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その昔、ぼくは「完全犯罪」を計画していた。

今月最後の滞在先にやって来た。石川県金沢市だ。今日から8泊したのち、一時的に熱海へ戻る。その後は2週間ほど熱海に滞在して、またしばしのアドレスホッピング期間が続く予定になるだろう。

今日は、新潟市から約3時間半の移動をした。宿にチェックインしたあとは夕方から夜にかけての金沢の街をブラブラと散歩して、駅前の宿でこの記事を書き始めている。いつにも増して、書きたいテーマが見つからない。

ふと、下書きの一覧を覗いてみた。過去にタイトルだけ思いついて保存したものの一切書き始めることのなかった下書きが山のように溜まっている。

その中のひとつに目が止まった。それが今日のタイトルである。


その昔、ぼくは「完全犯罪」を計画していた。


ただただヤバいタイトルだ。こんな書き出しの小説が会ったら前のめりに読み始めるかもしれない。なぜこんなタイトル案を残していたのだろうか。

知らぬ存ぜぬ顔をして書き進めようと思ったが、自分で思いついたタイトル案である。知っていて当然、もちろん覚えている。1週間ほど前のことだ。

僕の地元・鳥取にある「国立鳥取大学」に爆破予告が届いたというニュースを見た。時を同じくして「鳥取市役所」にも銃の乱射予告が届いたと言う。

物騒な話である。両施設は臨時休校そして一時閉庁となったようだが、結局のところ異常は検知されず大事には至らなかった。ひとまずひと安心と言ったところだろう。

だがしかし、そんなニュースを読んで僕の愚かな脳内に浮かんだことこそが、今日のタイトルである『その昔、ぼくは「完全犯罪」を計画していた。』だったのだ。


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僕が高校生だったとき(記憶では高校2年生の秋だったはず)、在学していた母校にも同様の爆破予告が届いた。正午に爆破予告が届き、緊急で帰宅させられたように覚えている。テスト期間中だったようにも思う。

余談になるが、母校に爆破予告が届いて生徒一同全員が緊急帰宅させられたわけだったが、僕ら友人何名かは母校の校舎が一望できる鳥取県庁第二庁舎最上階にある県庁食堂に足を運び、勉強をするフリをして警察や消防の方々が爆破物を捜索している様子を眺めていた。ちなみに、そのときの爆破予告は、僕の母校と「鳥取県庁庁舎」に爆弾を仕掛けたという内容だったらしい。呑気なものである。

無駄なところが人生を豊かにするということもあるが、話を本題に戻そう。

爆破予告が届き、校舎を隈なく捜索する警察と消防の働きを見ながら、僕はこんなことを考えていた。

「もし俺が犯人ならいつどうやってどこに爆弾を仕掛けるだろう。うちの学校にはALSOKが入ってる。正面突破は難しいはずだ。入り口以外に防犯カメラが仕掛けられているわけではないが、俺の知らないだけで防犯対策が施されている可能性もなくはない。深夜に忍び込むリスクは高すぎる。体育館や講堂ならば部活が終わるときに窓の鍵をこっそり開けて帰れば夜に忍び込むことは可能だ。これは去年実証済みだから間違いない。ただ、爆弾を仕掛けるには面白味が薄い。そもそも犯行手口がバレバレですぐに特定されるだろう。仕掛けるなら教室に、しかも、犯人がバレない完全犯罪で、且つ、本物の爆弾ではなく爆弾に見せかけたオモチャを設置する。メッセージは “生徒の大事な命を守るために防犯には力を入れなさい” にしよう。誰も傷つけない注意喚起の完全犯罪だ。そのために狙うべきは……、早朝だ!!」

高校2年生の健全な男子とはこういうものである。あまり打ち明けてはいなかったが、僕は中学生の頃からよく「完全犯罪シミュレーション」をしていた。授業の暇な時間に。あとで聞いたところによると、健全な男子中学生の多くは授業中にエロいことを考えているらしい。知らなかった。みんなが思春期でエロに目覚めたように、僕は完全犯罪(のシミュレーション)に目覚めていたんだと思うと、今の僕がこんな大人になったのもうなずける。

鳥取でも、熱海でも、北海道でも、新潟でも、そして今日から滞在する金沢でも。散歩をしているときに考えているのは大抵「完全犯罪の手口」について、だ。良い手口を思いついたとき、僕の歩くペースが上がる。いずれ完全犯罪を破られることがあるとするならば、その癖から足が付くのだろう。

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さて、この記事を読んだあなたは、僕の仕掛けた完全犯罪にいくつ気づいただろうか。誰にも気づかれずに完全犯罪を行って人々をハッピーにする。それが僕の仕事だということは、ここだけの秘密にしておいてほしい。


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というわけで、今日の記事は以上になります。
一部フィクションも含めているので、全面創作物だと思って楽しんでもらえたら嬉しいです。(気づいた人もいるかもしれませんが、漫画『バクマン。』の中に登場する作品『PCP -完全犯罪党-』に似てるよね?)

では、またあした〜!

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