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処方提案が通らない!?(薬剤師向け)

こんにちは!

本日は真面目系記事でいきます。
その内容は、


処方提案が通らない!?


です。

私のところに来る相談に、
「医師に処方提案が通らないんですが、どうしたらいいですか?」
というものがよくあります。

本日は、この相談にお答えしていきたいと思います。

ではいってみましょう!

はじめに

最初に言っておくことがあります。


『処方提案は通すものではありません!!!!』

『処方提案は通すものではありません!!!!』



ミスタイプじゃないです。
大事なことなので2回言いました。

改めて言いますが、
処方提案は通すものではないのです。



はい、この記事の趣旨終了です。



ありがとうございました!


っておい。
すいません。

でも、実際にそうなんです。



いろんな方から「処方提案が通らない」と相談がありますが、実はその考え方が間違っています。

処方提案は"通すとかどうとか"言うものではないのです。

まず考えないといけないのは、“処方提案”とはそもそもなのなのか?ってことです。

そこから話していきましょう。

処方提案とは

まず、処方提案とは何か?
言葉通りの意味から解説します。

「処方」を「提案」するのが、処方提案です。
そのままです。

具体的な話をすると、薬剤師から医師に対して、処方の内容について提案を述べることです。

事例を用いて説明します。

処方
Rp1)アムロジピン錠5mg 1錠
  分1朝食後
Rp2)ロキソプロフェン錠60mg 3錠
  分3毎食後

こういった処方があったとします。

Rp2)のロキソプロフェンに注目してみます。

ある患者Aさんがかれこれ6か月間ロキソプロフェン錠を服用している。

そもそも飲み始めたのは、家の農作業中に転倒して腰を打ったから。
最初の頃は整形に通って治療もしてたけど、落ち着いてきたので近くの内科で継続して処方をもらい始めた。
2週間に1回の受診で、薬局での指導でもここ2か月間、痛みの訴えはない。

そろそろロキソプロフェン錠いらないんじゃない?

そんなとき、医師に対して
「Aさん、痛みなくなって来てるから、そろそろ処方なくてもよいのではないでしょうか?」
みたいなのが処方提案。

この提案が通れば、医師は処方からロキソプロフェンをなくしてくれるわけです。

ほら、処方提案は通すものやんってなりました?
そう見えなくもない、いやそうですよね。
いやいや、違うんです。

処方提案の意図

細かく説明します。

ここで、
「Aさん、痛みなくなって来てるから、そろそろ処方なくてもよいのではないでしょうか?」
と言っていますが、この意図するところは、

「ロキソプロフェン錠の処方をなくして」

ではないんです。

「痛みはもうないので、ロキソプロフェン錠での治療は終了しても良いのではないか?」
ということを意図してるのです。

「ロキソプロフェン錠を処方するかどうか?」
という議論ではなく、

「痛みの治療を継続するかどうか?」
という議論をしているのです。

Aさんの場合、痛みはもうずっとないので、「痛みの治療を終了できる」となり、ロキソプロフェン錠の処方がなくなったのです。

ここで大事なのは。

処方提案ですることは、
「処方をどうこうしてくれ」ということでなく、
「治療をこのまま継続するかどうか」の「議論」をすることなのです。

決して「ロキソプロフェン錠をなくそー」ではないのです。

つまり、処方提案とは

『この薬物治療を継続するかどうかの“議論の話題提供”』

なのです。
問題提起と言ってもいいのかもしれません。

こう考えれば、「処方提案は通すものでない」ということも理解してもらえるのではないかと思います。

提案であれば、通るか通らないか重要になりますが、
あくまでこれは、“議論の話題提供”です。
重要なのは、話し合うこと。
医師と治療方針について話し合うこと。

かりに、「ロキソプロフェン錠の中止」の提案が通らなかったとしても、
それは、
「疼痛の治療を継続するかどうか議論した結果、今しばらくはまだ服用を続けましょう」となっただけで、何も提案失敗、提案が通らなかったわけでない。
議論をした結果なのです。

それが、“処方提案”なのです。

“提案”という言葉が厄介なのかもしれませんね。

最後に

ぜひ、「処方提案が通らない〜」とお困りの方は、まず考え方をリセットしてみてください。

処方提案は議論の話題提供。

こう考えるだけで、見え方は変わってくると思います!


実際の処方提案の仕方、つまり話題提供の方法は今後の記事でご紹介しようと思います!

またそちらの記事もあげていきますので、よろしくお願いします!


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