。
『ず

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つまらない人に恋をした

つまらない人に恋をした

「仲間」とか「友達」とか。そんな言葉に当てはめてしまうにはどこか難しい関係性の人が多い。つくづく、僕は言葉を知らないなと思う。

気付けば大切な人で、気付けば横に並んで歩いてて、気付けばひとり。その人の下の名前も忘れてしまってるのか、そもそも知らないのか。

「ねえ、僕たちの関係には名前がないね」

そう言いあった関係のあの子とはもう連絡を取れていない

******

今思えば、つまらない人だっ

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