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子宮色の母子手帳シリーズ。

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そこには四つの、素敵な短編があった。
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#歯医者

瞬間性歯医者。

「でも今は、センシティブの向こう側に行きたい気分なんだ」太郎は向こう側にある太陽を見て言った。
「うんそっか。……ところでお前だれ?」瀬戸は瞼の無い瞳をカッと開いて、というよりは力をがんがんと入れていた。
「はいじゃあ胃カメラいれまーす」
「ここはどこですか」
 いつの間にかベットに縛り付けられている太郎は、自分を見下ろしている白いマスクをした長身に尋ねた。瀬戸なんていう人間は、その空間には居なか

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