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今日の1曲 ショパン マズルカOp68-4

今日の1曲はショパン(1810~1849)マズルカヘ短調Op68-4です。


フレデリック・フランソワ・ショパン(Frédéric François Chopin)

ショパンの絶筆とされている作品で死の年である1849年に作曲されました。作曲とはいってもスケッチの段階であったので、ところどころ判別がしにくいところもあり、トリオの部分は特に解読不能であったので、昔は省略されていました。現在ではトリオの部分も復元されています。

Op68-4の自筆譜

最後の作品がショパンの祖国ポーランドの舞曲マズルカであるのも、何かの因縁だったのでしょうか。ヘ短調で書かれていますが、半音階進行を多用しており調性がぼかされています。いきなりイ長調に転調したりもしていますが、自然な流れで転調されています。メロディからは諦め、ため息に感じられるようなどこか哀愁が漂うもので、自分の死期を悟っていたのか、音楽を使った辞世の句のような雰囲気があります。

ショパンは未出版の作品はすべて破棄するようにと友人たちに伝えたとされていますが、友人たちはこれに背き生前に出版されなかった作品を遺作として発表していきました。Op66幻想即興曲以降の作品はショパンの死後に出版された遺作です。ショパンの意向を無視する形とはなりましたが、この行いはとても評価されるものだと思います。

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