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今回は、「多様性の科学」という本を読んで感じたことをまとめたいと思います。

まず、本書の一貫した主張は、現代の問題は複雑に絡み合っていて、個人で太刀打ちはほぼ不可能となっている。そこで、「人と違う新たな考え方」が必要となってきます。
そして、この「人と違う新たな考え方」こそが多様性によるものであり、そうして集まった知識や知恵を「集合知」や「集団脳」と呼んでいます。

つまり、組織において、個人のパフォーマンスではなく、その組織の「集合知」(組織としての知能)を高めていく必要がある。そのためには多様性の確保が欠かせないと述べられています。

その具体的なメソッドの紹介などは、他の要約されている方のものを見てもらいたいです。
ここでは、面白いと思った点とこの本を読みながら自分の経験と照らし合わせることで自分がどのように感じたのかについてつづります。

まず面白いと思った点が2点。

1つ目は、現在のハウツーや健康に関する情報などは、まるで「すべての人に当てはまる」かのように語られているそうです。人間の細胞の構成や育ってきたバックグラウンドは一人一人違うのに、そのすべての人に対して1つのセオリーを当てはめようというものです。
その面白い例として、一般的に砂糖や白い小麦は身体に悪いと言われていますが、紹介されていた実験によると、アイスクリームを食べて血糖値が下がる人もいれば、野菜中心の食事なのに血糖値が上がる人もいる。白いパンで血糖値が下がる人もいれば、健康に良いとされているグルテンフリーやライ麦パンを食べて数値が上がる人もいる、というのです。
たしかに、言われてみると、一人一人身体の特長は異なりますし、これまでに触れてきた微生物の種類も異なるので、同じものを食べても違う結果が生まれるのは至極当たり前のことのように思います。

2つ目は、自分の意見に対する自信の有無です。多様性のない集団(似たもの同士、クローン化した組織)は、議論が非常に心地よく、お互いに自分たちの意見が正しいという自信が高まっていったといいます。
一方で、多様性のある集団が感じたことはその真逆のことでした。反対意見も多く、認知のすり合わせも一筋縄ではいかなかったので、議論を進めるのは非常に根気強さが求められる作業だったそうです。また、圧倒的な肯定が得られなかったため、最終的に集団として出した答えについても強い自信がもてなかったといいます。
ですが、結果として正しい、より効果的な問題解決手段を考えついたのは後者だったのです。
この事実は、今後ますます多様化していく社会、様々なバックグラウンドをもつ方達と進めていく僕の事業において、肝に銘じておきたい事実です。

本の内容はこの辺にして、ここからは僕の経験、そして感じたことについてお話します。

まず、僕の経験を振り返ってみると、中学校を卒業した15歳から現在の24歳まで、基本的に新しい文化へどんどん飛び込んでいきました。

高校で関西から関東
大学で日本から海外
サラリーマンから旅人(その中で、自営業やヒッピー、起業家など沢山の肩書きの方の生き方に触れました)
そして旅人から海外移住者&起業家

思い返せば、常に新しい価値観に触れ、その方の生き方と自分の趣味嗜好を照らし合わせ、自分はどういう人生を歩んでいきたいのかを自問自答し続けてきた期間でした。
そしてそのすべての経験が今の自分を創ってきました。

そして、一人一人違うバックグラウンドだからこそ、思いつく案がある。気付ける問題がある。僕は、こういった新しい価値観やいわゆる特殊な生き方に対して、並の人よりは理解があるし、配慮できることも多いと思います。ですが、経験していない分野のことで、知らず知らずのうちに理解のない言動をしてしまっていると思います。
1人ですべての人の気持ちに寄り添うことは難しいことですが、チームなら実現できそうな気がします。自分では見過ごしてしまう問題に気づいてくれる、寄り添える人が1人でも入れば、その問題を無視せずに一緒に取り組めます。
僕のシリア難民の方へのプロジェクトもこうやって補完し合いながら進めていかなければいけないなあとつくづく感じました。

最後までお読みいただきありがとうございました😆

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