
しゃがみ込み時の違和感に対処する/Vol.3
本記事は2024.2.23-24に香川県にあります、ゲストハウス型のリトリート施設"さぬきリトリート 繋安芯堂"で行われた、《心のストレッチ》本コース合宿の1セッションをまとめたものです。
《心のストレッチ》とは、成長し続けたいと願うトレーナー、セラピストたちが半永久的に成長し続けられる場として2018年に始まりました。
2024年5月現在70名が在籍しているコミュニティになります。
詳しくはこちら。
今回は前回の記事の中で約20分の施術時間でアプローチした結果、残ってしまった「違和感」に対しての筋骨格系以外のアプローチを紹介します。
前回の記事はこちら。
詳しくは上記の記事を読んでいただけたらと思いますが、終了時の状態としては以下の通りでした。
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そして最後にしゃがみ込みを再評価。
骨盤を立てた状態では完全に0になり、骨盤を後傾させた時にほんのわずかに違和感がある、とのことでした。
この違和感は腸腰筋の筋出力の左右差がわずかに残っていることと関係していると推測され、今回アプローチしていなかった仙腸関節や腸腰筋の影響が残っていると考えられます。
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筋骨格系の観点で考えれば腸腰筋や仙腸関節の問題となりますが、臨床的にはそれだけが「痛みや違和感の原因」ではありません。
私は心身相関という観点で痛みや症状を考えるときに、「五行メタファー」も参考にしています。

上記のセッション後に腎経のラインから鎖骨直下の硬さをとるため、鎖骨上方にある組織を評価していくと、胸鎖乳突筋の硬さが取り切れないということが起こりました。
そこで、胸鎖乳突筋を通る経絡である胃経のメタファーを調べてみると、以下のように書いてありました。
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今、何を嚙み砕いていますか?食物ですか?感情ですか?考え方ですか?
「飲み込みにくいもの」はありませんか?それは何ですか?
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そこで今回の被検者に上記の問いをそのまま伝えました。
すると、
「最近行った勉強会の内容が難解で噛み砕けていなかったかも」
と言っていました。
心身相関の観点では、本人が自覚していなかったり押し殺していた想いが身体症状として硬さや痛みになって現れると考えられています。
そこで、今回のメタファーから、
「噛み砕けていなかったこと」を口に出して言ってもらうことにしました。
「私は〇〇の勉強会の内容を噛み砕けていませんでした」
と3回言ってもらい、しゃがみこみをしてもらうと
・・・。
骨盤を後傾したときの違和感も完全になくなりました。
文章だけを読んでいると
心身相関に馴染みがない方にとっては
本当に!?
と思う事象かもしれません。
しかし、徹底的に症状ゼロを目指して走り続けてきたこの20年間。
心身相関を探求し始めてからも10年間くらいでしょうか。
このように、過去の消化不良な事象や固定された観念が身体の不調の要因になっているという事例を数えきれないくらい目の当たりにしてきました。
このように、痛みや違和感と言った症状を完全に0にするためには、筋骨格系だけのアプローチでは不十分なことがあります。
つまり、身体にとってはその押し殺した想いに気付いてもらうためにその症状が必要なのです。
だから違和感として残り、翌日になると戻ってしまう。
だとすれば、これまでのVol.1やVol.2でお伝えしてきたような筋骨格系の問題は丁寧に整理しアプローチすることを大前提にした上で、メタファーなど抽象的な領域の問題についても考察の幅を広げていけるようにする必要があると考えています。
実際にスポーツ現場では、ほぼ0でも違和感がパフォーマンスに影響することは少なくないですし、そのときの引き出しは多いに越したことはありません。
これまであまりメタファーや心身相関について考えたことがなかった、という方はぜひ一度この分野に学びも深めてみてください。
3回に分けて書いてきた、「しゃがみ込み時の違和感」は一旦今回で終了としたいと思います。
また次回からは別の《心のストレッチ》セッションの様子を共有していけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
以下告知
《心のストレッチ》では、このように参加者に合わせて具体的に課題を解決しにいきます。
また、顕在的に課題を認識できていなくても他の参加者とともにセッションをすることで「気づいていなかった」課題にも出会えます。
ご参加希望の方は入門合宿に参加していただく必要がありますので、こちらの公式ラインにご登録の上、お名前と「入門合宿希望」とメッセージをお送りください。
また入門合宿にご興味がある方を対象に、オンライン説明会も開催しております。
説明会の日時はまだ未定ですが、希望者に合わせての開催も可能です。
痛みや不調に向き合うセラピストやスポーツトレーナーにとって、不調を解決する一助になれるように引き続き歩み進めていきます。
是非ご興味がある方は、共に学び、自己に向き合い、深め高みを目指し歩み進めていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。