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#2 ジョン・レノン最新ベスト盤発売記念!ベスト盤についての考察あれこれ

「レッツ!ビートルズ on note」では、ポッドキャスト版「レッツ!ビートルズ」のトーク内容をギュギュッと縮めた編集版でお伝えします。完全版はぜひ、PodCastを聞いてみてくださいね。

こんにちは。執筆役はライターの大塚です。今回は嬉野温泉旅館大村屋にて収録しました。

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じつは事件なジョンの最新ベスト盤「Gimme Some Truth」

北川:第2回目ですね。レッツ!ビートルズ on PodCast。

大塚:2回目来ましたね。

北川:今回のテーマは、10月9日、ジョンの誕生日に発売された「Gimme Some Truth」という新しいベスト盤が出たので、ベスト盤の話をしたいなあと思ったんですけれども。ぼくはまだ全部聴いてないんですけど、聴かれました?

大塚:ぼくもサブスクでちょっと聴きましたけど……まあ、事件ですよこれは。

北川:事件でした?

大塚:これは事件ですね。

北川:昨日ね、何曲か聴きましたけど、けっこう印象は違ってましたね。

大塚:かなり大胆なことをしれっ……とされてる感じですね。

北川:今回はヨーコに加えて、ジョンの息子のショーン・レノンがプロデューサーに加わったというのが、特徴ですかね。そこが今までのリミックスと違うところですね。

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ショーン・レノン(Wikipediaより)

北川:昨日、何曲か聴いた感じ、なんか今っぽい音って感じで。ボーカルがパキッと表に出て。ギターのガシャガシャ感が薄まっているというか。

大塚:曲によってけっこう変わってるものと「どうなんだろうか」とざわつく感じの仕上がりのものがあって。ベスト盤通して一貫したコンセプトはありそうなんですけど……、ジョンの曲は一貫しているわけではないので。

北川:そうですね。

大塚:けっこう印象変わる曲があるな、と。

「Steel and Glass」のブラスどこに行ったの問題

北川:大塚さん的には、どの曲がいちばん印象が変わりました?

大塚:「Steel and Glass」ですね。

大塚:この曲、そんなに思い入れなかったんですけど。笑 正直なところ。でもまあ、入っているので「こういう曲が入るんだ」と思って聞いてみたら、「あれ、こんな曲だったかな?」と思って。改めて、やっぱり原盤のものを聞いて、「やっぱり違うよなあ?」と。

北川:そうですね。実は昨晩、二人で聴き比べをしまして。今回のベスト盤と原盤(Walls And Bridges)のLPで比べたんですけど、たしかに全然違いますね。ブラスの音が存在感なくしてるって感じなんですかね。

1:18くらいから入るブラスの音に注目

大塚:そうなんですよ。もう、あれは消しているのか……笑 ぼくが一番の違和感はブラスの記憶だったのかなと。ブラスがないので「なんか静かだな」っていう。

1:18くらいから入ってたブラスの音が聞こえない

大塚:でも、それはそれで、ボーカルが際立って「Steel and Glassのジョンのボーカルって、こんなにエモーショナルな感じだったんだ」と。渋くかっこよく仕上がってはいたんですよ。

北川:声が生々しいというか。近くで歌ってくれているような。息遣いがけっこう聴こえるリミックスでしたね。

「真夜中を突っ走れ」が突っ走ってないよ問題

北川:ぼくが気になったのは「真夜中を突っ走れ」(Whatever Gets You Thru The Night)。

大塚:はいはい。

北川:これが……突っ走ってなかったですね。

大塚:あはははは。笑

発表当時のMVですが音は今回のリミックスです

北川:オリジナルはけっこうギターのカッティングとか、疾走感というか、ガシャガシャ感が、けっこう印象としてあるんですけど。今回のリミックスでは、ギターのカッティングがちょっと弱くなってたりとか、ボーカルメインで落ち着いた印象ですね。早歩きぐらい。

オリジナルはかなりにぎやかな印象

大塚:オリジナルが「暴走族」だとしたら、今回はなんか「セグウェイで一人で走ってる」感じ。

北川:あー、そうですね。現代的な。

大塚:静かで、スーッと行ってる感じ。


このリミックス、アリなの?

