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形体変換と低音位変換ができる時、できない時 一歩進んだ和声学 Part 39

今回は内部変換において形体変換ができる場合とできない場合を紹介していきます。


1 V諸和音の形体変換 

V諸和音に関してはV7の和音(根音省略形含む)→Vの和音という形体変換は第7音の置き換えがされないのでNGです。

上記の例以外は形体変換が可能ですが、詳しくは後述します。

2 K3(カデンツ)におけるIV諸和音の形体変換

カデンツ第3型T→S→TにおけるIV諸和音の形体変換は
IVの和音→IV∔6の和音
IVの和音→IV∔64の和音
IV∔6の和音→IV∔64の和音

のいずれかが可能です。

3 その他の形体変換

その他の和音に関しては形体変換ができません。
3和音→7の和音に形体変換すると第7音の予備がされないですし、
7の和音→3和音に形体変換すると第7音の置き換えがされないのでNGとなります。

4 低音位変換

3和音に関しては低音位変換は基本形と第1転回形の間で行われます。

第2転回形は低音位変換としては認められません。

V諸和音に関しては
V7またはV9の和音(第3転回形)→V7またはV9の和音の低音位変換以外はすべて許容されます。第7音が2度上行して根音に向かうことは内部変換においてはNGとなるからです。

ただし最終低音位が第2転回形になることは避けるべきです。

II7の和音に関してはII7の和音→II7の和音第1転回形の低音位変換が最も多く使用されます。他はあまり使用されません。
第3転回形を含むものに関しては、変換点で第7音の予備ができなくなるので不可能です。

5 終わりに

次回も内部変換の続きを紹介していきます。

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