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【進路】レールがあるとするなら、敷くのは自分自身がいいと思う話

  目安:約2500文字

昨日、息子宛てに合格通知が届きました
これで高校卒業後の進路が定まりました!

我々親子がグレーゾーン当事者として
同じく当事者の方やその支援者の方と
交流させていただいている
インスタの別アカウントを軽く見返していたら
義務教育から解放されてよかったね
という、中学卒業の頃のpostが出てきて
あぁもうそんなに経つのかと
いろんな気持ちが入り混じります

時間の経過を感じるとともに
そこで関わってくださった様々な方や
いろいろなことに感謝です

1.今だから冷静に振り返られる『あの時』

地域によって様々でしょうけれども
わが街の公立中学校には
情緒支援学級がありません

なので、愛の手帳が取得できないけれど
通常級で困難のある子どもが進学相談をして
教育委員会に認められると
公立中学校の中に併設されている
知的支援学級に所属することになります
(現在では通級の選択肢もあるそうです)
区内に10校ある中学校のうち
知的支援学級があるのは3校です

そして
他の地域はわからないですが
この3校については当時
同じ校舎内であっても通常級とは違う
ほぼ区切られたエリアで学生生活を送ります
可能な範囲で母学級の授業に入ってみたり
母学級と交流しての学校行事などはほぼありませんでした

クラス別の対抗行事などがある際は
人数さえ通常級より少ない数で
通常級の各クラスと競い合い
いくら力を合わせてできる限り頑張っても
望む結果が得られない事を
嫌でも思い知らされていきます

仮に多少の支援があれば
通常級のカリキュラムを学ぶことができる可能性がある子でも
通常の中学課程に触れることはありません
3年間で愛の手帳が取得できないと
特別支援学校の高等部に進むこともできません

「中学卒業までに愛の手帳が取れる見込みはないですね」
と児童相談所で明言された息子は
その学校制度の中で普通高校を受験し
無事に合格できたので今の学校に通うことができました

ただ、こればかりは
個人的になんとかできる問題でもありません

2.手を伸ばせば助けてくれる人はいるけれど

事情を話したら
息子の特性を理解しようと懸命になって
効率の良いカリキュラムを個別に組んで
中学課程の勉強を短期間で学ばせてくれた
近所の学習塾の先生方に感謝ですし

あと、そうした学校制度の中で
中学3年生の時の担任の先生には
冷静な視点で適切な指導をしていただき感謝です

高校でも様々なバックボーンを抱えた子どもに理解ある
丁寧な教育方針のおかげで
多くの高校生が過ごすような高校生活を送ることができ
新たな目標も見つけることができ
そこを目指すための次の学校に合格できました

本人が1番苦しくて頑張っただろうけど
それを支えてくださった方々がいるからこそ
今を迎えられたのだと思っています

手を伸ばして
自分に今何が必要で
そのために足りない事を助けてほしいと
声を上げれば
助けて支えてくれる人はいるのです

ただ、当事者は
生まれてからずっと自分なので
周囲との違和は感じていたとしても
それが生きづらいと感じるだけで
「ふつう」と「じぶん」の違いまで
明確に言語化するのが難しく
特に診断がおりないグレーゾーンの状態だと
制度的に見落とされる部分も多くあるので
なかなか適切に声を上げられないのが現状です

息子の場合たぶん時間はかかったと思います
不登校の時期を過ごした小学生時代
人より1年半遅れて中学課程に触れた中学時代
そこからやっと将来を見ることができて
でもものすごく悩んだ高校時代

自分は確かに伴走したけれど
結局息子本人がその時々の全力をかけて
自分自身と向き合ってきた結果なのかなと思います

そして、自分が敷いたレールを
親や周囲の力を頼りながら
進んでこれたからこその今です
支えてくれた人たちが
確かにいてくれたからこその今です

少しずつ自分の力も増やしながら
でも特性のために努力で補えない部分には
声を上げて
これからも生きていってほしいなと思います

というわけで、昨日は
関わってくださった様々な方に
感謝する1日となりました

3.頑張った記録

で、今日。まさに今
息子は英検準2級の2次試験に行っています
もう調査書などに書くこともないのに
『高校で頑張った記録にしたい』と
勉強して先日1次を突破していたのです

漢検二級合格
英検準二級合格
なんて、ふつうの高校生みたいだね
などと笑って決戦前夜を過ごしました

親としては悔いが残らないように
試験に挑めたらそれでいいと思ってしまうけど
息子としては『準二級に合格する』ことこそが
悔いを残さないことなんだろうな

4.生きづらさは言葉にしたほうがいい

先日こんな本を読んで
インスタに読書記録を残したんですけど

見えていなかったから『ない』とされていたもの
たくさんあると思います

先日ニュースでヤングケアラーの問題を扱ってましたけど
東京都が実態調査をしたら
「予想を超えた多くのヤングケアラーが
いる可能性がある」
という結果が出たそうです

境界知能や発達障害グレーゾーン、ギフテッドなどの問題も
まだまだ見落とされがちで
ふつうとそうでない人の間には
スペクトラムがあることを知ってほしい

当事者ですら
「この生きづらさは甘えかもしれない」
と思ってしまう現状は、悲しいけれどまだまだあります
まずは自分を正しく知るために
生きづらさを言葉にしてみる事をお勧めします

発信する必要は特になく
自分自身で自覚するために言語にして
文字を目で確認してみてください

それが
何かのツールによって解消できる事なら
そのツールを使うのも良し
何かの支援によって解消できる事なら
その支援を求めるのも良し

診断のおりない微妙なところにいる人々は
見えないために『ない』とされていて
生きづらさも甘えだと思われがちで
自分でもそう思いこみがちです

現実として今のままだと
グレーゾーンの人は
そもそも自分で自覚しなければ
適切な支えが求められないのです

自分自身を正しく知ることが
自分の進路を切り開く第一歩につながると
信じています

5.最後に

不登校の小学生時代に
こんな日が来るとは思っていなかったなぁ

息子なりの『社会人』に到達できるその日まで
あと数年伴走したいと思います
まぁ、応援は一生続けますけど🙌

最後まで読んでいただきありがとう
ではではまたまた

梅本 龍
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#小学生  の時は #不登校 でした
#中学生  では #特別支援学級 でした
#過去  があるから #今 がある

最後まで読んでいただきありがとうございます!