東欧旅行記 file④ 「力に屈したら男に生まれた意味がねェだろう」
Hello👍
ブダペストに滞在してから5日目の夜、イヴェトちゃんから突然、
「私の友達の誕生日パーティがあるんだけどよかったら一緒に行かない?」
「行ったとして、俺は何を話せばええんや。」
当たり前だ。誕生日の子も全く知らないアジア人から会っていきなり
「誕生日おめでとう🎉」なんて言われても複雑な気分になるだけだ。
と初めは乗り気ではなかった僕だが、イヴェトちゃんがどうしてもというので行くことにした。
パーティが行われるのはハンガリーのローカルなパブ。
人通りが無さそうな路地裏にあって、観光客など全くいない。全部ハンガリー人だ。
そんな中、連れて来られた一匹のジャポネーゼ。アウェー感ハンパないスタジアムだが、日の丸を背負い、覚悟を決めキックオフ。
細長いテーブルに20人は入りそうなソファーでパーティは行われた。
てっきり、ケーキでも運ばれてみんなでおめでとう!とか言ってやるのかなと思ったが、そんなことはなく、みんな各自で勝手に飲んでいた。
これは誕生日パーティじゃなくてただの飲み会。誕生日の要素一切ない。笑
幸いなことに、みんな英語を喋れたので、ある程度のコミュニケーションは取れたが、
すぐにハンガリー語に切り替え、僕は置いて行かれた。
まるで何しに来たのか、みんながそう思わざるを得ないほど、僕は孤立していた。
この時「最後の晩餐」の絵の中心にいる男は僕の事なんじゃないかと本気で思えた。
そうこうしているうちに、イヴェトの友達のハンガリー人の男が、
「ハンガリーのショットは飲んだことあるかい?」
僕「いや飲んだことないっす。」
男「せっかく来たんなら飲め!こいつを飲まずにはハンガリーを語れねえぜ!」
ショットには悪い思い出しかない、たくさん飲まされ、吐いて、二日酔い。匂いだけでも頭がおかしくなりそうだ。
それに明日はロンドンに帰るために早朝の飛行機に乗らないと行けない
しかし今回は違う、超絶美少女のイヴェトも他のハンガリー人も日本人の飲みっぷりが気になり、注目している。
その時、漫画ワンピースの主人公ルフィの兄エースの名言を思い出した。
「力に屈したら男に生まれた意味がねェだろう」
そうだよな兄貴。
俺はやってやるぜ。
ハンガリー人の男と乾杯し、
(ちなみにハンガリーの文化ではグラスはぶつけない)
ハンガリアンショットを一口で飲み込んだ。想像よりも強く、胃の中がゴムゴムのギガントピストルだった。
僕は酒が強い方ではないが、この時すでにビール一杯、ワイン一杯飲んでいて、酔いは回りやすくなっていた。
その後も、その男とショットバトルは続き、
「楽して酒が飲めるとこがないのはどこの国も一緒だな」
そう名言を残し、僕はブダペストで死んだ。
しばらく経って、時刻は深夜の1時半だったが、“無事に”(帰りの車内で3回吐くかと思った。)イヴェトちゃんの家に帰り着いた。
ブダペストは素晴らしい街だ。
しかし、くれぐれもローカルの男とショットバトルしないように。
東欧旅行 「完」
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