見出し画像

僕が音楽マネージャーになるまで – ①イントロダクション

僕にとって、初めての音楽体験は、Mr.Childrenだった。

約20年前、中学1年生だった僕は、地元札幌に来たミスチルのライブに行った。
人生初のライブ体験。

ライブ当日。
未知の世界の体験に胸を躍らせ、会場に着いた。
開演予定時間を少し過ぎた頃、場内照明が突然消え、真っ暗となった。
何が起きたのかを把握する間もなく、次の瞬間、爆音に包まれる。
自宅のミニコンポとは比較にならないような大音量で音楽が鳴り響く。

みんな一斉に席から立ち上がり、大歓声があがる。
ライブの作法がわからない僕も、少し遅れて立ち上がる。

大歓声を飲み込むように、さらなる大音量の演奏。
体験したことのない高揚感。
頭の中がバグってしまったかのように、目の前の光景を消化仕切れない。

暗い会場の中、ステージ上に光が差す。
かすかな人影がステージに見える。

この瞬間まで遠い世界の出来事だと思っていた存在が、そこにいた。

カセットテープやCDで、大袈裟ではなく、何百回と聴いてきた音楽。
テレビを録画して、ビデオが擦り切れるまで見ていた人たち。
今、同じ空間の中に存在していた。
今、同じ会場の空気で呼吸していた。
全身に鳥肌が立った。
足が震えるほどに興奮していた。

この日、僕の中で何かが爆発した。
13歳の自分にとって、人生を左右する大事件だった。

そして、この音楽体験は自分の人生のレールが、大きく動き出した瞬間でもあった。
ライブの後、音楽が大好きになり、自分の好きな歌手やバンドをどんどん掘り下げていくようになった。
何をしている時よりも、夢中になれて、至福の時間だった。
それ以来、音楽は、僕にとって何よりも大切な存在となった。

誕生日にギターを買ってもらい、自分でも音楽をやるようになり(自分で生み出す才能は全くなかったけれど苦笑)、大学に行くこともなく、音楽系の専門学校へ入学。
卒業後は、TSUTAYAの音楽コーナーでバイトをし、その後、タワーレコードでも勤めた。
毎日音楽に囲まれている生活や、そこで働く音楽好きな人たちとの時間はとても充実した日々だった。

しかし、充実していても、生きていれば、疑問も浮かぶ。

今の暮らしに不満はないけれど、一生こうして生きていくのが本当に自分にとって正解なのかなぁと、悩み始めた。

当時の僕は実家暮らしで、修学旅行以外ほとんど北海道から出たことがなく、世間を、というか世界を全く知らない。

何が正解なんだろう?と悩みながら、悶々とした数ヶ月を過ごしていた。

当時、慕っていたタワーレコードの先輩で清水さんという方がいる。
清水さんは、ちょっと頭のネジが外れた自由人で(良い意味です笑)、沖縄の小浜島で住み込みで働いたりしていた時期もあったり、なんくるないさーの精神じゃないけれど、「やりたいことはやってみたら〜」のテンションで、自由気ままに楽しく生きている人だった。
人生相談をすると、いろいろと気持ちが晴れる先輩だった。

そんな清水さんが悩んでいる僕を見かねて、一冊の本をプレゼントしてくれた。
「もしかしたら人生狂っちゃうかもだけど、良い本だよ〜」と渡してくれたのは、高橋歩さんの「LOVE & FREE」という本だった。

この本との出会いが、僕の人生に大爆風を起こすこととなる。

https://twitter.com/Ryota_Shishido ラストラム→TOKYO FANTASY→RED 主に音楽関係のマネージャー 新しい才能との出会いを求めています。 音源やプロフィールはツイッターのDMかinfo@red.jp.netまでお気軽にお送りください!