「購入するのが最大の応援」のもう一歩先へ。
2018年11月10日に鳥取の僕の知人が「パン工房ほとり」というパン屋さんをオープンしました。
大きな特徴は、「完全予約制(オンライン取り寄せ or 店頭受け取り)の形態を取っていること」と「鳥取県産の材料をこだわって使っていること」になります。
パン屋業界の『長時間労働問題』と『大量廃棄問題』に対して一石を投じると同時に、自身がより美味しいと思うパンを模索したんだろうなというのが、この特徴からも伝わってくるようです。
そんな「パン工房ほとり」ですが、工房の設備投資費用を クラウドファンディング で集めており、支援をした僕の元には全5種類の食パンがリターンとして届きました。
この食パンを食べながら、感じたことを書き残しておこうと思います。
事業は「始めること」ではなく「続けること」が大事。
ご存知の方もいると思いますが、僕自身も今年の3月まで鳥取駅前で小さなブックカフェを約3年間運営していました。
参考:[カフェ経営の教科書] - 飲食業初心者が開業して撤退するまでの実録 - 【完成版】
そのカフェを始める際、僕もクラウドファンディングで約90万円ほどの資金を集めてスタートを切っています。
そんな同じ境遇の当事者として感じるのは、やはり大事なのは「始めること」ではなく「続けること」だよなと。
パン工房ほとりの店主・吉田翔太くんも、自身のブログ記事「【お知らせ】パン工房ほとり 2018.11.10 オープンします。」の中でこのように書かれていました。引用します。
正直な気持ちをいえば、まだ「おめでとう」と言ってもらえるほど、何一つ成し遂げていないと思っているところがあります。
僕たちはまだスタートラインに立ったに過ぎない。パン業界に一石を投じるどころか、自分の生計を立てることすらできていない。
乱暴な言い方をすれば、始めるのは誰だってできる。パン屋さんだって、たくさん出来ては、潰れていく。オープンしたからといって、社会に与えられたものはほとんど無い。
心から応援するなら「購入し続けること」を重視したい。
そして、事業者が事業を継続していくために必要なのは、どんな綺麗事を言っても『売上(キャッシュ)』です。キャッシュがあれば(モチベーションが下がらない限り)続けることができるわけで。
だからこそ、本当に応援したい事業者を応援するなら「商品を購入すること」、そして「商品を購入し続けること」こそが、本来の応援になるんですよね。
そう言えば、先日東洋経済オンラインに掲載された「地方が「妬み地獄」から脱出する4つの行動」という記事の中にも、このような一文がありました。引用しておきます。
応援は具体的行動、つまりは売り上げにつながることに協力することにほかなりません。
もちろん、クラウドファンディングで支援することも初期の段階では心強い応援ではあるんですが、事業者として本当の意味で応援してもらえてると感じるのは、継続的な購入に他なりません。
少し話は脱線しますが、翔太くんのクラファンのリターンの送り方はひとつひとつ丁寧で、非常に共感を高めてくれるものでした。逆に僕がクラファンを実施したときはそこまで気をつかえていなかったなと…。そんな反省をすると共に、さらに応援したい想いが増したような気持ちになりました。
応援の形には、もう一歩先がある気がした。
で、今回リターンで届いた全5種類のパンを食べようと思ったとき、さすがにひとりでは食べ切れないと思い、熱海の何人かに声をかけて「ほとり食パンの試食会」を開催したんです。
こうやって「パン工房ほとり」のある鳥取から遠く離れた熱海という街で、自分の応援する事業者の商品を紹介する。そして、喜んでもらう、って凄く気分が良いなって思ったんですよね。
もちろん、応援し続けるために「定期的に商品を購入する」というのも大事な応援の形なのは前述の通りですが、「購入した商品を周囲にも自発的に広める」というのはそのもう一歩先を描いているような感覚を抱きました。
いや、国民全発信者時代を生きている僕たちであれば自然としている「共感した商品をSNSで投稿するという行為」は、ほぼそれと同義なのかもしれません。
まだスッキリとした言葉にできていないもどかしさもありますが、事業をする立場(応援を受ける側)の時には感じなかった応援の形が、なんとなく見えたような気がします。
この記事を読んでくださった方の中で、強烈に応援したい商品や事業や企業がある人が、何かちょっとでも周りの人に広めようとすることを考えてみるきっかけになれば嬉しいです。
では、またあした〜!
おまけ:創業支援プログラム「99℃」の思い出の一枚
10月より熱海の創業支援プログラム「99℃」第3期(短期コース)にプロジェクトチームの一員として参加していたんですが、本日で一旦の最終日を迎えました。
僕らのチームは、熱海銀座の物件を「街ごと居住の拠点となるシェアハウスにする」という事業を提案したんですが、来年4月のスタートに向けてさらなるプラッシュアップに励んでいく予定です。
というわけで、今日のおまけコーナーは、そのプロジェクトチームで撮影した集合写真を載せさせてもらいます。
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