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移住物語①

充実した離島暮らし

昨年2021年は沖縄の西表島で正月を迎える。
燦々と輝く陽光に照らされて、ふと流れてくる亜熱帯の植物と潮が混じった南の匂いを一杯に吸い込む。この瞬間、生命踊る空間に存在することに歓喜する。
「一生この島に居たい」と思えるほど素敵な場所だったから、私は島を飛び出すことにした。
一生を同じ島で過ごすには、まだ若く、知らない世界が多い。そして、しがみついてるものを手放した時に、また何か大切なものが手に入ると経験的に知っていた。

その後、石垣で放浪、岡山の山で自給自足的生活する。大半が携帯が壊れていて使えなかった。
半年くらい自然の中で文明を捨てた生き方して過ごす。

東京へ戻って抱える違和感

7月頃、東京へ戻る。社会的なことに関して、まるでやる気のない日々が続く。
図書館篭って、星の研究やらシュタイナーやらグルジェフやら、この宇宙の構造理解に時間かける。宇宙に夢中になると、時折こうした、引き篭もり生活を続ける。

大まかなテーマは、人体に影響を与える月の影響だった。ただ月で生きてはいけない。惜しみなく能動的に捧げる太陽的な生き方こそ、人生の醍醐味だと痛感する。

そして自然豊かな場所にいた私にとって、東京の無機質な空気は耐えられないものになっていた。
どっか飛び立ちたいと日々思いながらも、部屋の片付けが終わったら、書類の手続きが終わったらと、ズルズルと実家に居座っている。気がついたら12月になっていた。

12月中頃、研究が一区切りついて、自分の中で納得した結論が出る。誰かに、そして大袈裟だが世の中に、大切な何かを伝えたくて、突発的に明晩の京都行きの深夜高速バスを予約。

そこから書類やら掃除やら全部終わらせて、もう東京には、帰らない思いで、荷物をまとめる。

いざ出発へ、持ちものリスト

•現金約8万円(全財産)
•スマホ
•リュック(学生時代から使ってる、ただのリュック。入っても8リットルくらい)

•基本装備
レインコート(上のみ)
あったかいモコモコのパーカー
あったかいモコモコのズボン
タンクトップ、タートルネック、トレーナーパンツ、靴下、手袋、ニット帽
スニーカー

この装備が重要で、モコモコのパーカーにレインコートを合わせる。するとこれがダウンの代わりになる。ダウンだと嵩張るし、持ち運びに不便。このスタイルだと洗えるし、防寒も完璧。

•服(キャップ、オーバーオール、半袖、ジャージ下、タートルネック、パンツ、靴下、タオル、それぞれ一枚ずつ)

•バリカン(シャンプー持ってかないので、髪の毛洗えなくなったら坊主にする)

•その他(ビタミン剤、小型懐中電灯、スマホ充電器、モバイルバッテリー、ハンコ、通帳、財布カード類、歯ブラシ、メモ帳、ペン)

•隕石
隕石を水の中に入れると、Phが0になり軟水化される。昔2000円くらいで買った隕石をペットボトルの中に入れて常に持ち歩いてる。すると水道水を汲んでも、上質な水を飲むことができる。化粧水代わりにも使える。

•沖縄で買ったミンサーのポーチ(貴重品入れ)
このミンサーを持ち歩くのにはちょっとしたエピソードがある。
昨年、沖縄で、小指のないオッちゃんが
「オメェどっから来た!」
と私に絡んできた。
おっちゃんは、私のミンサーのポーチを見て
「内地から来た野郎がミンサーの意味分かってんのか!」
と立て続けに捲し立てる。
急に凄まれてビックリした私は、外国人のようなカタコトで
「俺の名前は諒平、俺は平和好き」
と引き攣りながらも穏便に言う。
するとおっちゃんは笑顔になって、
「オメェ飯食ってねぇだろ」
と私に釣った魚をご馳走してくれた。
ミンサーには平和への祈りが込められてる。旅をする時は御守りとして持ち歩いてる。

•十字の入ったヘタマイトのネックレス

お守りがわりに、何故か持っていきたくなったので、持っていく。
これにもエピソードがある。
高校の頃仲良った情報の先生がいた。
大学時代、たまたま散歩中に先生と再会する。先生と込み入った話になり、先生が付けてる金のネックレスがふと気になった。あんまり派手なものを身につける先生ではなかったから、
「奥さんから貰ったものですか?」
と私はちょっと茶化しながら言った。

すると先生は真面目な顔をして
「教員してると2月はとても忙しい。ごく昔、電車に突っ込んでしまいたい気分に一瞬なることもあったんだ。そんな時にね、ネックレスを付けてることが、頭によぎり、自分が神様を信仰してるクリスチャンであると我に帰り、平静に戻るんだ。」
と十字のネックレスを私に見せる。
私は先生がギリシア正教徒だったことを初めて知った。そしてこのエピソードを聞いて、クリスチャンではなかったがとても感銘を受けた。

そのしばらく後、神保町にある恩人の職人さんところに行くと、十字のクロスのネックレスが置いてあった。次の週に夢の中でそのネックレスが出てくる。
全く高価なものではないが、人生で初めて買ったネックレスがこの十字のネックレスであった。

今回の旅、数年前に買ったこの十字のネックレスがキーアイテムになる。

ちなみに持ってこうと最後まで悩んだもの
•かもめのジョナサン(小説)

いざ出発へ、大まかなプラン


全財産が8万円だったので、ゲストハウス宿泊が大体一泊2000円、食費は1日1000円。大体1日の必要経費は3000円くらいだと見込む。長距離移動手段は深夜バスだと3,000円くらいとみる。

すると計算上、約25日で生活が困難になるので、移住先も約25日で決めたいところである。

完全ノープランでアテなし移住計画である。ただひたすらに、自分の直感と、宇宙への信頼、あるいは星の動き読んで行動する。

どうしようもない日は、宇宙に「Help!」出して祈りながら、放浪する。宇宙を創った神様は、「助けてくれてありがとう。」と先に言っておくと、助けてくれることを私は知ってる。Amazon宅配便のように、ちょっとしたタイムラグはある。そこがまた、さりげなく、そして自然な形で手助けしてくれる。そこがこの宇宙の素敵なところ。

2021年12/15日、
絶対的な宇宙への信頼、これを胸に、東京を旅立ち京都へと向かう。

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