組織はオッサンにより劣化する?「劣化するオッサン社会の処方箋」山口周
本書が扱うオッサンは年齢の話ではなく会社の存続に障害となる以下の特徴を持つ人として示されています。
古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する。
過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない。
階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る
よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
組織が劣化しつつある現代
筆者によれば組織は大きくなるにつれて劣化します。長い歴史の中で人材は交代せざるを得ず、一流の人材よりも二流三流の人が全体的には多いため次第に重職にも二流三流の人材が入ってしまいます。
また、人材を抜擢するのにも一流の人はそうした普通の人には見抜きにくい上に自分を脅かす存在でもあるので中々抜擢されにくいです。
転換を求められるオッサン
現在5.60代の人たちが社会人として活躍し始めた時はバブル景気もあり会社に従っていれば安定という価値観がありました。
しかし現在はキャリアが長くなった上に経済成長のような分かりやすい目的が無くなりつつあります。
そうした状況の中で今も働く5.60代の人たちは会社の貢献のためにも個人のキャリアのためにもただ会社にお仕えするという働き方や価値観を変える必要があります。
年長者の価値低下
筆者によれば、かつての社会や企業のシステムでは年長者は言わば蓄えた知識を還元するご意見番の役割がありました。
しかし近年は年長者、つまりオッサンがその役割を全う出来なくなりつつあります。
社会変化のスピードが速くなりネットや本で情報が手に入れやすくなったことによる知識の価値の低下。また、平均寿命増加により深い知識や経験を持つ個人の供給数が増えたこと。
こうしたことにより年長者は貢献しにくくなり、しかも若手に比べればどうしても成長性などで分が悪い立場から脱しにくい状況です。
若手を支えるサーバントリーダーとしての貢献
そこで筆者が提唱するのが、若手がリーダーとして活躍するのを助ける影のリーダー、言い換えればサーバントリーダーとして活躍することです。
組織の継承や変革において若手の存在や発想は不可欠ですが、どうしても発言力や経験においては劣るのも確かです。
そこでサーバントリーダーは若手が見えていない部分に自身の経験からアドバイスをしたり自分が持つ影響力を活かして組織内に若手のアイデアを浸透させる橋渡し役として若手のサポートをします。
年長者がリーダーとして若手を支配するのではなく、手を取り合って活躍するリーダーのスタイルです。
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