北川:このリミックス。オールドファンが「良し」ととらえるかどうか。口コミを見る限り、賛否めちゃくちゃ分かれているっていう感じです。

大塚:これ、Disc2から聴いた人はだいぶびっくりするんじゃないですかね。

▼Disc2の曲目

1. Whatever Gets You Thru The Night (w Elton John)
2. Bless You
3. #9 Dream
4. Steel And Glass
5. Stand By Me
6. Angel Baby
7. (Just Like) Starting Over
8. I’m Losing You
9. Beautiful Boy (Darling Boy)
10. Watching the Wheels
11. Woman
12. Dear Yoko
13. Every Man Has A Woman Who Loves Him
14. Nobody Told Me
15.  I’m Stepping Out
16. Grow Old with Me
17. Give Peace a Chance
18. Happy Xmas (War Is Over)

北川:そうかそうか。Disc1はどちらかというと、けっこうシンプルな作りの曲が多いので。そんなに違和感なかったし、逆にイイ感じになってる。

▼Disc1の曲目

1. Instant Karma! (We All Shine On)
2. Cold Turkey
3. Working Class Hero
4. Isolation
5. Love
6. God
7. Power To The People
8. Imagine
9. Jealous Guy
10. Gimme Some Truth
11. Oh My Love
12. How Do You Sleep?
13. Oh Yoko!
14. Angela
15. Come Together (live)
16. Mind Games
17. Out The Blue
18. I Know (I Know)

大塚:「God」とか「Love」とか「Jealous Guy」とか、イイ感じに決まりそうな気がするんですけど。

北川:そうですね。「心の壁、愛の橋」(Walls and Bridges)あたりからですかね。

大塚:そうですね。そのへんから、印象がかなり変わってきますね。


この選曲、アリなの?

北川:あと気になったのが、選曲ですよ。まず「Instant Karma!」「Cold Turkey」「Working Class Hero」……。ぐらいまではわかりますよね。「Isoration」……もまあ、デラックス版なら入れるかな、と。

大塚:うんうん。

北川:「Love」「God」「Power To The People」……あれ?「Mother」がないぞと。

大塚:そうなんですよね。

北川:「Mother」は入れてもいいんじゃない?と思うんですよね。そのあと、「Jealous Guy」「Gimme Some Truth」これはタイトル曲。「Oh My Love」。まあまあまあ。「How Do You Sleep?」。

北川&大塚:んんんんんー……?

北川:……まあ、エピソード的にはいろいろあるから。

大塚:面白いかな。

北川:「Oh! Yoko」もまあ、そうだろうなぁ。で、「Angela」。

大塚:ふふふふふ。笑

北川:まあまあのファンでも「Angelaって曲、あったかな?」と思っちゃうくらいの存在感の曲で。

大塚:そうですね。

北川:これは「Sometime In New York City」の収録曲ですけども、目立ってなかっただけで、意外とイイ曲。

大塚:そうでした。「コレ、何だったったけな」と思って聞いて、「あぁアレか。」と。で、ちゃんと聞いてみると、面白いし、かっこいいなあと。

北川:アレンジもかっこいいし。「Something」みたいな、疾走感のあるBメロが「かっこいいじゃん!」と。

(参考)Something

北川:まあ、でも「ベスト盤に入れるか?」と言われると、「Sometime In New York Cityのリミックスまで待てばいいんじゃない?」とちょっと思っちゃうんですね。「Angela」入れるなら「Mother」入れろよ、と。

大塚:そりゃそうですね。笑

北川:次、「Come Together(Live)」。まあ、これもあのライブ盤から一曲は入れるのかと納得。「Mind Games」うん、わかる。「Out The Blue」。

北川&大塚:うーん……。

北川:「I Know」。まあ、「Aisumasen」じゃなかっただけよかったかなと。

大塚:このラインナップだと、入りそうですけどね。笑

北川:入らなくて違和感、というのは「Mother」くらいですかね。

大塚:そうですね。新しく加わってきたな、という感じはありますけど、ないのはっていうのは「Mother」くらい。

北川:「Mother」はショーンとヨーコの今のマインドじゃなかったんですかね。

大塚:そうですね。ちょっと暗すぎるからなのか……。何なのか。

北川:暗すぎるというとね、「Isoration」とかもね。

大塚:そうですね。「Isoration」も「God」も入れるんだったら、「Mother」もって。

北川:思いますよね。たしかに。

「Isoration」は今年のジョンの誕生日にショーンが演奏していた

北川:で、まあDisc2ですよ。「真夜中を突っ走れ」まあこれはね、1位になったから。「Bless You」。

大塚:うーん……。

北川:入れます?

