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古本屋の丁稚回想記│自分語り

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10年ほど前に、開店休業状態の出版社(家業)を古書店として復活させようとして、一時断念しました。また違う形でチャレンジするために、ここまでの経緯を記録しておこうかと。
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2022年3月の記事一覧

紙の本を活かす芸術│回想記14

うっかり自分語りをはじめちゃって14回目。10年くらい前の話なのですが、メール等で過去を遡ってみると、頭の中の時系列が驚くほど狂ってますね(笑)。 記憶なんて曖昧です。過去にとらわれることが、どんなに無意味かわかります。(そんなことを言って自分語りが続いていて、みっともない……) さて、前回、紙の本の魅力を活かすとすれば「絵本」に違いないと確信を得て、その探求を目指すことにしたという話でした。 絵本というと、子ども向けの書籍という印象が強いかもしれません。または、絵がた

本は器である│回想記13

古書店の丁稚奮闘記として書いている自分語り。きっと……というか、間違いなく、10年くらい前に自分の軸として達成できなかった古本屋としての未練があるのでしょう。これをまとめることによって、次へのステップへと繋げます。そんなわけで13回目。 表題の「本は器である」というのは持論です。 ひょっとしたら、出版に関わる人は、当たり前のように思っているのかもしれません。ここでいう、本は、いわゆる「紙の本」です。 よく「紙の本」と「電子書籍」が比較されることがありますね。紙の本じゃな

再び、迷走が……│回想記12

無駄に長くなってしまった自分語り。12回目となりました。あと3回くらいで終えます。(そんなに続くのか……) 前回は、ラジオ出演をしたところ、放送後に「古本屋をやってみたいからお話ししたい」という旨のお電話をいただいた……という話でした。 ……ということで、早速、お電話くださった女性にお会いしに行くことに。 呼ばれた場所は、甲府駅(山梨県)の北口から徒歩圏内の古民家でした。お話しを伺うと、古民家の活用方法を考えていたところ、ラジオで古本屋のことを聞き、興味を持ったとのこと

古書店の役割とは│回想記11

自分の経歴のようなものをまとめるつもりの自分語り。11回目になります。 前回、和装本の製本等のワークショップを続けていたら、「古書店」の立場でのラジオ出演の依頼が舞い込むという展開になりました。ありがたいー。 YBS山梨放送の「はみだししゃべくりラジオ キックス」という番組で、山田ルイ53世さんと電話でお話しするという感じだったと思います。 生放送ですが、わたしは公園で取材を受ける感じでしたね。(10年くらい前の話です。そして、その公園が、ここ最近、がっつさんとぷっちさ

独自性を探す│回想記10

ここ数日、立て続けに「あなたは何屋さんなの?」という質問に明確に答えられず難儀するという経験をしています。 中途半端にできることがたくさんあるということは、決して良いことではないということを痛感しています。ただ、一方で、実はこれは表現の仕方次第であって、いろいろなことがたくさんできることを強みとして考えるという、打ち出し方の問題かもしれないとも思っています。 そういう前提を踏まえ、自分のルーツを語るということは、多少意味のあることだと信じて続けます、自分語り。今回で10回

恒産なくして恒心なし│回想記9

なかなか完結しない、古書店丁稚奮闘記。過去の活動を振り返る自分語りも9回目となりました。あと数回で終わります。(終わらせます) 前回は、ネット上で売れないので、実店舗での販売をチャレンジしてみたものの、フルスイングで空振りをした話でした。 まぁ、商売の仕方がうまくなかったんですね。 このあたりから、在り方について、少しずつ気にするようになります。それまで、本を右から左へ流す、商社のような感覚が少なからずあったと思います。(商社が悪いというのではなくて、古書店であることの

一生懸命やれば良いというわけじゃない│回想記8

10年くらい前に古書店を運営しようと奮闘したことを、自分の経緯としてまとめることを目的とした自分語り。8回目になりました(長い)。 さて、前回は、ネット古書店として品数を増やしていったけれど、あまりにも反応がないので、実店舗販売の道を検討した……という話でした。 当時、参加していた古書のポータルサイト「スーパー源氏」さんの伝手で、神田神保町の三省堂書店さんで開催される古書市へ出店させていただくことに。 初の対面販売。勝手も分からないまま、入念に準備を進めます。正直、これ