金城光夫

わたしは王の著者です。 僕の人生は生まれた時から奇跡でした。 ここでは僕の奇跡の人…

金城光夫

わたしは王の著者です。 僕の人生は生まれた時から奇跡でした。 ここでは僕の奇跡の人生を小説化して書いています。

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第1話 奇跡の誕生

「嫌~、絶対に嫌~、この子を殺すなら、私も死ぬ」 女は病室のベッドで、気が狂わんばかりに叫んでいた。 悲しげな顔でそれを見守る夫がいる。 その夫は、先ほど先生に呼ばれ話をして帰ってきたのだった。 それは、とても辛いことだった。 「あのー、大変申し上げにくいことなんですが、今の奥さんの状態では、かなりの難産が予想されます。 かなり衰弱しているみたいなので、とても難しい状態です。 ハッキリ申し上げますと、子供は諦めた方がよいかと思われます。 このまま出産に挑むと、奥さん

    • 第63話 独立

      『総合住宅リフォーム MK企画』 「できた!」 悩みに悩んだ挙句、自分のイニシャルを会社名にすることにしたのだった。 それがシンプルだと思ったのだ。 営業で回るときに言いやすい方がいいのである。 以前の営業で回っていた時に見つけた名刺屋さんで名刺を作ってもらった。 この営業は名刺が商売道具である。 この商売に欠かせないのが、事務員代行の会社だった。 当時はまだ固定電話の方が信用があったので携帯電話でビジネスをすると怪しまれたのである。 月々3,000円で代行をしてく

      • 第62話 兄貴とヤクザとヤンキーと…

        「はい、ありがとうございます。カラオケハウス◯◯でございます」 「おい、今から行くから部屋空けといてくれよ」 「あ、お客様、本日は土曜日で混み合っていますのて、只今2時間待ちでございます」 「はぁ、2じかんも待てるわけねぇだろ、とにかく今から行くから空けとけよ」 土曜日のカラオケハウスは夜中の12時を過ぎてからがピークだった。 常に2時間待ちの状態である。 それを伝えたのだが一方的に予約を入れて電話を切られてしまったのだった。 「まいったな」 「どうしたんですか、

        • 第61話 波乱のバイト生活

          「いらっしゃいませ〜」 「あい、みっちゃんじゃないか?何してる?」 「あい、あつし、ちょっといろいろあってここでバイトしてるんだよ」 そこは地元の店だったので、知り合いの客が多かった。 「お前はいつもいろいろあるな」 「あはは、今日は家族サービスか?」 「実は俺も色々あって、今日は家族会議」 そう言いながら後ろを目配せした。 後ろにはフィリピン人の女性が立っていた。 「俺の嫁なんだけどよ、ちゃっと怒ってるから」 それを聞いて何となく察した。 夫婦ケンカで、大

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        第1話 奇跡の誕生

          第60話 それぞれの旅立ち

          ワクガワが連れて来たのは同じ高校のクラスメイトだった。 仕事を転々として今は料理人をやっていたらしいのだが、ワクガワに説得されてこのそば屋の調理人として働くことになったのだった。 「美味い!いいんじゃない?こんなに美味かったらすぐに人気店になるよ」 それはお世辞抜きで本当に美味しかった。 沖縄では、蕎麦粉を使わない沖縄そばが主流で、沖縄の人は美味しいそば屋を見つけると車で2時間かけてでも食べに行くくらいそば好きの人が多かった。 ラーメン屋も美味しい所には遠くても行くの

          第60話 それぞれの旅立ち

          第59話 業務拡大

          「車買えなかったのか?」 「だっからよ、マジでムカつくってば、現金持っていったのに値引きしてくれなかったよ」 「あはは、ま、人気車だからしかたないよ、値引きしなくても売れるからね」 「まったく!変なプライド持ちやがって」 「そんな事より現実の話がしたいんだけどさ」 「えっ?現実の話って何?」 「あのさ、一応去年の売り上げで共同経営者になっているわけさ、その自覚がないだろ?」 「えっ?まぁ、正直なところ共同経営者って言われてもピンとこないね」 「だろ、だから話が

          第59話 業務拡大

          弟58話 スランプ

          「今年は1億円の売り上げをあげます」 新年の初出勤で、みつおみんなの前で宣言していた。 ま、単純に去年は半年で5,000万円の売り上げを達成したので、まるまる1年あれば1億円の売り上げは普通だろうと思っていた。 「ょっしゃー、じゃ行ってきまーす」 勢いよく会社から出ていったみつおだったが… その日は一件もアポが取れないまま会社に帰ってきたのだった。 「まぁ、年明け初日はみんなこんなもんだろう」 と思っていたのだが、会社に戻ってみると、 「アポ1件とれました」

          弟58話 スランプ

          第57話 父親との別れ

          「今年のMVPは、みっちゃん、おめでとう」 忘年会は大いに盛り上がった。 約束通りみつおが全ての店を決めていいというので、みつおは自分が働いていた居酒屋で打ち上げ忘年会をすることにしたのだった。 従業員を連れて訪れたので、その居酒屋のオーナーも喜んでくれた。 みつおがトップ営業マンになった事を伝えると 「そうなの、金城さん凄いねぇ、じゃ今日はボトル1本サービスするね」 そう言って泡盛ボトルを出してくれたのだった。 今日はみつおにとってメインイベントだった。 次の店も