大塚:ま、まあ……。まあ、許そうかな……。

北川:で、次が「夢の夢」。これは入れるでしょうね。

大塚:定番ですね。

北川:で、先ほど言及した「Steel and Glass」。まあ……。

大塚:うーん……。

北川:入れないかな……。

大塚:そうですね。笑

北川:で、「Stand By Me」。これは入れますよね。そして……。

北川&大塚:「Angel Baby」。笑

北川:これは「Rock 'N Roll」からなんですけど。

大塚:「Rock 'N Roll」からコレなんですね、もう1曲が。

北川:あのアルバムだと、何でしょうね。「Angel Baby」ではなさそうですね。「Be-Bop-A-Lula」とか?

大塚:あ、ぼくはそれ好きですね。

北川:ポールとの思い出の曲でもあるので、「Angel Baby」じゃなくて、こっちじゃないかなぁ……。まあ、曲の流れを考えてのことだとは、思うんですけどね。

大塚:うんうん。

北川:で、次が「Starting Over」「I'm Losing You」「Beautiful Boy」「Watching The Wheels」「Woman」「Dear Yoko」で、次ですよ。39曲目。

大塚:いやー、やってくれましたね、コレね。

北川:「男は誰もが」ですよ。

そもそもヨーコ作曲(なんでジョン歌ってたん?)

大塚:ブチ込みましたね……。

北川:これはね。これは問題ですよ。

大塚:これはやってくれましたね。主張してきましたね……。

北川:やってくれちゃったよね、ヨーコ。入れます?

大塚:いや、これもうヨーコが絡んでないアルバムで入っていたとしたら、それはもう怒りますよ。ヨーコが絡んでいるなら「アッ!もうしょうがないね!」って感じですけど。

北川:ヨーコの押しの強さ。

大塚:強いですね~……。そもそも、ヨーコがつくった曲ですからね。オリジナルの「Double Fantasy」では、ヨーコが歌唱ですよね。

大塚:で「Milk And Honey」になんかジョンが歌ったやつが入っている。という印象でした。

北川:まあともかく。これはですね、入れないです。

大塚:そうですね。笑


このベスト盤、アリなの?

北川:どうですか。「Gimme Some Truth」は。

大塚:この「感じ」でほかのアルバムもリミックスをするようになってくると、ちょっと心配ですね。これでやっていかれるのは……。はまるやつはあると思うんですけど。

北川:保守派のファンが怒りそうですね……。

大塚:普通リマスタリングやリミックスって、聴こえなかった音が聴こえるようになるっていう体験が普通だったと思うんですよね。

北川:そうですね。「あ!こんな音入ってたんだ!」っていう。

大塚:やっぱりこの「Steel and Glass」みたいな感じで、聴こえていたものが聴こえなくなることはなかったと思うんです。

北川:すべての音がきれいに聴こえるようにしたり、バランスよく整えられるような印象が強かったですね。

大塚:でも、聴こえなくなっちゃってるから、これはもう曲に手を入れてるというか……。聖域に手を付けたみたいなところがあると思うんですよね。

北川:もはやリアレンジですね。まあ、手を付けていい唯一の二人がやっているから、あまりこう、言えないところも。

大塚:そうなんですよね。だからこういう作品もあるんだっていう、こういうとらえ方もあるねって感じで楽しめはするんです。でも、この感じでグイグイアルバムもリミックスされると。

北川:逆にビートルズマニアで戦争起きるんじゃない?っていう。「War is Over」って言ってるのに。

大塚:たしかに。笑 これはちょっと、みなさん聴いてほしいですね。Spotifyとかでも実感できる違いなので。


青版の選曲も「男は誰もが」的な選曲がある?

