ケータリング04

就活

学生

実は最近学生と接する機会が多いです。きっかけは"著作権の勉強会"から名前を新たに開催してきた"Muisc&Money"という音楽ビジネス勉強会でした。この会を一緒にやってくれています谷口元さん、林達也さんが大学でも教えていることもあって"Muisc&Money"には学生達も参加してくれる事が多いです。"著作権の勉強会"時代から学生は来てくれていましたが、最近特に増えた気がしています。


こういった勉強会を始めてから結構月日が経ったんだなと思う事も増えてきました。知り合った当初は1年生だったコが今年卒業して大手エンタメ会社に入社したり、当時は学生だったけど今は既にレコード会社に入って同じ業界で働いているコが出てきたり、時間が経つ速さに驚くばかりです。
エンタメ業界や音楽業界に入るには色々な手順があると思います。とは言っても僕は入社のための就職活動をした事がないので常識的な就活の順序などにはかなり疎いです。第2新卒なんて言葉もつい最近学生から聞いて知りました。なので正規ルート的な事はあまりアドバイス出来ないのですが、そうではないルート、僕が辿ったルートを少し書かせてもらいます。

僕の就活

僕の場合、Jazztronikの活動(20年前の僕が23歳の時にデビュー)以外にもとにかく音楽を作る仕事に携わりたい気持ちがありました。でも僕がやっていきたいと思っている仕事に関しては入り口なんて全くないんです。音楽を勉強する大学や学校を出たからと言って何かが用意されているわけではないのです。もちろん少ないコネを頼り業界で働く人の話を聞きに行ったりはしましたが。

そんなある日、葉加瀬太郎さんのソロコンサートが都内のライブハウスで行われました。意外と知らない人が多いのですが、太郎さんはソロになる前はKRIYZLER&KOMPANYというバンドをやっていました。僕はそのバンドが大好きでとても影響を受けていたこともあり太郎さんのところでなんとかお手伝いをさせてもらえないかと考えていました。しかし23歳当時の僕にはもちろん太郎さんを紹介してくれる様な知人はいないし、さてどうしたものかなと知恵を絞りました。

デモテープ

そして思いついたのがライブ後にデモテープを渡す事でした。悩んだ割にはとてもスタンダードなアイデアしか浮かばず、でもこれが一番わかりやすいと思ったのです。

問題はどうやって渡すかです。ライブ後楽屋に戻ってしまった太郎さんにテープを渡す術がないわけです。なのでここも知恵を絞りました。しかしこの方法はヒドイです。真似しないでください。ライブも終わりお店もクローズしていく中切羽詰まった僕がとった行動は「レコード会社の関係者です。」とライブハウスのスタッフに偽りの身分を伝えると言う事でした。そして太郎さんを呼んでもらいました。待つ事数分、なんと本当に太郎さんが楽屋から一瞬出てきてくれたのでその際にデモテープを渡したのです。「何かお手伝いさせてもらえる事がありましたらぜひやらせてください!」と言って。

葉加瀬太郎さんとの出会い

翌日、デモテープを渡すという大仕事を終えた僕はそれがゴールだったかの様に満足してしまっていました。ちょうどお昼で池尻にある半分雀荘半分喫茶店みたいなお店でカレーを食べていた時、まだ持ち始めたばかりの携帯が鳴りました。カレーを食べるのを一旦中断し外で電話に出てみたところ
「俺、俺、葉加瀬!」
というものすごくフレンドリーな電話が!
キミ面白そうだから来週からウチ来てくれ、という内容の電話でした。
そして本当に翌週から毎日の様に太郎さんの家に通う事になるのでした。
テープを渡した数日後にはもう僕は太郎さんの家にいたのです。太郎さんはこんな見ず知らずな若者をよく家にあげてくれたなと今でも思います。その懐の大きさを見習いたいです。
そしてその時太郎さんが作っていたのがあの『情熱大陸』のテーマでした。

その後僕は太郎さんの現場で色々な方と知り合うことができそこから音楽の仕事がスタートしていきました。同時にJazztronikも徐々に上向きになっていき、そしてなんとなく今に至る、そんな感じです。就職活動とは少し違うかもしれませんが、自分で飛び込んで行きました。

学生課の様に。。

また冒頭の方の学生の話に戻ります。
ある時このMusic&Moneyで「学生でやる気があって音楽業界の現場を見たい人達はいくらでも連れて行ってあげるから会の終わりに僕に言いに来て。」
と言った事がありました。結構沢山の学生が来てくれまして、それぞれ話を聞いてみると、レコード会社で働きたい、ライブを運営する会社で働きたい、マネージャーになりたい、エンジニアになりたい、アーティスト活動をしたい、など様々でした。こういう学生達には最近僕の現場で実際にバイトをさせてみたり他の現場を紹介したりしています。

ピアノデュオをやっている学生、そして就職は決まっているんだけど本当はマネージャー業に就きたいと言っている学生、そんな相談もつい最近受けました。立ち話とかではなく普通にスタジオに相談に来ています。僕の仕事場が最近学生課の様になっています(笑)。

保護者の様に。。

知り合って2年くらい経つ学生がいるのですが、知り合った当初は漠然とエンジニアになりたいですと言っていました。ライブのエンジニアとスタジオレコーディングのエンジニアなどエンジニアという職業の種類がまだ全くわかっていない様な状態でした。なので学生でも来れる様な現場がある時には見学させていました。そしてつい先日「やっと本当にやりたい事が見つかりました!テレビの画像に音をつける仕事です!」と言うのです。もうここまで来ると半ば親心、その道のプロフェッショナルの知人を紹介しになぜか僕が保護者の様について行くという事もありました。

学生達の判断のきっかけに

こういう学生達に僕が常々言うのはエンタメ業界や音楽業界と言うのはとにかく特殊だよという事です。誰かが何かを教えてくれる事がとても少ない業界なので色々な現場に出て実際に勉強するのが一番だと僕は思っています。
学生の頃の僕自身の経験として、やりたい事を実現するにはこの現状をどうにかしなくてはと思い焦る事が多々ありました。ただ、このどうにかしなくては、の『どうにか』が自分でもよくわからないから困るんです。何をしたら良いのかわからないんです。どこに行ったらきっかけをつかめるのかが中々分かりづらい業界ではないかなと思います。学校で教えてくれる事ではない事が重要だったりするのがこの業界です。悩んでいてもわからない部分は現場に出れば解決するのではないかなと僕は思っています。

学生達が自分達の今後の判断のきっかけになる様な現場を提供していくのは僕にとっては全く苦ではないのでなるべく機会があれば誘う様にしています。先日早速僕のライブでの物販の計算を間違えていましたが(笑)。でも僕も学生から学ぶ事が多いので楽しいです。こないだ11月3日に北千住で開催したイベントではこんな粋なお弁当を食べながら頑張っていました。
この日は学生6人が手伝いに来てくれたおかげで本当に助かりました。
今後は何かこういった学生達と作っていける様なイベントごとをやっても面白いかもと思っています。

今後僕のライブ会場でスタッフとして働いている若者を見かける事も出てくるかもしれませんが、その際は温かい目で見守ってください

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