          第57話 父親との別れ

          第56号  一念発起

          「今日からお世話になりますミヤグスクです、よろしくお願いします」 朝のミーティングで紹介された人は、何とみつおが買った成功哲学の代理店の人だった。 今までは、プログラムのフォローとして話をした事があったが、まさか成功哲学のプロフェッショナルの人が会社に入ってくるとは思わなかったのでびっくりしたのだった。 「えっ?マジっすか?ミヤグスクさんがうちの会社に入るんですか?すげー、じゃいつでもプログラムの話が聞けますね」 みつおはテンションが上がってきた。 ミヤグスクさんは、

          第56号  一念発起

          第55号 仲間

          「あい、チネンじゃないか何でか?」 「何でかって、久しぶりに会ったのに失礼だな」 「あはは、ごめんごめん、でも何でか?」 「ワクガワに呼ばれたからよ、みっちゃんは何でか?」 「俺はここのトップ営業マンよ、1人しかいないけど」 「みっちゃんが営業マン?似合わんな、あのサッカー小僧が営業できるの?」 「足には自信があるからね、営業は歩いてナンボだよ」 「おぉ、名言だね、でも俺は歩かんでも売り上げる方がいいな、あはは」 相変わらずお調子者のチネンである。 チネンは、

          第55号 仲間

          第54話 成功への道

          「積極的心構えが何よりも大事なんだよ」 次の日、友達は朝から語っていた。 「同じように営業して回っても、同じ地域を回っても、積極的な心構えで営業するのと、消極的な心構えで営業するのでは、明らかに結果が違うんだよ」 「確かにそうだな」 みつおは感心しながら聞いていた。 「ま、その理屈は分かるんだが、実際に毎日積極的な心構えを保つのが大変じゃない?頭では分かっていてもどうしてもテンション低い時はどうすればいいの?」 「おぉ、いい質問だね、実はそこが一番大事な課題だよ、

          第54話 成功への道

          第53話 歩くセールスマン

          「ふー」 みつおはためらっていた。 初めての営業で、初訪問がなかなかできなかったのである。 手伝いでやってた時と違い、本格的に営業マンとして訪問するのはかなり抵抗があり緊張していたのである。 玄関先でチャイムを押すか押さないかでしばらく葛藤していたのだった。 いつまでもここにいるわけにはいかない。 「ピンポーン」 玄関の前で5分もうろたえた後、ようやく勇気を振り絞ってチャイムを押した。 ところが、いくら待っても出てこない。 もう一度押してみたが出てこない。 留守な

          第53話 歩くセールスマン

          第52話 リベンジ

          「おい、今日もバイト行くのか?」 「はい、9時からです」 「そうか、たまに家で飲もうよ、いつが休み?」 「あっ、そうですね、今度の僕の休みは木曜日です」 「じゃ、家で食事とビール用意しておくから」 「ありがとうございます」 親方はみつおが仕事の後すぐに帰るので淋しそうだった。  東京が長がったため、地元にはあまり知り合いが少なく飲み仲間もいないので、みつおとビールを飲むのが楽しみだったのである。 「休みの時はここでメシ食っていけばいいのに、冷たいなぁ」 「いや

          第52話 リベンジ

          第51話 真夜中の訪問者

          「いらっしゃいませ〜」 「生いっちょう」 「焼き鳥5本とほうれん草バターお願いします」 「予約の席は奥の方になりまーす」 そこはみつおの家の近くの居酒屋である。 ひょんなことから、居酒屋でバイトをするようになったのだった。 みつおは夜の世界から抜け出すために、あえて昼間の仕事に転向したのだが、結局は飲みに行く機会が増え、今まで以上に飲み歩いている日々が続いていたため、お金が回らなくなっていた。   今までは実家で暮らしていたのだが、今は自分で家賃を払わなければならな

          第51話 真夜中の訪問者

          第50話 初めての家出

          「ここは俺の家だ!」 みつおは生まれて初めて父親とケンカをした。 母親が死んでから寂しそうな父親に気を遣っていたのだが、いくら何でもという事件が起きたのだった… 「今週もおつかれさん、みつお、ウチでご飯食べていけよ」 毎日のように親方の家でご飯を食べて、ビールまでご馳走になっていた。 家が近くだったので、歩いても帰れる範囲だったのである。 近くのスーパーにバイクを停めておけば、飲んだ後は歩いて帰って、翌朝バイクをとって出勤すればよい。 ちょっと遠いバイクの駐輪場と思え

          第50話 初めての家出

          第49話 大工の世界

          「アガーーーーっ」 初日からやらかしてしまった。 思いっきり振り下ろしたハンマーがみつおの左手の親指を直撃したのである。 「おいっ、みつお何やってるか、早く持ってこいっ」 従姉妹の旦那さんは普段はとても優しいのだが、現場に出ると人が変わったように厳しかった。 痛い親指を何とかカバーしながらようやく型枠を作って持っていった。 「はーぁ? これはさんぎが逆だな、こっちの面に付けないとどうやって使うか!」 「あっ、すみませんやり直します」 「もういいよ、俺がやるからお

          第49話 大工の世界