北川:ぼくはビートルズのベスト盤「青盤」にも、「男は誰もが」的な選曲があると思っていて。

大塚:ありましたかね?(すっとぼけ)

北川:あるじゃないですか。笑 まあ、青盤のDisc2ですよ。「Back In the U.S.S.R.」「While My Guitar Gently Weeps」「Ob-La-Di, Ob-La-Da」「Get Back」「Don't Let Me Down」「The Ballad of John And Yoko」で、次。

大塚:はい……。笑

北川:「Old Blown Shoe」ですよ。

大塚:それは……。笑

青盤は主にジョージ・ハリスンが選曲している

大塚:ジョージ、聴いてほしかったのかな……。笑

北川:「Old Blown Shoe」を青盤に入れたジョージの気持ちと、「男は誰もが」をジョンのベストに入れたヨーコの気持ちは似てるんじゃないのかと。

大塚:あははは。笑 まあね……。「Old Blown Shoe」。いい曲ですけども。

北川:政治の世界でいう「忖度」ですよね。

大塚:そうですね、やっぱりね、感じちゃいますよね。あの曲目の中で「Old Blown Shoe」と言われるとね、「オッ」とね、やっぱり思っちゃいますね。

北川:もっと入れるべきもの、たくさんありますよね。赤版青盤はジョージが選曲しているので、ジョージ色がとくに青盤に出てるんですね。


「Pure McCartney」も突っ込もう

北川:続きまして、ポールの最新ベスト盤「Pure McCartney」の話もしようかなと。これは2016年。

大塚:ああ、もう4年も前ですか。

CMのラストが「Great Day」

北川:これもまあ、個性的な選曲ですよね。

大塚:この選曲は考えさせられましたね……。

北川:これ突然出てきた感ありますよね。「あっ、今ベスト盤出すんだ」みたいな。

大塚:なんでしょうね。ずっとライブ続けていたんで「新しいファンが増えているんじゃないか」というか。

北川:なるほどね。ポール得意の「ステキな勘違い」。

大塚:あははは。笑 たぶん、若いファンが親と一緒に来てる、みたいなのをポールも感じてて。ベスト盤をつくった方がいいんじゃないかなっていうことかな、と当時思ってました。

北川:で、今目の前にあるのは「Pure McCartney」のデラックス版の方ですね。4枚組になってまして。「Maybe I'm Amazed」大名曲。この曲から始まるの、いいですよね。で、「Heart Of The Country」。

大塚:うーん。笑

北川:2曲目かなあ……。で「Jet」まあそうですよね。「Warm and Beautiful」。このへんから、時代はぐちゃぐちゃなんだと。

大塚:わかってきますよね。

北川:「Listen To What The Man Said」これはわかる。「Dear Boy」うん、まあいい曲。ぼくも好きですよ。「Silly Love Song」そりゃそうだよと。で、8曲目「The Song We Were Singing」。

大塚:これ、曲名だけ聴くと「何だったっけ」って思いますよね。「Flaming Pie」の1曲目ですね。

大塚:いい曲ですよね。

北川:まあ、もちろんいい曲なんですけど……。「アルバムのいい曲」ですよね。これ、デラックスエディションじゃなくても、入ってましたもんね。

大塚:そうでしたね、これは。

北川:「聴かせたい」というのがあるのかもしれないですね。で、次が「Uncle Albert / Admiral Halsey」で次が「Early Days」。

北川:「Early Days」は入れないな~……。まあ、PVもつくったから……、入れたかったんでしょうね。

大塚:いい曲ではありますけどね……。

北川:で「Big Barn Bed」

大塚:だんだんベスト盤っぽくなくなってきますね。


「Pure McCartney」選曲の謎

北川:「Another Day」「Flaming Pie」「Jenny Wren」……。まあ、いい曲です。「Too Many People」「Let Me Roll It」「NEW」。

大塚:これ、流して聴くとどんな感じなんでしょうね。笑 あまり流して聴いたことないかも。

北川:ベスト盤というよりは、プレイリスト的な感覚なのかもしれないですね。これは一応発表では、ポールの事務所のMPLの女性スタッフがドライブ用に選曲したという話ですね。

参考の記事

大塚:何とも言えない話ですよね……。ホントなのか!?っていう。信じたいですけど。そういうことって、あるんですかね。けっこう大事なベスト盤の選曲を……。で、そのスタッフが「ドライブに~」って選ぶ曲がホントに「コレか?」って。

