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「コンフィデンスマンJP英雄編」誰がサカナなのか?子猫ちゃんなのか?このくらいスリリングな世界に住みたかったりもする。

映画三作目にして全く緩みなし。前作の後に出演者が亡くなったりして、テンション下がってるかと思いきや、コンフィデンスマンたちはかなりアクティブにミッション完了ということだった。観る前にはもう、このシリーズ、最後なのかと思ったりもしたが、スタッフ側としてはまだまだ作る気満々に思えたし、そうあって欲しいと思う。シリーズものが皆無に近い日本映画にあって、それなりに力尽きるまでおサカナを追いかけて欲しいものだ。

この間、ネットで長澤まさみがこんな映画に出てることがよくないと書いていた方がいたが、そんなことはない、長澤まさみの演技が最も弾けてるのがこのシリーズと言っていい。ある意味、ベテランになってきたからこそできるのがこういう演技だと思ったりもするのだ。今回も最高でした!そして、自衛官の衣装がなかなかお似合い!

しかし、ドラマの時から思うのだが、この話、脚本の設計図を作るのが大変だろうなということ。映画版に関しては2時間の中で騙し合うわけで、それなりに複雑になっていく。そして、もう観る方も、誰が騙して、誰が騙されているんだと考えながら観ることで面白さは増幅する。だいたい、今回はコンフィデンスマン3人が対決するからはじまるわけで、観客はまあ混乱するよね。

そして、おサカナは誰なの?というところで怪しいやつがいっぱい絡んできて、そして時間も行ったり来たりしてるのに、ちゃんと納得させられるからなかなかすごい脚本。まあ、後で時間軸とか場所とかを追っていくと矛盾するところとか、できないだろう的なものはあるのだろうが、そんなことどうでも良いわけですよね。そして、この信頼してるようで信頼してない世界、これが人間社会の縮図といえば縮図。

マルタが舞台だが、ロケは行っていないのだろうと思う。それでいて、ちゃんと海外ロケ行った感じが出ているからそれも昨今の技術のなせる技。そして、日本人もそういう舞台で演技できる様になってきたということだ。そして、美術さんもなかなか頑張っている。豪華な映画に仕上がっていたよ。

まあ、色々ネタバレはしてはいけない映画なのでおサカナが誰かは言えないが、わかりやすいと言えばわかりやすいし、そして、今回はそのおサカナがコテンパンに押しつぶされたオチでしたね。そういう意味では、爽快感はすごくあった作品でした。

キャストでは、城田優と生田絵梨花のカップルのいかがわしさから始まって、松重豊の刑事の格好よさ、角野卓造の詐欺師面とか、色々みなさん楽しんでいるようで、他の子猫ちゃんたちもなかなか豪華に登場。こういうのが正月映画第一弾でいいのだと思うのだが、第二弾的に公開するのは、マーケットがそのほうが活発になるということなのだろうか?最近の映画公開のやり方がいまいち読めない。

結局、見終わった後、ダー子、ボクちゃん、リチャードにまた会いたくなる感じの映画である。私的にはまだ手をつけていない世界として政治家編をやって欲しいんだよな。政治家なんて、最初からみんな詐欺師なんだし、世界の金を動かせる点ではおサカナとしてはすごく面白いと思うのですがね。

オチとして伝説の詐欺師は落ちぶれていなかった的なのはよかったですが、そして、今回はクレジット後に鳥獣戯画?意味わかんないです。



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