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初心者のための作曲家紹介シリーズ No.5 シューベルト

F・シューベルト(1797~1828)。31年の短い生涯の中で、歌曲をはじめとしてたくさんの名作を遺したロマン派初期の作曲家。そんな彼の作品の一部をご紹介します。

交響曲編


交響曲第7(8)番ロ短調D759

シューベルトの代表作の一つ。交響曲は基本的に全4楽章で構成されていますが、この作品は第2楽章までしか完成されていない未完成作品です。『未完成』の愛称で呼ばれることもあります。第3楽章は一部のオーケストラスコアとピアノスケッチしか遺っていません。第4楽章においては見つかっておらず、『ロザムンデ』の間奏曲が第4楽章だったのではないかといまだに議論が続いています。
第1楽章0:00~
第2楽章13:52~

で構成されています。

交響曲第8(9)番ハ長調D944

シューベルトの完成した最後の交響曲。生前には初演されず、シューマン(1810~1856)がシューベルトの自宅に訪れた際にこの作品を発見し、兄フェルディナントの許可を得てメンデルスゾーン(1809~1847)の指揮で初演されました。演奏に約50分かかる大作で『ザ・グレート』の愛称がつけられています。これは彼の交響曲第6番D589が同じハ長調であり、小規模であることから由来されています。
第1楽章0:00~
第2楽章16:42~
第3楽章32:08~
第4楽章46:08~

で構成されています。

ピアノ作品編


最晩年三大ピアノソナタ

ピアノソナタ第19番ハ短調D958
ピアノソナタ第20番イ長調D959
ピアノソナタ第21番変ロ長調D960

シューベルトが死の約2ヵ月前に作られたピアノソナタ。シューベルトは21作ピアノソナタを遺しているが、中には未完成のものも多いです。どの作品も内容的に充実しており、最晩年の傑作として評価されている。
D958
第1楽章0:00~
第2楽章7:57~
第3楽章16:40~
第4楽章20:15~
D959
第1楽章0:00~
第2楽章12:22~
第3楽章20:25~
第4楽章25:55~
D960
第1楽章0:00~
第2楽章15:00~
第3楽章24:30~
第4楽章28:47~
で構成されています。

4つの即興曲より第2番変ト長調D899-2

シューベルトは即興曲を何曲か遺しているが、その中でこの作品は演奏頻度が高い。構成よりも旋律に重きを置いている作品です。

楽興の時第3番へ短調D780-3

『楽興の時』はピアノ曲集であり全6曲から成る。特にこの第3番が名高い。

幻想曲ハ長調D760『さすらい人』

『さすらい人幻想曲』の名で知られている作品。シューベルト自身はこの作品を満足に演奏できず、「こんな曲は悪魔にでも弾かせてしまえ」と逆ギレしたエピソードがあります。第2楽章が自身の歌曲『さすらい人』D493の主題に基づく変奏曲なので、この愛称がついています。演奏はアルペジオ(分散和音)が多く演奏難易度は高めです。

第1楽章0:00~
第2楽章6:21~
第3楽章13:27~
第4楽章18:33~
で構成されています。

幻想曲へ短調D940

この作品はシューベルト死の年1828年に書かれた曲で連弾用の作品です。連弾用の作品では最高峰に位置する作品だと思っています。単1楽章の作品ですが、4つの部分に分かれています。

室内楽編


弦楽四重奏曲第14番ニ短調D810

『死と乙女』という愛称がついています。第2楽章が自作の歌曲『死と乙女』D531のピアノ伴奏部分を主題としていることが由来です。全ての楽章が短調でかかれておりシューベルトの作品の中では特に重い雰囲気を持つ作品です。
第1楽章0:00~
第2楽章11:09~
第3楽章25:21~
第4楽章29:20~
で構成されています。

ピアノ五重奏曲イ長調D667

シューベルト唯一のピアノ五重奏曲。第4楽章が自身の歌曲『鱒(ます)』D550の主題による変奏曲であることから、『鱒』の愛称で知られています。ピアノ五重奏曲はピアノと弦楽四重奏(ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ)が基本編成ですが、この作品はピアノとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの編成で書かれています。
第1楽章0:08~
第2楽章12:50~
第3楽章19:34~
第4楽章24:00~
第5楽章31:34~
で構成されています。

歌曲編

魔王D328

シューベルトの作品の中で最初に出版された作品。文豪ゲーテ(1749~1832)の詩に曲がつけられました。日本では音楽の授業で鑑賞した方も多いのではないでしょうか?ピアノはオクターヴの同音連打の連続で演奏は至難。

野ばらD257

こちらもゲーテによる詩を基に作られた作品。初期の傑作。

子守歌D498

世界的に有名な子守歌のひとつ。

エレンの歌第3番D839

通称『アヴェ・マリア』で知られている作品。有名な旋律は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

セレナードD957-4

遺作の歌曲をまとめた『白鳥の歌』という作品集の1曲。器楽編曲もなされるほど、この作品集では有名な作品。

以上になります。いかがでしたでしょうか?
これを機にシューベルトの魅力に触れていただければ幸いです。

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