北川:ライナーノーツにポールのコメントがあって。ちょっとこれを読んでみましょう。

僕と僕のチームがこのベスト・アルバムを選曲するにあたって考えたのは、ただただ楽しんで聴けるものにしよう、ということだけだった。たとえば、長旅の車中、自宅でくつろぎたい晩、または友人とのパーティーなんかでね。

大塚:パ、パーティー……。

北川:ということは、ディスクごとに何かテーマがあるんじゃないかと。パーティーっぽいのどれしょうね。

大塚:パーティーっぽいディスク……。そうですねぇ……。笑

北川:Disc4は「Coming Up」から始まるんで、ちょっとパーティーっぽいですね。

大塚:そうですね。

北川:でも次に「Too Much Rain」がきちゃう。

どんなパーティー

大塚:Disc3も「Say Say Say」から始まっていいかなと思ったんですけど、次は「My Valentine」だし……。

北川:Disc2も「Live and Let Die」で始まって、次は「English Tea」。

北川:2曲目がわりと地味。全部いい曲なんですけど。ポールのコメントを信じるなら、ちょっと「おやっ」となっちゃう。

大塚:パーティーには、どれがいいんだろう……。

北川:ポールはさらに言ってます。

次に僕が車で長旅に出るときには、このアルバムを旅のサウンドトラックにしようと決めているし、ここに収められた曲たちと一緒だと、きっと素敵な旅になることだろう。君も、愛車に飛び乗って、または風呂でリラックスしながら、このアルバムをかけてみてほしい。僕らがこのコレクションを編むにあたって感じた喜びが半分でも君に伝わるのなら、僕らは大満足さ!

北川:つまり、半分伝わりゃイイと思ってるんで。

大塚:あはははは。笑

北川:全部伝える気はない!

大塚:半分は伝わったかなぁ。笑


「Pure McCartney」に入ってて驚いた曲

北川:ぼくがこの中で「絶対入れないな」ってやつは「Don't Let It Bring You Down」ですね。

大塚:「London Town」からそれいくのかっていう。

北川:大塚さんが「これ、俺だったら入れないな」っていうのはどれですか?

大塚:いろいろあるんですけど、「We All Stand Together」はちょっとびっくりしました。

※つい先日、またリマスタが配信リリースされた

大塚:あとはやっぱり「Appreciate」。笑

北川:曲の並びがね。「Band On The Run」の後の「Appreciate」。

大塚:まさかね、ベスト盤に入ってくるとは思わなかったですよね。

北川:「アプリシエイト君」も思ってないですよ。

大塚:あの、ロボットの彼ね。

2014年の来日時になぜか一緒に現れた「アプリシエイト君(仮称)」

大塚:「Appreciate」「NEW」「Queenie Eye」。

北川:うん、まあ。「Queenie Eye」は入れるかな……。まあ、いい曲ですよ。ノリが良くて。最近のライブでも頑なにやってますよね。

大塚:なんかやっぱり「新しい曲を聴いてほしい感」をすごく感じるし、これが今のポールの頭の中なのかなって感じはちょっとします。ライブでよくやっている曲を選んでいますね。あと「Flaming Pie」の曲がやたらと多いのが気になります。

【アルバム「Flaming Pie」から選ばれた楽曲】
The Song We Were Singing
Flaming Pie
Caliko Skies
The World Tonight
Souvenir
Beautiful Night
Little Willow
Great Day

なんと「Flaming Pie」収録14曲中8曲選出

大塚:ポールはFlaming Pieが、相当好きなんだと思います。


「Pure McCartney」でスルーされたアルバムたち

北川:「Off The Ground」からは「Winedark Open Sea」だけですよ!

