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僕が音楽マネージャーになるまで①〜⑩

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株式会社RED代表取締役 宍戸亮太/ちょっとユニークと言われることが多い、僕が音楽マネージャーになるまでの経緯を10回に分けて文章にしてみました。
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記事一覧

僕が音楽マネージャーになるまで – ⑩社会というフィールドで、人と音楽が繋がった最初の日

僕が音楽マネージャーになるまで – ⑩社会というフィールドで、人と音楽が繋がった最初の日

2010年1月11日、「世界の終わり」の「幻の命」がTOKYO FMの「SCHOOL OF LOCK!」でオンエアされることが決まった。

「SCHOOL OF LOCK!」は、TOKYO FMのモンスター番組だ。

まだインディーズデビューすらしていないバンド。
ライブのお客さんも10人に届くことはほとんどない存在。
わかりやすい言葉で言うと、世の中からするとただの「売れてないバンド」。
そんな

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僕が音楽マネージャーになるまで – ⑨運命の日

僕が音楽マネージャーになるまで – ⑨運命の日

まず惹かれたのは、そのグループ名だった。
バンド名やグループ名は、その存在の最初のキャッチコピーであり、センスが現れる部分だと僕は思っている。

今では文章みたいなグループ名がたくさん増えたけれど、これは贔屓目ではなく、彼らの登場がその影響を及ぼしたと思っている。
(あと、ライブの写真OKも彼らの取り組みはだいぶ早く、セカオワが先陣を切って変えていった部分だと記憶している。)

「世界の終わり」

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僕が音楽マネージャーになるまで – ⑧世界の終わり

僕が音楽マネージャーになるまで – ⑧世界の終わり

「人と音楽を繋ぐこと」

業界未経験の新人として、僕がプレゼン出来ることは、なぜこの仕事をしたいのか、その熱意を伝えることしかなかった。

面接の日、一世一代の思いを胸にラストラムの事務所へ向かった。

通された会議室で緊張していた所に、社長の村田さんが現れた。

「どうも〜」とニコニコしながら入ってきて、いきなり両足を机の上に乗せた。
しかも、手には謎の瓶を持っている。
絶対に濃い目のアルコール

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僕が音楽マネージャーになるまで – ⑦人生を変えた質問

僕が音楽マネージャーになるまで – ⑦人生を変えた質問

旅行会社の面接で問われた質問。
その問いに、僕は全く答えることが出来なかった。
答えることが出来なかったけれど、頑張って身に付けた英語力が評価されたおかげか、採用となった。
採用となり研修期間、いろいろなことを先輩方から教わりながらも、面接でのその問いが頭を離れることはなかった。

それは、

「社会というフィールドで、人生をかけて、何を実現したいのか?」

という質問だった。

自分にとっての、

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僕が音楽マネージャーになるまで – ⑥人生は、前にしか進まない。

僕が音楽マネージャーになるまで – ⑥人生は、前にしか進まない。

北京からモンゴルのウランバートル行きの列車がある。
この旅の絶対行きたいスポットの一つだったモンゴル。
その移動チケットを買い求めて駅へ来た。

でも、相変わらず、言葉は通じない。
英語も日本語もダメだけど、漢字ならいけるだろう!と、漢字でモンゴルと書こうとしたのだが、人間、余裕がないと頭も働かず、漢字でモンゴルをどう書いたら良いか、全然わからない。

一旦、冷静になろうと思い、スーパーで緑茶を買

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僕が音楽マネージャーになるまで – ⑤自分の常識は、他人の非常識

僕が音楽マネージャーになるまで – ⑤自分の常識は、他人の非常識

始まりのきっかけをくれた高橋歩さんとのミラクルな出会いの夜を経て、ついに海外へ。
沖縄の友達新里くんが愛車ビーノを預かってくれて、僕はバックパックひとつで行動することが出来た。

この旅、初のフライトで沖縄から山口県に向い、下関へ。
下関から船で、人生初海外中国の青島へと向かった。

船に乗って、寝て、起きたら、そこはもう生まれ育った日本ではなかった。

少し前まで北海道からほとんど出たことがなか

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僕が音楽マネージャーになるまで – ④嘘みたいな本当の話

僕が音楽マネージャーになるまで – ④嘘みたいな本当の話

旅は、細かく書き始めるとこのnoteの趣旨を変わってきてしまうから割愛するが、結果47都道府県全部周り、途中で富士サファリパークを訪れてみたり(ここは興奮を共有する人がいた方が絶対に楽しいので、余り1人で行くべき場所じゃなかったと行ってみて思いました苦笑)、富士山を目指す途中に樹海を目指す自殺志願者と間違われて職質を受けたり、無事到着した富士山を登ってご来光を拝めたり(日本一の景色だと素直に思った

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僕が音楽マネージャーになるまで – ③原チャで、沖縄へ

僕が音楽マネージャーになるまで – ③原チャで、沖縄へ

音楽好きにはこの上なく恵まれた環境であるタワーレコードを辞めた僕は、とりあえず、頭に浮かんだ沖縄に行こうと決めた。

未だ見たことのない美しい沖縄の海を、まずは一度見てみたい。
旅行で観光に行くのではなく、旅をしながら、沖縄の海を目指したい。
ただ、それだけの単純な思いだった。

当時の僕の移動の相棒はビーノという赤い原付だった。
フットワーク軽く、あっちこっちに行けるビーノでの移動が大好きで毎日

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僕が音楽マネージャーになるまで – ②決断に必要なのは、勇気じゃなくて、覚悟。

僕が音楽マネージャーになるまで – ②決断に必要なのは、勇気じゃなくて、覚悟。

「LOVE & FREE」は、著者の高橋歩さんが奥さんと世界を旅する中、自分の素直な感情を、旅先で研ぎ澄ました感覚と言葉で、素敵な写真と共に連ねていった本だ。

シンプルで、純粋で、まっすぐな言葉。
「君の人生、本当にそれでいいの?俺はこんなに人生エンジョイしてるぜ!」と言わんばかりに、自分の気持ちに正直に、一切ブレーキを踏まない歩さんの言葉が突き刺さってくる。

さすが清水さん、当時の僕にベスト

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僕が音楽マネージャーになるまで – ①イントロダクション

僕が音楽マネージャーになるまで – ①イントロダクション

僕にとって、初めての音楽体験は、Mr.Childrenだった。

約20年前、中学1年生だった僕は、地元札幌に来たミスチルのライブに行った。
人生初のライブ体験。

ライブ当日。
未知の世界の体験に胸を躍らせ、会場に着いた。
開演予定時間を少し過ぎた頃、場内照明が突然消え、真っ暗となった。
何が起きたのかを把握する間もなく、次の瞬間、爆音に包まれる。
自宅のミニコンポとは比較にならないような大音量

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