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あいちトリエンナーレ展示中止事件と「表現の自由」

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あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」中止をどう考えるべきか──「表現の自由」ではなく反差別・反極右による対抗が必要

ご存じの通り、美術展・あいちトリエンナーレで8月3日、「表現の不自由展・その後」が急遽展示中止となる事件が起きました(以下、展示中止事件)。ガソリン爆破予告などの脅迫が直接の原因だと報じられています(下記は中止理由を報じる過去記事)。

すでにこの事件については多くの方々が批判する声明を出されており、中には重要な指摘も多く含まれます。

しかし問題は抗議のほとんどが「表現の自由」というロジックに基

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あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」中止事件について──中止原因は差別煽動であり、それは初めてではなかった問題について

※一橋大マンキューソ准教授のハラスメントへの対応に追われ、まとめる時間をつくれないまま途中で終わっていた記事を公開します。

8月1日に開催された国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」のうちの展示の一つ「表現の不自由展・その後」が8月3日に中止されました。

前回記事はこちらです。単に「表現の自由」を持ち出して反対するだけでなく、はっきりと差別に反対する意思を示すことが極めて重要

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あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」中止(2)──2017年一橋大学百田尚樹講演会事件との共通点

今回のあいちトリエンナーレ展示中止事件は、2017年の一橋大学百田尚樹講演会事件と極めてよく似ています。

一橋大学百田尚樹講演会事件は、じつは今だ解決されていません。2017年6月2日に実行委が中止を決定したことに激怒した百田尚樹氏は、その腹いせになんと、私が一橋の学生を脅迫したというデマを流し続け、その結果常軌を逸した差別煽動が私や一橋大の留学生・マイノリティに殺到したからです。(そのデマは、

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