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修士首席から見た大学院は行かないと損な理由

こんばんは、りょーです。

今回は私がなぜ学部で就職をせずに大学院進学をしたのか決めた理由について書きたいと思います。


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自分は学部生の頃、大学院に行きたいなと思ったきっかけを鮮明に覚えている。それは「理系の強みなんて一ミリもねぇ」とインターンで思わされたことです。浅い考えながら自分のブランディングを考えれていたのかなと思って今では自分に感心してます(笑)。

学校が休みになってこの時期に、将来のことを考えるいい機会だと思います。大学生なら就職か進学か、高校生なら大学行ってそのあとどうなるんだろうと考えてみてほしい。社会人の人も、ウイルスでこんなことになっている時代だからこそ、一度学び直すことも考えてみてほしいです。


大学の学部で学んだことなんてほとんどない

私は大学は理工学部の物理学科に所属していました。ここに進学した理由は天文学に高校生のころに惹かれたことと、キャンパスが都心であることです。
理系は田舎ばっかりだったから、立地にはすごく惹かれましたね。

大学に入る前には卒業後を意識することなんて全くなかったです。博士課程まで行った今考えてみると、「理学部はかなり世界を狭める選択」だと思っています。

世界を狭めていると思う理由は一つで、大学の学部で勉強する内容で、直接的に社会で役に立つ技術はほとんど身につかないということです。
物理学は世の中で起こっている物事の原理です。しかし大半の人はその原理を知りません。しかし世界は、経済は回るんです。つまり、大学の4年間で、社会の仕組みも知らない若い人間が、誰も気にしていない根本の勉強をあさーくやるのが物理学科の日常です。そんなやつ誰が重宝がりますか笑

一方で工学系は、プログラミングや設計といった社会で使われている知識をそのまま学習する場です。つまり勉強内容が「実践的」です。この違いから、理学部卒の学部生には武器がないこともわかると思います。

実際に就職先のバリエーションは乏しく、SIerか教員が多くて、学科の4割くらいが進学をする感じです。進学した私としては、友人らの学部の頃就職に関する話を聞いても同じような話ばかりでつまらないなと思った印象があります。
SIerになるなら情報系がに進めばよかったじゃん、が一番最初に頭に浮かんでくるし、物理学科卒業者になんの強みもないと感じていたので。

学部卒業くらいなら、物理学科という選択は個人的にはあまりおすすめしません。これは当時の自分の意見でもあり、博士課程まで進んだ自分が今でも思うことです。


なんの理系の強みもない理学部の学部卒

私が物理学科で何も強みを得られないと感じたきっかけはインターンでした。

私は大学2年次の夏に、Tカードを運営しているCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)に2週間のインターンに行きました。
業務内容はTカードのビッグデータを用いたマーケティングの実践でした。参加者は割と高学歴で、文系が9割でした。マーケティングという職種からしたら納得の割合です。

インターンではかなり実践的で、データの傾向をみるだけでなく、施策を予算も込みでシミュレーションしていくものでした。
理系だから数字に強そう、という点から予算計算のエクセルシートの作成や、データの計算を担当することが多かったのですが、文系の人に説明したら割とみんな理解してくれるし、教えたら計算もできる。

ここで気づいたのが、「理系である強みって自分にないな」ということ。データの解析に秀でているわけでも、多くのデータをさばくことも、そこから独自の視点を持つこともできないなと実感しました。

もし彼らと並んで就職したら、何も自分をブランディングできないなとい痛いほど痛感しました。そこで感じた「無能さ」がきっかけで、修士課程への進学を考え始めました。


深掘りする習慣が最強である理由

大学4年から修士2年まで研究をして「データを利用した伝える力」は確実に伸びました。


研究は、実験→データ解析→結果から科学を考察、という流れです。
そしてこの流れを学会発表や、論文としてまとめあげるてアウトプットして仕事が完結します。

つまり、どんなに偉大な研究であっても、どんなに難しいことをしても、最終的には人に届けなければいけないということです。
自分の研究は崇高なもので人に理解されるものではない、というのを本当に言っている人はまじでやばいやつです。こういうことを言いつつも生き抜いている人は、きっと「自分の研究に理解のない人」に向かって言っているのでしょう。

どんな研究も、今まで知られていなかったことが必ず含まれています。つまり、極論を言えば自分しか知らない結果を見出すことが研究で結果を得る、ということです。

なので、プレゼンや論文では、誰も知らないことを相手に理解させ伝えなければいけません。これにはかなりの労力が必要です。研究結果を出すよりも時間を費やすことが必要かもしれません。しかしここをじっくり詰めていけるのが、「学生」であることの特権だと思います。社会人だと回転が早くて、この段階を反芻していけないですよね。

修士課程はこの一連の流れを、指導を受けながら実践していく場所といっていいでしょう。特にプレゼンに関しては相当厳しい研究室だったので、半端なくしごかれました。。。


プレゼンテーションでは見栄えも重要なファクターですが、数値的にこれだけ違う、とか、この結果にはこういう傾向があって、とかいう「データ」が最も重要です。

理由は簡単で、「感覚」で物を言われるよりも、「根拠ある意見」として物を言われた方が説得力があるからです。この根拠にあたる部分がデータです。研究においては、話と話の転換にはデータが挟まれることが多いです。「AはBと関係があって、BはCとも関係があります。だからAとCは。。。」というような三段論法は非常にわかりやすいですよね。

この過程を飛び越して、「AとCはなんとなく関係ありそうなので〜」とか言われると、釈然としなくなってしまいます。AからCまでの距離がこのぐらい短ければいいですが、かなり離れていると、なんの話をされているのかがさっぱりわからなくなってしまいます。

なので、「データ」を意見と意見の接着剤のような形で使ってあげることで最終的に強固な一つの意見を形成できるようになります。

このようなことは、大学生の授業では身につけることができず、実際に手を動かして自分で考えて、というところが大事です。もちろん会社に入ってからもここは伸ばせます。
しかし、1つの論理を完全に成り立たせるために膨大な時間をかけることができるのが「学生」という立場です。だから私は、この経験には2年間修士課程に行くだけの価値があると思っています。そして、そこでつけた力を提げて社会に出て行くことで、素早い流れの中で最高のアウトプットができるのではないでしょうか。


まとめ

修士課程は「データを用いた伝える力」を伸ばすのに最適な場所である、というのが私の意見です。

研究という一つのことにだけ注力すればいい「学生」という立場を、最大限使って、ここを伸ばすだけで、社会に出てからの他者との差別化に繋がるのではないでしょうか。

さらに、「2年間出遅れる」と思う必要はないと思います。アウトプット能力に特化できる2年間を送れば、ビジネスの仕事の流れの最終部分が身についていると考えられます。そうしたら、仕事内容を覚えて、作業内容を効率化させて、という部分に注力できます。アウトプット能力には秀でていて、他の仕事にかけられる時間が多いのは、かなりアドバンテージになると思います。

どの力を伸ばして、どこで人と差をつけるか、という視点から進路選択をしてみるのがいいと私は思います。





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