何故デスクワークで肩が凝るのか
柔道整復師として多くの方の怪我や痛み、その他体の悩みをみてきたのだが
最近特に時代の流れを感じる事がある。
それは『肩凝り』に悩まされている方が圧倒的に増えた事だ。
皆さんの周りにも肩の凝りに悩まされてる人はたくさんいることでしょう。
そしてまさに今あなた自身が肩凝りに悩まされているかもしれない。
この記事ではどうして現代人の多くが肩凝りに悩まされているのか、そして原因を知った上でどう生活の中で気を付ければ良いのか。
そんな事を書いていこうと思います。
悩みは「腰痛」から「肩凝り」へ
一昔前まで体の悩みとして不動の1位は腰痛だった。それが何故今になって肩凝りに悩む人が爆発的に増えたのか。
結論から言うと現代人の働き方が大きく変わったから。一昔前までは一日のうち8時間以上を占める労働=力仕事だった。重い物を持ち上げる、運ぶ。日々の仕事の疲れが溜まりに溜まって腰の筋肉が限界に来た時...ギクっ!となる。
(因みにギックリ腰は急になるものだと思っている人が多いが実際はそうじゃない。今回は肩凝りについてなので書かないが、これはまた別の記事で書こうと思う。)
皆パソコン、デスクワーク
では現代人の働き方はどうだろう。
インターネットが普及しとにかくパソコン、パソコン、パソコン!!
1日中椅子に座りっぱなしで何時間もパソコンの画面とにらめっこ。首、肩は固定され動かすのはわずかな眼球の動きとキーボードとマウスを操作する手先のみ。何時間も動かす事なく固定された肩周りの関節と筋肉は深刻な血流不足となり、凝り固まる。
血流不足を分かりやすく言い換えると筋肉の栄養失調だ。
大前提として筋肉は血液から酸素と栄養を貰い、動く。筋肉が動くことによりポンプ作用が働き血流を促進する。
つまり
筋肉が動く→ポンプ作用→血流促進→栄養補給→筋肉が動く...
というサイクルが出来るのだ。
しかし長時間のデスクワーク、パソコン作業をしている人はどうだろう。
肩周りの筋肉を動かさない→ポンプが作用しない→血流が悪くなる→栄養が貰えない→栄養失調で凝り固まる
という悪循環に陥る。
長時間肩周りの関節や筋肉を動かさない
これがデスクワークにより肩凝りが起きる原因の1つ目なのです。
原因はそれだけじゃない
2つ目の原因は姿勢。
パソコンを使ったデスクワークをしている時の姿勢を意識してみてほしい。
恐らく下向きで首、頭が前に傾いてることでしょう。
この下向き姿勢が肩凝りを引き起こす大きな原因となっているのです。
頭は背骨の上に乗っている
普段、頭は背骨の上に乗っていてバランスをとっています。この状態では小石を積み重ねたがごとく、無理なく特に大きな力も使うことなく背骨の上に乗っているのです。
しかし下向き姿勢になった時どうなるか。積み重ねた一番上の小石の位置を前にズラすとどうなるか、落ちる。頭も一緒で、背骨の軸から頭が前に飛び出す事でバランスを崩す。そこで頭が前に転がり落ちないように首と肩の筋肉を使って頭を後ろに引っ張りバランスを取ろうとするのです。
この頭を後ろに引っ張る状態がとてつもなく肩の筋肉に負担をかけているのです。
頭の重さは5キロもある
頭がどれくらいの重さなのか、よくわかっていない人が多いがこれは絶対に知っておいて欲しい。
ボーリングの球や、米袋と同じくらい、5キロもあるのだ。
皆さんは米袋を8時間腕で待ち続ける事が出来るか。恐らく無理でしょう。しかし肩は、頭が前に傾き下を向いてデスクワークをしている時間、そう、約8時間もの間頭を支え続けているのです。
5キロのものを8時間支え続ける。下向き姿勢がいかに肩に負担をかけるか、イメージ付きましたか?
追い討ちをかけるのがスマホ
ここまでパソコンを使用する人を例に出して書いてきましたが、もう一つ、肩凝りを引き起こす原因となるのがスマートフォンです。
電車の中でスマホをいじっている人を見てみて下さい。
9割以上の方が下向きになっていると思います。
この記事を読んでいるあなたもきっと今、肩凝りの原因、下向き姿勢になっているはずです。
現代人にとってなくてはならない存在になったスマホ。1日あたりの使用時間が3時間以上という方もかなり多いのではないでしょうか。5キロの頭を3時間支え続ける肩がどうなるか今一度想像して頂けたらと思います。
そして今、小学生から中高生までの若い人が肩凝りに悩まされているというのがプチ社会現象になっています。この状況に陥っている原因の一つにスマホが絡んでいる事をこの記事で理解して頂けたら幸いです。
とはいえスマホを使うな
そんな事を言う気は更々無いし、無理だし、僕もスマホは1日に何時間も使います。
しっかり理解して欲しいのはあくまで使用中の姿勢、特に頭の位置です。
「あ、頭が前にいってるな」
「酷い肩凝り原因はこの姿勢なのか」
そんな風に思って普段のちょっとした心がけで肩凝りの悩みから解消される人が1人でもいたら、この記事を書いた甲斐があったなと思います。
肩凝りは頭痛へ
肩凝りを放置した先に待っているもの、それは緊張性頭痛。どうして肩凝りが頭痛に発展するのか。その辺りはまたの機会に記事にしたいと思いますが、最後に、肩凝りを放っておくと酷い頭痛になる。そうなる前に日頃から気を付ける。是非今日から心がけてみて下さい。
〜まとめ〜
関節、筋肉を長時間動かさないと筋肉が栄養失調を引き起こし、凝り固まる
→こまめに動かそう
肩凝り最大の原因は下向き姿勢
→時々意識して頭をあげよう
→モニター、スマホを目線の高さに調整しよう
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