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#短編小説
横道を何度か潰しても。
「君はなんだか、天使の見た目と力を持った上で、本来の悪魔よりも悪魔らしいことをするような、そんな存在だよね」
若い教授は口を揃えて言う。その手には、あの誰もが望んだ果実。
「栄光な遂行な、ってどうして君たちはいつもそうなんだ? どうして中立を拒むんだ」教授は続け、そしてその脳裏には、今ですらも道を進む専門家の面影が。
専門家は教授にはなれなかった。それでもなお、専門家は道という茨を、苦悩を飲み
どこまでも続くでしょう。
「死なんてそんなものさ。着飾ったりするほうがどうかしてる」生き生きとしたいた時期の専門家はそう言っていた。
しかしもう、そんな新鮮さがある面影は、今の専門家には微塵も無かった。今の専門家はただ、誰もが嫌う道をよわよわしく歩くだけの存在で、それに対して専門家自身は、どうすることもできないなあとしか思えなかった。まるで、思考そのものを固定されているような気もしていたが、そんなことを考えだすと、その瞬