大塚:「Off The Ground」良い曲いっぱいありますけどね。

北川:表題曲の「Off The Ground」入れろよって、思うんですけど。

大塚:あと「Hope Of Deliverance」とか。

北川:ホントだ、入ってない!あれシングルでしたよね。

北川:あと「Press To Play」の曲が少ないですね。デラックスエディションには2曲入ってますが、普通のエディションだと0曲。

大塚:ああ、たしかに。

北川:「Press To Play」は今っぽいと思いますけどね。80年代のシティポップが盛り上がっている今こそ、ちょうどいいんじゃないかと思います。


「Pure McCartney」に1曲も入らなかった「Driving Rain」

大塚:あと、入らなかったアルバムといえば「Driving Rain」ですね。

北川:あっ。そういえば「Driving Rain」は……、ない。「Driving Rain」といえば、大塚さんが初めて買ったポールのオリジナルアルバムでしたね。

大塚:思い入れがあるアルバムですよ。

北川:大塚さんが「レッツ!ビートルズ on Radio」に出演されたときも「Your Loving Flame」を流して。

大塚:そうですよ!

北川:オールタイムなのに、入ってない!

大塚:直前の「Flaming Pie」はこんなに入れてるのに。

北川:「Heather」?

大塚:いやいや!!笑 

北川:「My Valentine」前後に「Heather」を……。

大塚:入れないですよ。笑

北川:入ってたら「もう吹っ切れたのかな?」って思っちゃいますね。

大塚:やっぱ、入っていないのを見ると「あ、まだ突っ込んじゃダメなのかな?」って気がしますよね。

北川:前妻ヘザーとの思い出が強いアルバムなんでしょうね。「Driving Rain」は。

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ポールの前妻・ヘザーさん(Wikipediaより)

大塚:良い曲もあるので、1曲は選んでほしかったですね。その1曲が知りたかった。それで、ポールが「Driving Rain」をどう捉えているかがわかるヒントになるんですけど、こうやって1曲も入れないと何もわからない。

北川:たしかに。笑

大塚:「ポールはDriving Rainから何を選ぶんだろう?」という面白いテーマが、「Appreciate」とかで消えちゃってるんですよ。

北川:「Driving Rain」の楽曲は、ポールが選ばないと、スタッフは選べないですよね。スタッフとポールが一緒に選んだって書いてるじゃないですか。でも、スタッフはやっぱり気にするわけですよ。「ヘザー期には触れていいのかな……?」って。

大塚:たしかに、これでポールへの忖度なしに「Driving Rain」の曲が「イイ曲はイイ!」って感じでポンポン入ってたら「スタッフが選んだんだな」って、生々しさが出てきますね。

北川:さすがに「Heather」はないにしても、「From A Lover To Friend」とか表題曲の「Driving Rain」とかは入れたいですよね。

大塚:なんかそういう「忖度」を感じるベスト盤ってありますよね。その期間だけ、別のギタリストが入ってるとか、別のボーカリストが入ってて。その期間だけ外されちゃうっていう。

北川:曲に罪はないんですけどね。

大塚:豪華なブックレットを開いても、その時期の写真が1枚もなかったりして。なんとなくモヤッとするというね。

「Pure McCartney」というタイトルはずるい

北川:まあね、これが先ほどのポールのコメントのようなコンセプトのアルバムだったらわかるんですよ。でもね「オールタイムベスト」って副タイトルにしっかり書いてある。

大塚:「オールタイム」か……。まあ、でもポール・マッカートニーが「Pure McCartney」って言っちゃってるわけですから……。これが「Pure」なんだったらもう……。

北川:僕らはついていくしかないですよ。

大塚:ぼくは「Pure McCartney」ではないので。何を言ったって、「Pure」ではないので。ピュアでもないし、マッカートニーでもないしね……。

北川:まあ、でもこうやって「Driving Rain」がなかったりするのが、ある意味「Pure McCartney」っていうね。

大塚:たしかに。笑

北川:ジョンの「Gimme Some Truth」は今やっぱりフェイクニュースとかいろんな問題がある中で、「Gimme Some Truth」をタイトルにするっていうのはね、やはりメッセージ性がありますよ。最後は「Happy Xmas」「Give Peace A Chance」で終わってますしね。

大塚:そうですね。メッセージ性ありますね。

北川:ポールのベスト盤からはまっっったく感じない!時代性が全くない。

大塚:たしかに。笑

北川:それはそれでいいんですよ!「Pure McCartney」なんですよ。

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……などなど。今回もかなり深く話し込んでしまいました。ジョンの「Gimme Some Truth」とポールの「Pure McCartney」。それぞれ攻めたベスト盤になっているので、せひ聴いてみてください。

それでは、See You Next Time!!

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