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遊びに来たわけではない⑤

頭が朦朧とする中、それでもこの死ぬかもしれない間際に何を考え、何を思うべきなのか、自分のとても短い人生にもっと悲しむべきなんだろうか、涙の一つでも出せばよいのだろうか、しかしながら全く悲しみの感情はない。生への執着がないからか、執着してももう運命は決まっていたはずだから、どうしようもないことがわかっていたから、冷静に死を受け入れざるを得ない覚悟ができていたからか。いや覚悟というよりただ無気力に他人事のように受け入れている感じか。人間はいずれ死ぬものだろうし、それが早まっただけ位に考えている。ひとつ後悔するとしたら、「死にたい、死にたい」って口癖をやめてもっと前向きに生きてたかったことくらいかな。
こうしてまた1日1日、危険とされる日が続いていく。その危険が何かの説明もないまま。

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