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64歳、パリで新たなスタートをきる 10 育児について

◆自分の子供を私も育てたつもりだった

★今までの認識が間違いだった

そもそも息子夫婦に第二子が生まれるので子育て支援のためフランスにきました。
私は自分の2人の子供をお風呂に入れたりオムツを変えたりと、自分なりに子育てをしたと言う自負はあったのですが、改めて子育ての本当の大変さを知りました。
もうすぐ第二子の出産を控えているので、一通りの事がお母さん不在でもできるように、我等老夫婦で子育て支援をはじめました。
育児=(オムツ交換、お風呂、寝かせる、遊ぶ)程度に考えていて、夫婦で交代すれば何とかなると思ってましたが、主婦は、家族の食事の支度や掃除、洗濯など、やる事が満載。
私は、自分の子供が小さかった頃、家事の手伝いなどしていなかったので、奥さんがどれだけ大変だったかと、今更ながら反省しました。

★ やる事リスト

・朝8:00 孫を起こす
・離乳食を作る(お母さんが作り置きして冷凍している物を解凍)
・ヨーグルト、ピューレを準備
・子守り(絵本、音、音楽が流れるおもちゃ、ぬいぐるみなど)
・お昼寝
・離乳食の準備(昼ごはん)
・子守り
・散歩
・離乳食の準備(夕飯)
・お風呂
・歯磨き
・寝かせる
子供から目が離せないので、私の奥さんが子守りをしている時に、ゴミ出しやおもちゃを片付けたり、洗ってる食器を棚にしまったり私が出来ることをします。私が子守りをしている時に、奥さんが家族の食事を作ったり、洗濯、掃除、皿洗いなどをしています。今は息子も息子のお嫁さんもお腹が大きいのに家事や子守りもサポートしてくれるのですが、2人目が生まれる前後は、そうはいかないので、今からもっと手際良くできるようにならなければ。

◆外国と日本の違い

★労働に対する価値観の違い

ニューヨークで生活していた息子夫婦の子育てを見て感じたこととして、海外との価値観の違いを感じました。日本は、たとえば会社に入ると、先輩や上司、会社から手厚い教育を受けます。まさに師匠と弟子、体育会系の先輩・後輩のような関係で、会社や先輩には、逆らわず、奉仕する。
例えば、営業職で採用されても、会社の掃除、機械の搬入出、集金など、本来「受注・契約」が主な業務なのに、それ以外の作業が多いためサービス残業が普通に行われていました。
海外は、契約社会なので、会社が求める業務に対してどれだけの結果を出せるかが勝負。結果が出せなければ職を失う。期待以上の結果を出すと、契約金が上がる。だから良い給料、グレードの高い仕事を得る為に、学校に通ったり自己研鑽する。
最近になって、日本でも終身雇用制度から能力主義に変わりつつあり、社員が働きやすい環境づくりとして、会社の掃除は清掃会社に、納品は運送会社に回収は振り込み、引き落としをメインにと、本業以外の作業は外注するようになってきました。
それでもゴミ捨てや、毎日の清掃は社員がやっているところがまだ多いと思います。苦労は買ってでもしろ!汗と涙の先に成功がある!って言う人がいましたが、苦労や耐えることが重要なのではなく、そのプロセスから何かを掴もうとする意識があるかどうかが重要なのに、何か勘違いしていたのかな?我々の世代は。

★子育てに関する制度と価値観の違い

日本では、出産予定日の6週間前から1歳になるまで休みが取れ、休業開始前の賃金の67%が支給されます。(厚生労働省ホームページより)
アメリカでは、雇用は補償されても経済的な補償はないそうです。
なので、7割を超えるワーキングママが3ヶ月以内に職場復帰しているそうです。金銭的な問題と、自分のキャリアを止めない為にでしょう。移民社会なので、いくらでも自分の代わりはいます。なのでキャリアを積みたい女性は、子供を諦めるケースもあるそうです。(息子夫婦は2人とも自営業なので、インターネットで調べたため、確かかどうかは分かりませんが)
早期復帰できる要因として、アメリカでは半分以上が無痛分娩だそうです。
通常分娩で翌日、帝王切開で3日後には退院するそうです。寝たきりよりも普段の生活に戻る方が回復が早いという考え方だそうです。
日本では、昔のドラマ「おしん」のように、苦しみに耐えることが美徳で、赤ちゃんはお腹を痛めて産むものという文化ですよね。
アメリカは補助金制度はおくれていますが、仕事とプライベートはしっかり分けて、定時でキッチリ帰るし、子供の為に有給はしっかり取れるそうです。日本でも最近は残業するなとか、有給を消化しろとか言うようになりましたが、制度の活用が目標となり、休みを取る必要のない人まで休まされて、時間を浪費してしまうケースも出ているのではないでしょうか。必要な人が必要なだけ時間を作れる方が中身の濃い休み、仕事になると思うのですが。
子供を育てたい人がしっかりサポートされるような社会になってほしい。

◆まとめ

周りと同じであることが、平等と考える日本。耐えることが美徳と考える日本。これでは多様性の社会には対応できません。外国の一部だけを切り取って政策を実行しても、社会システムが違うので歪みが起こります。
良いところは学ぶ。労働に対する価値を考えなおす。(家事・育児も労働)
おもてなし(無償のサービス)と業務の境が難しいかもしれませんが、おもてなしは気遣い、心配りであり、嫌々するのではなくて、心からそうしたいという「ボランティア」ということでしょうか。とにかく日本の良さを保ちつつ、多様性に対応した子育ての仕組みを社会全体で考える必要があると感じる今日この頃です。

épisode1 動機・退社編
épisode2 準備・出国編
épisode3 到着・始動編
épisode4 支払・apple pay編
épisode5 スマホ・Wi-Fi編
épisode6 お買い物編
épisode7 Tver編
épisode8 公共交通機関編
épisode9 フランス語編

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