フォローしませんか?
シェア
巣居けけ
2020年11月4日 00:48
私は椅子に腰を落とし、目の前のテーブルに目を向けました。 真っ白いテーブルの上にはペロペロキャンディーがありました。キャンディーの部分が手のひらほどの大きさをしたそれは、透明なフィルムに包まれていました。「キャンディーか……」 固形物ではないという事実に、ため息混じりな声が出ます。ゆっくりとまばたきをすると、今日一日で溜まったヘドロのような苦悩が、荒波を立てました。 私は重い腕をなんとか
2020年11月2日 22:08
私は目覚めると、すぐに掛け布団から這い出て、近くに置いてある時計の針を注視しました。 七時という、まだ朝といえる時間帯であることを認識した私は安堵の息を漏らした後に、それでも収まっていない緊張感を胸に感じながら、古ぼけた襖を開け放ちました。その先にはもう台所が広がっていて、窓からは朝らしい光が降り注いでいました。しかし私の心情は、そんな朝から感じる何かに浸る程の余裕はありませんでした。目ヤニの