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アニさんとのリアル対話パーティ

先日、はじめてのリアル対話パーティを開きました。

会場は、サンクチュアリ出版のイベントルーム。出版社の人から「トークイベントしませんか?」とお声がけをいただいた時、自分がやってきたことはインタビューなので、一人で話すよりも対話の相手がいた方が自分らしい空間になると思い、対話型のイベントにしました。ゲストは、写真家のワタナベアニさん。わたしの尊敬する大好きな人です。

会場を訪れてくれた人と、二度目の「はじめまして」を交わして。一度目はSNSで、そして、二度目がこの場所で。そこに存在することを確かめ合った時間(目と目が合ったほんのわずかな瞬間)は、愛おしいものでした。

アニさんとの対話

品性のこと、教育のこと、人間関係の築き方のこと。

「インフルエンサー」ということばの不思議。影響を与えようとしているのか、周囲からおもしろがられて自然と影響が生まれているのか。そのスタンスの違いに品は現れる。影響を与えようとする心積もりが見えた瞬間、何かが失われる。

それは、有名人と並んで撮った写真でも、旅先の景色でも、レストランの料理でも。わたしたちはポストされたそれらをなんとなく目にしながら、なんとなく欲望を感じ取って、なんとなく欲望をブーストさせたり、嫉妬したり、線を引いたりしている。

そこに品性が現れる。これはSNSでの振る舞いの話でもあり、人間関係の話でもある。フラジャイルな飴細工をキャッチボールするように、アニさんとの対話は進みました。

それらの細やかなニュアンス、語られなかったことばや振る舞いは先生と生徒の間柄では伝えきれず。ある種の、師匠と弟子の関係性でなければその“空気感”までは継承できない。教育の難しさとおもしろさに話は展開してゆきます。

主体性を喚起する教育の在り方。一流の食材と道具を持っていても、それを扱い料理する技術と感性を持ち合わせていなければ、良いモノはつくれない。それは、AIとの付き合い方のメタファーでもあります。踊っているのか、踊らされているのか。つくっているのか、つくらされているのか。癒してるのか、癒されてるのか。

アニさんとの対話は、鬱蒼とした森の中で、焚火を囲みながら語り合う哲学の時間で。こよなく静かで、密度の高い空気がそこにありました。

知性の交換

愛の営みは魂の交換であり、親しく話すことは品性の交換であり、本棚を見せ合うことは知性の交換である。

知性の交換

それから、会場に集まったみなさんに、持ってきた本を交換し合ってもらいました。「知性の交換」と名付けられたその遊びは、コロナ禍で世界に一冊だけの本をつくる、わたしの考えたコミュニケーションで。その歓びを味わっていただきたいと共に、みなさんにも今日という日が特別な一日になることの祈りでもありました。

※ここで紹介した本はほんの一部です。Twitterのリンクを貼っても、反映されないものがいくつかありました(くやしい)。

ちなみに、わたしがアニさんに贈った本はアクセル・ハッケの『ちいさなちいさな王様』。わたしの人生の中で、アニさんのロバートの本ともゆるやかにつながっている大好きな本です。

対話パーティ

アニさんがいて、みなさんがいて、本を交換し合いながら語り合った対話のパーティ。心地良い音楽に浸るような特別な空間でした。

アニさん、みなさん、ありがとうございました。またリアル対話パーティ開きたいです。対話を通して、特別な時間を重ねてゆくことができれば、と。

最後は、コロナ禍からずっとお会いしたかった人にいただいたメッセージカードより。



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