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サウナの主役は水風呂だった。

世はサウナブームなのか?
最近「サ道」という文字をよく見かけるようになった。(サウナの道)
マンガ、ドラマ・・・。近所には「サウナ専門店」までできてしまった。
気になって本を読んでみる。
サ道 心と体が「ととのう」サウナの心得 著者:タナカカツキ
本書は、サウナに興味のなかった著者による究極のサウナ体験記だ。

百聞は一見に如かず。
よし!サウナに行ってみよう!

僕もそれほどサウナには興味がない。
温泉は好きだが、サウナ室に入るのは稀である。
通は、サウナ⇒水風呂を何セットも繰り返すらしい。

自宅から車で約1時間。ドライブも兼ねて山奥の温泉施設までやってきた。
軽く湯舟に浸かり、サウナ室へ。
大量に汗を流した後に、人生初の水風呂に浸かってみる。
当然冷たいのだが、じっとしていると不思議な感覚になる。
とにかく放心し、温度感覚が麻痺し、重力や時間の感覚も曖昧になってきたのである。
これは気持ちいい!

『サウナ⇒水風呂』これは生理学的にどんな行為だろうか?
端的に言えば、「血行を強制的に促進させる行為」だ。
サウナで血管の蛇口を開き、水風呂で閉める。
このとき、血が脳に酸素を大量に運んで、酸素が行きわたれば気持ちよくなるのだ。
また、血管の開いたり閉じたりする機能は使わなければ衰えるてゆき、風邪をひきやすくなる。
つまり、血管の筋トレをしているのだ。
実際、サウナに通っている人は風邪をひきにくいのも頷ける。

僕は、サウナ⇒水風呂を5セット繰り返してしまった。
これはクセになりそうだ。

ここからサウナの医学的効能について述べていこう。
基本的な入り方は「サウナ⇒水風呂⇒休憩」である。
体を温め、急速に冷やすことで、血管や神経に刺激を与える。

【サウナ効果】
・血行が良くなる⇒肩こりが改善
高温により血管が拡張し心拍数が高くなる。すると、体内をより多くの血が循環し、凝った筋肉に流れる血液も増える。
・HSP(ヒートショックプロテイン)の増加⇒免疫力が上がる
高温によってHSPが生まれ、タンパク質の損傷を修復するため、細胞の再生を活性化させる。
・発汗で疲労物質を排出⇒疲労を軽減
サウナ室では血流が安静時の2倍になり酸素の摂取量も増える。酸素を多く摂取することで、効率よく乳酸を分解する。

【水風呂効果】
・自律神経が整う⇒活力がわく
身体がだるくて活力がわかないという人は、自律神経が乱れている。
水風呂で刺激し、バランスを調整する。
・皮膚が引き締まる⇒湯冷めしににくなる
冷たさに反応して血管や毛穴が収縮し、体温が保たれる。
・血圧が上昇・下降する⇒低血圧の改善
サウナ⇒水風呂を繰り返すうちに血液のポンプが鍛えられるため、血液が正常値に近づく。

【休憩】
・深くリラックスできる⇒ストレス解消

サウナ⇒水風呂の緊張状態から解放されると、反動で全身がリラックスする。これによって自律神経が整う。
・血圧、脈拍数が整う⇒身体への負担が減る
休憩し、正常な状態に戻すことで、身体への負担を減らし、サウナ効果を最大限に引き出せる。

まとめよう。
温冷交代浴が身体本来の機能を呼び覚ますのだ。
人間の身体には、温度を感知するセンサーが2つある。
皮膚で温度を感知し、脳で血液の温度を感知する。
サウナに入ると、この2つのセンサーは温度の上昇を脳の中核に伝え、自律神経を通して血液循環の速度などを調節し体温を下げようとする。
このように、体温を一定に保とうとする機能を、短時間で活性化することができる。
サウナは、空調(エアコン)に守られ身体機能が鈍った現代人にとって、身体本来の働き方を呼び覚ませ、健康へと導いてくれるのだ。


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